アトランダワールド
初陣
「リュウ様、襲撃です。如何致しましょう?」
エルフとダークエルフの双子を作り終えた直後、門番をしているティナから連絡が入った。
「ほう、敵はどのようなことを言っている?」
「すぐに立ち去れと申していました。リュウ様に対して失礼な輩です…すぐに始末致しましょうか?」
「うむ。だが、今敵を作るのは得策ではない。今は兵力を増やすことに集中したいからな…丁重にお引き取りしていただきなさい」
「かしこまりました」
ティナは僕にそう返事をして連絡を切る。
「さて、では参りましょうか…あなたたちは私の後ろで待機していなさい」
ティナの指示に従いティナの後ろに人間兵士たちが並ぶ。
「さて、ティナがどの程度戦えるか見ておかねばな…」
僕はそう言いながらアイテムを取り出す。マジックミラー…自分の好きな場所の様子を映すアイテムだ。僕はティナの様子が見える場所にマジックミラーのカーソルを合わせる。
「フィーナ、フィール、ティナが負けそうになった場合すぐ様城門に出向き敵を始末しろ」
「「かしこまりました」」
僕の命令にフィーナとフィールが頷く。
「我々はラジーナ王国の駐屯兵団、連絡を受けてきてみれば妙な城を築きやがって…で、なんだ?大人しく立ち去る気はないってことか?」
「はい」
敵のリーダーと思わしき男の言葉にティナが即答する。
「ほう、我が名を聞いて驚くなよ。我はブルゲン、ラジーナ王国の騎士にして十二辰の弟子」
「そうですか、わかりました。お引き取り願います。さもなくば力強くでお引き取りしていただくことになるので…」
ブルゲンの言葉をティナが遮る。ブルゲンはイラっとした様子で叫んだ。
「強制退去開始!」
ブルゲンの言葉を聞き数十人の兵がティナに襲いかかる。
ティナは一瞬で、数人の兵を斬り裂いた。
「「なっ…」」
ティナの動きを見て兵士たちの動きが止まった。ティナは兵士たちの目の前に斬撃を飛ばして線を引く。
「その線を超えたら斬ります」
「構うな、進め」
ブルゲンの指示に従い再び兵士がティナに向かう。
「一閃斬撃」
ティナは斬撃を飛ばして一瞬でブルゲン以外の兵を斬り裂いた。ブルゲンが斬られなかった理由は簡単、ブルゲンは線を超えていないからだ。
「ほう、あれがティナの剣技か…斬撃を飛ばす剣技…見事だ」
ティナの様子を見ていた僕はティナの剣技を賞賛する。どうやらフィーナとフィールの出番はなさそうだな。
ブルゲンのレベルは15、ティナとは圧倒的な差がある。
「くっ…今日のところは見逃してやる」
ブルゲンは慌てて馬に乗り逃げ出していった。最強のプレイヤーリュウのデビュー戦は完全勝利で終わったと言っていいだろう。
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