戦力より戦略。
肉食同士の仲は悪い
「して、リブレはどのような協力要請をしたのか、教えてもらえるかの」
「あぁ、別に条件なんざないさ。俺たちの全面協力だ」
国のトップ同士による会談が行われている。
対面して座っており、厳かな雰囲気になっている。
ちなみに俺は反省しろと言われて床で正座している。
俺なんかここで正座してること多くないか?
それだけ怒られてるってことか。
「しかし、我々には対価を払う義務が……」
「よせって。助けてもらった身だ。恩義を感じて返そうとするのは当然だろ? ここで何もしなかったら、本当にこの国は終わってしまう」
「うーむ……」
「俺たちも無理はしないからよ。そういう作戦なんだろ?」
カイルさんはそう言ってこっちを見る。
「あぁ、犠牲を出さないことが最優先。最悪、この街は消えても仕方がない。なんたって人間の手が及ばないものに対抗しようとしてるんだ。前提条件を間違ったらえらいことになる」
災害に対しては生き残ることが最優先だ。
「で、どのくらい連れてきたんだ?」
「あぁ、それなんだが……」
カイルさんがちょっと気難し気な顔をする。
「本来ならこの国のように兵士ってやつがいるもんだろ? だが、うちではそんな感じで統制するのは難しいんだよ。なんせ肉食ばっかりだからな。当然プライドも高い」
あのカイルさんから{諦め}が感じられる。
未来が見えてもなお苦労しているのか。
「で、あんなに大々的に発表しちまっただろ?」
「闘技場で戦わされたからな」
「となると血の気が多い奴らだ。全員が全員行きたいと言い出しやがってな」
「全員?」
「あぁ、子供から老人まで全員だ」
なんてアグレッシブな種族。
「流石に老人にはやめさせたが、プリンセちゃんを許可した以上ある程度の実力を持つ子供は参加させざるを得なくてな」
「具体的な人数はどのくらいだ?」
「ん? 俺も把握してない」
は?
「そこらへんは各族長の管轄だ。俺は大体のことを決めるだけ。あとは各自の判断だ」
なるほど。
わからないが、そういうこともあるのかもしれん。
「じゃあ、各種族どのくらいか教えてもらえるか?」
「黙秘だ」
「なにゆえ」
人数の把握が出来ないとどうしようもなくないか。
「我らは共に暮らしてはいるが、競争も激しい。互いにどの種族が1番かを競い合っているのだ」
代表して虎族の長、つまりプリンセのお父さんが理由を話してくれる。
「で、互いの陣営の規模を知られたくないから、言いたくないと」
「理解が早くて助かる」
うーん。
戦闘を指揮することになるのは多分こちら側だろうし、レインの代わりに俺だ。
出来れば不測の事態が起こるようなことは避けたいんだけど……。
「どうしてもか?」
「どうしても、だ。そのために各種族が休む場所を分けているのだから」
よっぽどだな。
凄い徹底っぷりだ。
「どうする?」
「どうするって言われてもね……」
キラにとりあえず聞いてみるが、妙案は出ていない様子。
「……お父さん」
「おぉ、プリンセか。あぁ!?」
お父さんが普段からは考えられないような声を上げる。
それというのも、プリンセが例のスク水姿だったからだ。
おい、どうした。
「貴様ぁー!!」
あ、こっちにヘイトが向いてる。
やばい。
「あぁ、別に条件なんざないさ。俺たちの全面協力だ」
国のトップ同士による会談が行われている。
対面して座っており、厳かな雰囲気になっている。
ちなみに俺は反省しろと言われて床で正座している。
俺なんかここで正座してること多くないか?
それだけ怒られてるってことか。
「しかし、我々には対価を払う義務が……」
「よせって。助けてもらった身だ。恩義を感じて返そうとするのは当然だろ? ここで何もしなかったら、本当にこの国は終わってしまう」
「うーむ……」
「俺たちも無理はしないからよ。そういう作戦なんだろ?」
カイルさんはそう言ってこっちを見る。
「あぁ、犠牲を出さないことが最優先。最悪、この街は消えても仕方がない。なんたって人間の手が及ばないものに対抗しようとしてるんだ。前提条件を間違ったらえらいことになる」
災害に対しては生き残ることが最優先だ。
「で、どのくらい連れてきたんだ?」
「あぁ、それなんだが……」
カイルさんがちょっと気難し気な顔をする。
「本来ならこの国のように兵士ってやつがいるもんだろ? だが、うちではそんな感じで統制するのは難しいんだよ。なんせ肉食ばっかりだからな。当然プライドも高い」
あのカイルさんから{諦め}が感じられる。
未来が見えてもなお苦労しているのか。
「で、あんなに大々的に発表しちまっただろ?」
「闘技場で戦わされたからな」
「となると血の気が多い奴らだ。全員が全員行きたいと言い出しやがってな」
「全員?」
「あぁ、子供から老人まで全員だ」
なんてアグレッシブな種族。
「流石に老人にはやめさせたが、プリンセちゃんを許可した以上ある程度の実力を持つ子供は参加させざるを得なくてな」
「具体的な人数はどのくらいだ?」
「ん? 俺も把握してない」
は?
「そこらへんは各族長の管轄だ。俺は大体のことを決めるだけ。あとは各自の判断だ」
なるほど。
わからないが、そういうこともあるのかもしれん。
「じゃあ、各種族どのくらいか教えてもらえるか?」
「黙秘だ」
「なにゆえ」
人数の把握が出来ないとどうしようもなくないか。
「我らは共に暮らしてはいるが、競争も激しい。互いにどの種族が1番かを競い合っているのだ」
代表して虎族の長、つまりプリンセのお父さんが理由を話してくれる。
「で、互いの陣営の規模を知られたくないから、言いたくないと」
「理解が早くて助かる」
うーん。
戦闘を指揮することになるのは多分こちら側だろうし、レインの代わりに俺だ。
出来れば不測の事態が起こるようなことは避けたいんだけど……。
「どうしてもか?」
「どうしても、だ。そのために各種族が休む場所を分けているのだから」
よっぽどだな。
凄い徹底っぷりだ。
「どうする?」
「どうするって言われてもね……」
キラにとりあえず聞いてみるが、妙案は出ていない様子。
「……お父さん」
「おぉ、プリンセか。あぁ!?」
お父さんが普段からは考えられないような声を上げる。
それというのも、プリンセが例のスク水姿だったからだ。
おい、どうした。
「貴様ぁー!!」
あ、こっちにヘイトが向いてる。
やばい。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
149
-
-
755
-
-
125
-
-
35
-
-
26950
-
-
17
-
-
140
-
-
89
-
-
3
コメント