戦力より戦略。
セクハラはマジで無理
「で、どうするんだ、リオン」
「どうするってなにがー?」
流石に会談で疲れた後のリオンを労うのも吝かではなかったので、撫でられるがままになっている。 
「そりゃ、縁談のことだよ」
偉い人の間ではあんな簡単に縁談が降って湧くんだな。
「あの人のこと知らないし、なんとも言えないよねー」
「そりゃそうだ」
そのための夕食会だしな。
「でもー……」
「でも?」
「ちょーっと視線が気持ち悪かったかなー」
ま、感情が{情欲}に支配されてたし。
さもありなんだな。
男性の視線に、女性は思っているよりも敏感だ。
よく男性が胸を見ているかどうかが手に取るようにわかるという話があるが、決して大袈裟な話ではない。
「あの人、私の胸しか見てないんだもん」
うん、まんまその話だったな。
まぁ、リオンのプロポーションは殺人的なので、目が引き寄せられるというのは理解できる。
だが、あいつは意識的に見てたからな。
下心しかない。
「まぁ、何の政治的効力もないわけだから、無視すればいいからな」
「でも邪険にするのも……」
「今日だけ我慢だな。ちゃんとやれたら、存分に撫でさせてやるから」
「ほんとー!?」
食いつきが凄い。
「まぁ、それなりに頑張ることだろうからな。褒美くらいは用意してやるよ」
「ありがとー!」
俄然テンションの上がるリオン。
どうにか乗りきって貰いたいものだ。
「バンフリオン殿は周りの女性がかすんで見えてしまうほどに美しく、更には強いとお聞きします。俺はこのような女性とお知り合いになれたことを光栄に思いますよ」
「まぁ、お上手ですね」
こういう偉い男女同士の会話を聞くのはこれが初めてかもしれん。
なんか、こう、うん。
上辺同士だから成り立ってるって感じがする。
これが上流階級の世界か……。
「ところで、バンフリオン殿には心に決めた相手などはいらっしゃるのかな?」
「いえ、特には……」
「それは良かった! では、俺がその候補筆頭に名乗りをあげるとしましょう!」
リオンの体を嘗め回すように見ながら怖すぎる言葉を言う愚息。
もう、うん。
なんだこいつ。
今まで女性に困ったことがないんだろうな。
顔はそれなりにいいし、金もあり、強さも持っている。
だが、行動の節々から女性をものとして見ている傾向が伺える。
こんなんでよく女性に困っていなかったな。
いや、どうせ金だろうな。
だからそういう価値観になっているのだろう。
「こうして仲良く語り合えているのです。もう、我々は相性が良いようなものでしょう!」
肩に手を回し、抱き寄せながら意味の分からないことを口にする馬鹿。
「そういうのはちょっと……」
「いいではないですか! さあ! もっと近寄って!」
リオンが拒否したにも関わらず、更にセクハラに及ぶ。
ここまでだな。
「申し訳ありませんが、バンフリオン様から離れてください」
リオンと馬鹿を一瞬引き離し、その間にステッド・ファストを割り込ませる。
「な、なんだお前は!」
「さっきからいたでしょう……。バンフリオン様のしがない護衛ですよ」
「どうするってなにがー?」
流石に会談で疲れた後のリオンを労うのも吝かではなかったので、撫でられるがままになっている。 
「そりゃ、縁談のことだよ」
偉い人の間ではあんな簡単に縁談が降って湧くんだな。
「あの人のこと知らないし、なんとも言えないよねー」
「そりゃそうだ」
そのための夕食会だしな。
「でもー……」
「でも?」
「ちょーっと視線が気持ち悪かったかなー」
ま、感情が{情欲}に支配されてたし。
さもありなんだな。
男性の視線に、女性は思っているよりも敏感だ。
よく男性が胸を見ているかどうかが手に取るようにわかるという話があるが、決して大袈裟な話ではない。
「あの人、私の胸しか見てないんだもん」
うん、まんまその話だったな。
まぁ、リオンのプロポーションは殺人的なので、目が引き寄せられるというのは理解できる。
だが、あいつは意識的に見てたからな。
下心しかない。
「まぁ、何の政治的効力もないわけだから、無視すればいいからな」
「でも邪険にするのも……」
「今日だけ我慢だな。ちゃんとやれたら、存分に撫でさせてやるから」
「ほんとー!?」
食いつきが凄い。
「まぁ、それなりに頑張ることだろうからな。褒美くらいは用意してやるよ」
「ありがとー!」
俄然テンションの上がるリオン。
どうにか乗りきって貰いたいものだ。
「バンフリオン殿は周りの女性がかすんで見えてしまうほどに美しく、更には強いとお聞きします。俺はこのような女性とお知り合いになれたことを光栄に思いますよ」
「まぁ、お上手ですね」
こういう偉い男女同士の会話を聞くのはこれが初めてかもしれん。
なんか、こう、うん。
上辺同士だから成り立ってるって感じがする。
これが上流階級の世界か……。
「ところで、バンフリオン殿には心に決めた相手などはいらっしゃるのかな?」
「いえ、特には……」
「それは良かった! では、俺がその候補筆頭に名乗りをあげるとしましょう!」
リオンの体を嘗め回すように見ながら怖すぎる言葉を言う愚息。
もう、うん。
なんだこいつ。
今まで女性に困ったことがないんだろうな。
顔はそれなりにいいし、金もあり、強さも持っている。
だが、行動の節々から女性をものとして見ている傾向が伺える。
こんなんでよく女性に困っていなかったな。
いや、どうせ金だろうな。
だからそういう価値観になっているのだろう。
「こうして仲良く語り合えているのです。もう、我々は相性が良いようなものでしょう!」
肩に手を回し、抱き寄せながら意味の分からないことを口にする馬鹿。
「そういうのはちょっと……」
「いいではないですか! さあ! もっと近寄って!」
リオンが拒否したにも関わらず、更にセクハラに及ぶ。
ここまでだな。
「申し訳ありませんが、バンフリオン様から離れてください」
リオンと馬鹿を一瞬引き離し、その間にステッド・ファストを割り込ませる。
「な、なんだお前は!」
「さっきからいたでしょう……。バンフリオン様のしがない護衛ですよ」
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