戦力より戦略。

haruhi8128

銃が標準装備って強すぎないかね

「無理やこれは…」
戻ってみて崩落を確認してすぐに俺は岩を取り除いて脱出路を確保しようとするが、俺は非力だ。そんなことが出来るはずもない。
この頃は体を動かせるようにはなったものの、筋力というのはそうそうつくものではない。体の使い方がわかってもできることの絶対値が増えるわけではないということだ。

「ケインーー!いるかーー?」
大声で向こうに呼びかけてみる。
「おぉ!いるぞー!」
「ここから出してくれよー」
「やだーー!」
は?
「どうしてだー?」
「だってこれ起こしたの俺だからー!」
「いや、なんでだよ!」

なに?俺がここから逃げないようにどうせなら入口ぶっ壊しちまえみたいな?
「怪我はなかったかー?」
「幸運にもなかったわバカヤロー!ここから出せー!」
「大丈夫だってー。ダンジョン攻略し終えたら勝手に外に放り出されるからー」
「そういう問題じゃねー!!」
絶対勝手に出てやる。

「ちなみになんだけどなー?」
まだなんかあるのか。
「そこから勝手に出てきた場合俺とかキラとかとの実戦訓練になるからそこのところよろしく頼むぞー」
…。
よし、進もう。

ちょっと進んだところでいきなり二股に分かれていた。
「うーん」
スルー・アイでどうにかしようとするが、そもそも視力があがるもんじゃないから遠くまでは視えない。
基本的には人間が左右で迷うと、60パーセント以上の人は左を選ぶらしい。
この話を聞いてから俺はこういう場合に右を選ぶようにしている。
特に理由はないが、単純に俺が右にいってたらその割合がちょっと減るんじゃね?と思ったからである。実際には一人がどうにかしようとしたところでなにも変わらないが。

「とりあえず右に行ってみるか…」
進んでいくと、向こうにうろうろしているゾンビを見つけた。
「ついに来たか」
歩いてる間にずっと考えてはいたが、俺には攻撃手段が基本拾った小太刀しかない。こいつは有効だとは思うんだよ。バ〇オハザードとかでもナイフって効くし。でもさ、無理じゃね?あんな冷静に攻撃するとか。絶対腰が引けると思うんだよな。小太刀使ってる間は魔法も使えないし。
ってかいちいち小太刀っていうのめんどくなってきたな。いつか名前つけよう。

今更だけどこの世界で遠距離攻撃手段がないってかなりの不利要因だよな?
どの世界でもなんだろうけど、遠距離ってのは命中精度とかを考えなければ自分は近づかなくていいし、相手より先に一発いれられるっていうのは凄い有利だと思うんだよな。
今こんなことを嘆いていてもどうしようもないわけだが。
一応食料は買い込んできたので少しはもつだろうが、何か月もはもたないだろうしそんなことしてたら幻想級ファンタズマルが来てしまう。できるだけスピーディーにしなくては。

今使えるのは…、松明の火くらいか。

…燃やすか。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品