命の物語

ふみゅうひぅ

第8話

少年「…黒いのを…見たよね」

少女「う、うん…」

少年「ツーから報告があった…あ、別に君を監視してたわけじゃないよ。彼は僕を守ってくれてるんだ」

?「やめろ、少し違うだろ」

見覚えのある男が入ってくる

少年「あ、ツー、おかえり」

ツー「おかえりー、じゃねぇよ…ったく、なんで俺が…」

ツーという男はカウンターの前の席に座る

?「いつものですか?」

ツー「ああ」


ツー「…さっきの言い方、言い直せ。お前が武器を携帯出来ないって言うからそのあいだ見守ってるだけだろーが。常に守ってるみたいになるだろ」

少年「あはは…細かいな…」

ツー「うるせぇ。まあ奴らとは言えど殺すのは楽しいからなぁ」

少年「ツー、そういうの良くないよ」

ツー「うるせぇ、そのおかげでお前ら助かったみたいな所あるだろ」

少年「それは否定しない」

ツー「だろぉ?…てかよ、お前ら話してたんじゃねぇの?」

少年「あ…そうだったね、ごめんごめん。あいつはツー、この中では「本当なら」一番年上になるのかな」

少女「?何その「本当なら」って…」

少年「さっきも言ったように僕らは冥界から来た。僕は最近死んだけど、彼は凄く昔に死んでずっと冥界にいたんだ」

ツー「大罪人だったからな、なかなか転生させてもらえなかった」

少年「そうそう、なんだっけ?」

ツー「人斬りまくってたら首切られた」

少年「そうだそれだ。……ツー、そういうの良くないよ」

ツー「今言ってもしょうがねぇだろ、てかうるせぇ」

少年「あはは…」

少年「…んじゃ、話に戻ろうか。あの黒い奴らの正体。あれは冥界から僕達を連れ帰るように命令された、言わば死神みたいなのだと思う」

少年「…そしてそんな奴らが何故君を追うのか、正確な理由はわからないけど、僕ら逃亡者に接触したから、そして僕が奴らに追われているところを見てしまったのがバレたからだと思う」

少年「そもそも奴らが見えることはないと思うんだけど…その時に既に対象にされていたのかな…ごめん、僕と関わってしまったから…あの時から監視されていたんだ」

少女「ううん、気にしないで」

少年「…でも、もうこれからは普通には過ごせない、いつ襲われるかわからないし、酷い時はここに隠れっぱなしになる可能性もある…」

突然過ぎて混乱しているけど、不謹慎だと思うけど、正直、ワクワクしていた

この世界に私の居場所はなかった、刺激も自傷行為ぐらいしかなかった
そんな世界が今、全く別物になったんだから

それに何より、彼とまた会えたから
でも…彼は……

彼を…守らないと…奴らには渡さない





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