戦力より戦略。
武闘家父親得てして頑固
「まぁまぁ、娘さんのお話に耳を傾けてみてはどうです?」
「いらん。いかなる理由があろうと、娘をそのような死地に赴かせるわけにはいかん」
まじで聞く気ないな、これ。
「お父さんがダメって言っても……! わたしは行くもん……!」
「俺が行かせるわけがあるか」
プリンセのお父さんが牙をむく。
プリンセの牙は鋭い八重歯かなって感じだが、こっちは完璧に牙だな。
プリンセは怯むが、なおも言葉を続ける。
「勝てば……。勝てば……問題ないよね……?」
「それはその通りだ。強い者に従うのが我らだからな」
その言葉を聞いて、プリンセがこちらを振り返る。
え、待って。
「リブレさん……、ふぁいと……!」
「いやいや、なんで?」
今これ娘が親を超えるってやつじゃなかった?
「私じゃ負けちゃうけど……。リブレさんなら……!」
「流石の俺でも親の許可なしに戦場に子供を連れて行くようなことはしないよ!?」
17歳の俺と13歳のレインがいるのに言うのもなんだけど!
「まぁ確かに、ここらでその若者に借りを返しておくというのも悪くはないが……」
なんでそっちもちょっとやる気なの!?
「しかし、本人が乗り気でないのだ。諦めろ」
良かった、常識人だった。
「……お父さんたちはそれでいいの!?」
プリンセが滅多に出さないような大声をあげる。
「おじいちゃんはいいよ。でも、お父さんたちは、戦争を仕掛けて、迷惑かけてるんだよ!? ランガルの人たちは優しくて、わたしにも良くしてくれたけど、本来ならどれだけ償っても足りないくらいなんだよ!? 困ってる時に助けないでどうするの!?」
本当にプリンセは6歳とは思えないほど考え方がしっかりしてるな。
未だにそこを抱えてたのか。
しかし、プリンセのお父さんは首を縦に振らない。
「確かに、我らは多大な迷惑をかけた上に、今も食料を譲ってもらったり、いいようにしてもらっている。しかし、今回のことは話が別だ。我らは逃げるということを提案した。戦うというのはランガルの意思であり、我らが関与することではない」
「でも……!」
「いいって、プリンセ」
なおも食い下がろうとするプリンセの頭を撫でる。
「今回のは確かに俺たちが忠告を聞かない結果だ。プリンセは俺たちを心配してくれてるようだけど、どうにもなりそうになかったらしっかり逃げるからさ」
命最優先だ。
「だから、精々俺たちが上手く逃げれるように祈っててくれ」
「ちょっといいか?」
いい感じにまとまりかけた話をカイルさんが止める。
「今の話は、プリンセちゃんが個人として行ってはいけないのかという話だったよな?」
「そうだけど……」
「なら、国家としての話はまだだよな?」
おいおい。
「よし、今決めた。我がドルガバは、ランガルに全面協力し、幻想級の打倒に全力を注ぐものとする!」
「唐突だな!?」
「いらん。いかなる理由があろうと、娘をそのような死地に赴かせるわけにはいかん」
まじで聞く気ないな、これ。
「お父さんがダメって言っても……! わたしは行くもん……!」
「俺が行かせるわけがあるか」
プリンセのお父さんが牙をむく。
プリンセの牙は鋭い八重歯かなって感じだが、こっちは完璧に牙だな。
プリンセは怯むが、なおも言葉を続ける。
「勝てば……。勝てば……問題ないよね……?」
「それはその通りだ。強い者に従うのが我らだからな」
その言葉を聞いて、プリンセがこちらを振り返る。
え、待って。
「リブレさん……、ふぁいと……!」
「いやいや、なんで?」
今これ娘が親を超えるってやつじゃなかった?
「私じゃ負けちゃうけど……。リブレさんなら……!」
「流石の俺でも親の許可なしに戦場に子供を連れて行くようなことはしないよ!?」
17歳の俺と13歳のレインがいるのに言うのもなんだけど!
「まぁ確かに、ここらでその若者に借りを返しておくというのも悪くはないが……」
なんでそっちもちょっとやる気なの!?
「しかし、本人が乗り気でないのだ。諦めろ」
良かった、常識人だった。
「……お父さんたちはそれでいいの!?」
プリンセが滅多に出さないような大声をあげる。
「おじいちゃんはいいよ。でも、お父さんたちは、戦争を仕掛けて、迷惑かけてるんだよ!? ランガルの人たちは優しくて、わたしにも良くしてくれたけど、本来ならどれだけ償っても足りないくらいなんだよ!? 困ってる時に助けないでどうするの!?」
本当にプリンセは6歳とは思えないほど考え方がしっかりしてるな。
未だにそこを抱えてたのか。
しかし、プリンセのお父さんは首を縦に振らない。
「確かに、我らは多大な迷惑をかけた上に、今も食料を譲ってもらったり、いいようにしてもらっている。しかし、今回のことは話が別だ。我らは逃げるということを提案した。戦うというのはランガルの意思であり、我らが関与することではない」
「でも……!」
「いいって、プリンセ」
なおも食い下がろうとするプリンセの頭を撫でる。
「今回のは確かに俺たちが忠告を聞かない結果だ。プリンセは俺たちを心配してくれてるようだけど、どうにもなりそうになかったらしっかり逃げるからさ」
命最優先だ。
「だから、精々俺たちが上手く逃げれるように祈っててくれ」
「ちょっといいか?」
いい感じにまとまりかけた話をカイルさんが止める。
「今の話は、プリンセちゃんが個人として行ってはいけないのかという話だったよな?」
「そうだけど……」
「なら、国家としての話はまだだよな?」
おいおい。
「よし、今決めた。我がドルガバは、ランガルに全面協力し、幻想級の打倒に全力を注ぐものとする!」
「唐突だな!?」
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