戦力より戦略。
事前準備は怠るな
「さて、これからだが……」
やると決まったからには必要なことを順次処理していかなくてはならない。
「とりあえずだけど、王様たちには兵隊さんたちと、冒険者たちに事情を説明してもらった方がいいな。その上で協力者を募ってくれ」
「うむ」
「で、一緒に戦ってくれる冒険者がいるなら、2つに分ける。キラが相手する組と、ケイン、エルメが相手する組だ」
「どう分けるんだい?」
「そこなんだよな。俺としては実力で分けたいんだ。個人である程度まで出来る奴はキラ、集団で動くようにするやつはケインとエルメに任せたい。二つ名兵団の候補生もキラだな。ただ、その組み分けをどうするかなんだけど……」
「いや、キラいつからいた!?」
「え、今だけど……」
「気配消さないでくれます!?」
ナチュラルに会話に入ってきやがって。
しかし、好都合だ。
やっぱ一回キラに相手してもらうほうが早いか?
でもそれだと時間がもったいないよな……。
「レベルでいいんじゃないかな。基本的に技量とレベルって比例するものだし」
「なるほど!」
俺がレベルが不遇すぎたせいでそれは全く考えてなかった。
そりゃそうだよな。
「どこのレベルで区切るかは3人に任せるから。誰が教えてもいいけど、ある程度強い奴は個人である程度までなら戦えるようにしてやってくれ」
「この短い期間でかい? 無茶言ってくれるね」
「そもそも幻想級相手にするっていうのが無茶なんだからそのくらいの無茶を通せなくてどうするよ。それぐらいやってやっとスタートラインだろ」
むしろそのくらいはできないと死にに行くようなもんだ。
「で、ハンネにはもうとにかく攻撃用のものを複製しまくるように言っといてくれ。あ、これもお願い」
そう言って俺はキラに1枚の紙を渡す。
「なんだい、これは?」
「黒色火薬の作り方だ。ハンネならすぐ出来るだろ。それ中心に作っておいてくれ」
なんだかんだ作ってはみたがその後一度も触れてなかった黒色火薬。
役に立たないはずがないからな。
物量はあって困るもんじゃない。
「とりあえずはそんなもんか?」
「お主たちはどうするのじゃ」
「あ、俺たちはドルガバに行ってくるよ。カイルさんに一応報告しといた方がいいだろうし、プリンセもいるからな」
「なるほどの。では馬を用意させよう」
「あ、俺乗れないけど」
一般人は騎乗スキルなんて持ってない。
「そこは心配いらん。我が国の馬は優秀じゃからな。ずぶの素人を乗せても、どうにかしてくれるじゃろう」
「全く根拠ないな……」
「速い速い速いって!」
「わああぁぁーー!?」
流石に歩くのも面倒だが、馬車なんて仰々しいものにも乗りたくなかった俺は結局馬で妥協した。
ケインに案内してもらって馬まで選んでもらったのだが、これが文字通りのじゃじゃ馬。
スピードは凄いが、乗ってる人のことを全く考えてない。
「お前ら! 振り落とされるながっ!? 舌噛んだあぁー!」
「僕はっ、大丈夫ですっ」
「わたしも……」
ちなみに3人乗りだ。
俺が手綱を握って、俺にレインが後ろから掴まり、プリンセは俺の前に座っている。
俺は手綱を握っているだけで勝手に馬が走ってる。
俺とレインは掴まるのに必死だが、プリンセは何も掴んでなくても平気そうにしている。
いや、尻尾で俺に掴まってはいるけど気休めだろう。
流石の身体能力。
「おあぁぁーー!?」
馬は上に乗ってる奴のことなんか気にかけず、ただひたすらに駆けていくのだった……。
やると決まったからには必要なことを順次処理していかなくてはならない。
「とりあえずだけど、王様たちには兵隊さんたちと、冒険者たちに事情を説明してもらった方がいいな。その上で協力者を募ってくれ」
「うむ」
「で、一緒に戦ってくれる冒険者がいるなら、2つに分ける。キラが相手する組と、ケイン、エルメが相手する組だ」
「どう分けるんだい?」
「そこなんだよな。俺としては実力で分けたいんだ。個人である程度まで出来る奴はキラ、集団で動くようにするやつはケインとエルメに任せたい。二つ名兵団の候補生もキラだな。ただ、その組み分けをどうするかなんだけど……」
「いや、キラいつからいた!?」
「え、今だけど……」
「気配消さないでくれます!?」
ナチュラルに会話に入ってきやがって。
しかし、好都合だ。
やっぱ一回キラに相手してもらうほうが早いか?
でもそれだと時間がもったいないよな……。
「レベルでいいんじゃないかな。基本的に技量とレベルって比例するものだし」
「なるほど!」
俺がレベルが不遇すぎたせいでそれは全く考えてなかった。
そりゃそうだよな。
「どこのレベルで区切るかは3人に任せるから。誰が教えてもいいけど、ある程度強い奴は個人である程度までなら戦えるようにしてやってくれ」
「この短い期間でかい? 無茶言ってくれるね」
「そもそも幻想級相手にするっていうのが無茶なんだからそのくらいの無茶を通せなくてどうするよ。それぐらいやってやっとスタートラインだろ」
むしろそのくらいはできないと死にに行くようなもんだ。
「で、ハンネにはもうとにかく攻撃用のものを複製しまくるように言っといてくれ。あ、これもお願い」
そう言って俺はキラに1枚の紙を渡す。
「なんだい、これは?」
「黒色火薬の作り方だ。ハンネならすぐ出来るだろ。それ中心に作っておいてくれ」
なんだかんだ作ってはみたがその後一度も触れてなかった黒色火薬。
役に立たないはずがないからな。
物量はあって困るもんじゃない。
「とりあえずはそんなもんか?」
「お主たちはどうするのじゃ」
「あ、俺たちはドルガバに行ってくるよ。カイルさんに一応報告しといた方がいいだろうし、プリンセもいるからな」
「なるほどの。では馬を用意させよう」
「あ、俺乗れないけど」
一般人は騎乗スキルなんて持ってない。
「そこは心配いらん。我が国の馬は優秀じゃからな。ずぶの素人を乗せても、どうにかしてくれるじゃろう」
「全く根拠ないな……」
「速い速い速いって!」
「わああぁぁーー!?」
流石に歩くのも面倒だが、馬車なんて仰々しいものにも乗りたくなかった俺は結局馬で妥協した。
ケインに案内してもらって馬まで選んでもらったのだが、これが文字通りのじゃじゃ馬。
スピードは凄いが、乗ってる人のことを全く考えてない。
「お前ら! 振り落とされるながっ!? 舌噛んだあぁー!」
「僕はっ、大丈夫ですっ」
「わたしも……」
ちなみに3人乗りだ。
俺が手綱を握って、俺にレインが後ろから掴まり、プリンセは俺の前に座っている。
俺は手綱を握っているだけで勝手に馬が走ってる。
俺とレインは掴まるのに必死だが、プリンセは何も掴んでなくても平気そうにしている。
いや、尻尾で俺に掴まってはいるけど気休めだろう。
流石の身体能力。
「おあぁぁーー!?」
馬は上に乗ってる奴のことなんか気にかけず、ただひたすらに駆けていくのだった……。
コメント