アトランダワールド

りゅう

支配へ…









「さて、貴様がこの村の代表か?」
「はい。今は亡きウルルの妻、ユリルと申します」

ユリルは僕の目の前に跪き強くハッキリと述べた。竜人族として立派に戦って夫を誇りに思い、その意志を引き継ごうとしているのだろう…

「さて、さっそくで悪いが貴様の夫の亡骸をここに持って来てくれるか?」
「っ…かしこまりました……すぐに持って来させます……」

ユリルは苦しそうな表情と震える声で僕に返事をして後ろに控えていた者たちにウルルの亡骸を持って来るように命じた。

「これがウルル殿の亡骸です」

血などを綺麗に拭き取られ丁寧に横にさせられていた竜人族の英雄の亡骸が僕の目の前に置かれた。

「ご苦労、ユリル以外の竜人族は席を外せ」

僕がそういうとユリルは他の竜人族に席を外すように指示を出す。

「さて、では取引と行こう。単刀直入にいう。ウルルの亡骸をこちらで引き取りたい。ウルルの亡骸を差し出せば竜人族たちの立場は保証しよう」
「主人を引き取りたい理由を伺ってもよろしいでしょうか?」

ユリルは恐る恐る僕に尋ねた。

「ふっ…このまま燃やすには惜しいと思ってな…我が城に戻り復活の魔法をかけて我が配下として迎えようと思ったのだ」
「復活の魔法…」

ユリルは信じられないというような表情をしながら僕を見つめる。

「主人は蘇るのですか?」
「あぁ。ウルルは蘇る」

僕の言葉を聞きユリルから大粒の涙が流れた。

「リュウ様、主人の亡骸は喜んでお渡しいたします。そしてお願いがあります」
「何だ?」
「私を主人とともにリュウ様の城に滞在することをお許しください」
「却下する」

僕の返事を聞きユリルは下を向く。

「そもそもウルルには我が軍門に入った後はこの村の滞在兵として働いてもらうつもりだったのだ。貴様が我が城に来る必要はない。ウルルの復活は城でしか出来ないからウルルの亡骸をこちらに渡せと言っただけだ」
「リュウ様、ありがとうございます」

ユリルは泣きながら僕に礼を言う。いや、あの…ユリルを殺したのはこちら側なんですけど……少し申し訳なく思いながら僕はウルルの亡骸をユリルから預かった。



「ユリル…心配かけてすまなかった……」

復活したウルルがユリルに再開して真っ先に発した言葉だった。

「あなた…本当に…心配したんですよ……」
「すまなかった。もう二度とお前に心配かけないようにしよう…」

ウルルはユリルを抱きしめて呟く。

ウルル
種族:竜人族
性別:男
レベル:48
武力:32
魔力:0
耐久力:16
その他:0

復活の魔法で復活したウルルはレベルが低下したが十分兵として使えるだろう。

こうしてウルルと竜人族の戦士団役100名、竜人族の村と住民は僕の支配下に置かれた。













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