命の物語

ふみゅうひぅ

第17話

少女「ついつい買い込んじゃったな…」

あのあと色んなお店を回ってたらつい買いすぎてしまった
これは怒られるかも…

にしてもこの財布、めちゃくちゃ入ってたな…
なんでだ……


…にしても…
初めてだな……、お洒落にこんなに気を使ったの…
……特に、あの下着……
……ワン、喜んでくれるかな……(照)

プルル…プルル…

ケータイが鳴る

少女「もしもし」

少年「あ、セブン?今どこ?」

少女「今帰ってる途中だよ」

少年「メール見た?」

買い物で夢中で見てなかった…

少女「ごめん、見てない。どうしたの?」

少年「なんか早く帰って来いだって。迎えに行こうか?」

少女「う、ううん!大丈夫!」

多分、逆の立場なら無理矢理にでも彼を迎えに行っただろう
あんなに恐ろしいものが蔓延るこの街で、無駄に彼を外に出したくはなかった

少女「……私、何やってるんだろ…」

せっかく二人きりになれたかもしれないのに


言われた手順を行い、「私達の7階」の扉を開ける

少女「ただいまー」

スリー「おかえりー、遅かったね」

珍しいな、皆が中央の席、ソファに座っている
ツーやスリー辺りは暇ならカウンターで飲んでるのに

ツー「おう、とりあえず荷物を部屋に置いてこい」

なんだろう、朝の稽古の時より優しく話す…
その優しさが返って不気味だな…

荷物を自室に置いてソファの空いてるスペースに適当に座る

ツー「さて、揃ったか…」

スリー「…で、話ってなんだい?」

ツー「……これを見てくれ」

そう言うとノートパソコンの画面を私たちに見せてくる

フォー「……メール?」

シックス「…なになに?「気 を つ け ろ 」……?」

フォー「なんか不気味…だれこんなメールしたの」

スリー「確かに不気味だねぇ…」

フォー「ん?あ、ああ…」

スリー「……この送信元、誰?」

その場が一気に凍りつく

フォー「ちょ…やめてよ…」

ツー「……そうだ。そこがおかしいんだよ。このパソコンのアドレスを知ってるのは俺らだけ。それなのに誰も送ってない…」

シックス「うーん、「気をつけろ」って書いてあるだけって言うのもなんか不気味だねぇ」

ファイブ「………皆さん、これは推測なのですが…」

ファイブさんが口を開く

ファイブ「……このパソコン、我々がこの部屋に来た時からありましたよね…」

スリー「そう…だね」

ファイブ「……アドレスを我々以外に知ってる人間がいるとしたら、我々がこの部屋を使い始める前にいた何者かになります」

ツー「つ、つまり、この部屋を作った奴ってことか?」

ファイブ「いえ、それは分かりません。我々のように逃げてきてここに行き着いただけかも知れません」

フォー「つまり、このアドレスを知ってる奴は未知数だと…」

スリー「…まあ警戒する分にはいいんじゃない?それが敵だとしてもお知らせしてくれるだけ有難いよ」




色々引っかかる話だったなぁ…
もしこの空間の前所有者なら何故この部屋を出たんだろう、ここ以上に安全な場所なんてそうそうない
それに、多分この部屋……
ワンたちが来た頃に生活感があったなら、それぐらい話してくれそうだし…

そもそも、なんでこの空間に誰かがいるって分かった…?



確信するには材料が少ないけど、多分…

メールの送信者は、「この部屋を作った誰か」だ……




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