命の物語

ふみゅうひぅ

第78話 火

火「…まだ終わってねぇよ」

飛び起き、空中で回転しながら切りつけられる

少年「っ…!」

月「……!」

火「ちっ……なんだよ、かすり傷か」

火「……まあいい。どうせこの程度じゃ死なねぇもんな」

火「………よく見てろ」

少年「……!」


何が起こったのか分からなかった
奴が切りかかってきた、それを弾こうと狼丸を構えた

でも、何で……
なんで切られてるの……?


月「ワン……!」

火「………月、お前はどうするかな…?」

月「……!」


ザッ


月「くっ…」

火「見えねぇか?見えねぇよな!お前らみたいな武器に頼る奴らはよぉ!」

少年「………」

火「…あ?まだやるのかー?」

火「無駄なのによぉ!」


また攻撃の瞬間目の前から消える

火「おらぁ!」

切られる

火「ほらよっ!」

切られる

火「どうしたぁ!?」

切られる

火「……これで終わりだなぁ!」

ギッ

背から来る短剣を狼丸を首の横から背中に回し受け止める


火「なに……!」

少年「……やっぱりそういうことか」


そのまましゃがみ、短剣を流し、奴の腹に刃を突き立てる


火「ぐあっ」


上を向いた刃を横に無理やり回転させ横から出し引き裂く


火「て、てめぇ…!」

少年「……正面からの攻撃はフェイントだ。攻撃を当てる瞬間、姿勢を低くし、後ろに回り込み、スキだらけの背中を切りつけてた。君はその動作を超速で行えるんだね」

火「………」

少年「武器に頼る……君は機動性を上げるため、短剣を使い、短い分空気抵抗や慣性が低いのを活かしてた。自分の能力メインで戦うタイプだ」

少年「でも、僕も武器の長所と短所ぐらい把握してきている。だからさっきこの長い刀身で前を向きながら背中を防御出来た。それだけ」

火「……くそっ…」

月「………」

月「……(凄い………だけど、謎だ……)」

月「(どうして切りつけてきた…?刺した方が殺傷力は高い……。ワンが火の技術に気付くまでに殺すことだって出来たはず……。どうしてわざとチャンスを与えるような攻撃方法を……?)」




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