戦力より戦略。
久しぶりの地上
「で、こっからどうなるんだ?」
ボスを倒したからダンジョン自体がなくなるはずなんだが、その時に俺たちはどうなるのかって話だ。
まさか一緒に消えるなんてことはないよな?
そんなことを考えていると、周りの輪郭がぼやけていき、体感的にはダンジョンから吐き出される感じで外に排出された。
あ、そういう親切設計? 願わくばスルっと外に出していただければなお良かったのですが?
こんな地面に落とされる感じじゃなければな!
「大丈夫か、主?」
「そりゃ大丈夫ではあるけどな……。もう疲労困憊だわ……」
「お疲れ様なのじゃ」
改めて排出された草原に仰向けになり、空を見上げる。
俺たちが出てきたのは夜だったようで、星がきれいだ。
「久しぶりに空を見た気がするなぁ……」
しみじみと呟く。
「綺麗じゃの……」
「そうか、オーシリアは空を眺めるのは初めてか」
「そうじゃ。わしがこの姿をとれたのは初じゃからの。初めて見る外の景色がこれとは……、主も中々隅におけんのう」
「なんでそうなるんだよ……」
杖の両性のやつに仕掛けるとかどんな性癖の持ち主だよ。
そもそも夜空を狙って出てくるとか無理だろ。時間把握してなかったんだから。
「こっからどうすりゃいいんだ?」
俺にここから帰るだけの体力なんて残ってないぞ?
かといってここに残り続けるのもいつエネミーから襲われるのかわかったもんじゃない。
誰か助けに来てくれないかなー。
誰かっていっても、
「お疲れ様。待ったかい?」
キラしかいないわけだが。
「さて、俺はもう動けないんだ。運んでいってもらえるか?」
「もちろん。そのために来たわけだからね。ところで、そちらの人は?」
「ん? あぁ、オーシリアか。杖だよ」
「え?」
「いや、だから杖だよ。オーシリア」
「うむ」
俺が視線を向けるとオーシリアが杖へと戻る。
「え、なんで!? そんなこと聞いたこともないよ……!?」
「そうなのか?」
俺は少女の姿へと戻ったオーシリアに聞く。
「そりゃそうじゃよ。わしは武器によってこうなる条件が違うとも言ったはずじゃの。そもそも武器なんてそんなに長持ちするものじゃないからの。どうしても条件を満たしにくくなってしまうのじゃよ」
「そういうもんか」
「そういうものじゃ」
「ということらしい」
キラに向き直り、伝えるが、
「いや、そんなこと言われてもわからないんだけどね……」
相当困った顔で返された。
「ま、まぁ、とりあえずは無事ってことでいいことにしようか。リブレ君が潜ってから大体3週間ほどたったからね。こっちの状況もそれなりに変化しているよ。一刻も早く戻らなきゃ」
キラはそう言って俺に背を向けておぶされるように膝をつく。
「オーシリア、一旦杖に戻っててくれ。キラの負担がでかい」
「了解なのじゃ」
そうして俺たちは実に3週間ぶりとなるランガル王国へと帰ったのだった。
ボスを倒したからダンジョン自体がなくなるはずなんだが、その時に俺たちはどうなるのかって話だ。
まさか一緒に消えるなんてことはないよな?
そんなことを考えていると、周りの輪郭がぼやけていき、体感的にはダンジョンから吐き出される感じで外に排出された。
あ、そういう親切設計? 願わくばスルっと外に出していただければなお良かったのですが?
こんな地面に落とされる感じじゃなければな!
「大丈夫か、主?」
「そりゃ大丈夫ではあるけどな……。もう疲労困憊だわ……」
「お疲れ様なのじゃ」
改めて排出された草原に仰向けになり、空を見上げる。
俺たちが出てきたのは夜だったようで、星がきれいだ。
「久しぶりに空を見た気がするなぁ……」
しみじみと呟く。
「綺麗じゃの……」
「そうか、オーシリアは空を眺めるのは初めてか」
「そうじゃ。わしがこの姿をとれたのは初じゃからの。初めて見る外の景色がこれとは……、主も中々隅におけんのう」
「なんでそうなるんだよ……」
杖の両性のやつに仕掛けるとかどんな性癖の持ち主だよ。
そもそも夜空を狙って出てくるとか無理だろ。時間把握してなかったんだから。
「こっからどうすりゃいいんだ?」
俺にここから帰るだけの体力なんて残ってないぞ?
かといってここに残り続けるのもいつエネミーから襲われるのかわかったもんじゃない。
誰か助けに来てくれないかなー。
誰かっていっても、
「お疲れ様。待ったかい?」
キラしかいないわけだが。
「さて、俺はもう動けないんだ。運んでいってもらえるか?」
「もちろん。そのために来たわけだからね。ところで、そちらの人は?」
「ん? あぁ、オーシリアか。杖だよ」
「え?」
「いや、だから杖だよ。オーシリア」
「うむ」
俺が視線を向けるとオーシリアが杖へと戻る。
「え、なんで!? そんなこと聞いたこともないよ……!?」
「そうなのか?」
俺は少女の姿へと戻ったオーシリアに聞く。
「そりゃそうじゃよ。わしは武器によってこうなる条件が違うとも言ったはずじゃの。そもそも武器なんてそんなに長持ちするものじゃないからの。どうしても条件を満たしにくくなってしまうのじゃよ」
「そういうもんか」
「そういうものじゃ」
「ということらしい」
キラに向き直り、伝えるが、
「いや、そんなこと言われてもわからないんだけどね……」
相当困った顔で返された。
「ま、まぁ、とりあえずは無事ってことでいいことにしようか。リブレ君が潜ってから大体3週間ほどたったからね。こっちの状況もそれなりに変化しているよ。一刻も早く戻らなきゃ」
キラはそう言って俺に背を向けておぶされるように膝をつく。
「オーシリア、一旦杖に戻っててくれ。キラの負担がでかい」
「了解なのじゃ」
そうして俺たちは実に3週間ぶりとなるランガル王国へと帰ったのだった。
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