異世界スキルガチャラー(旧バージョン)

黒烏

スターアライヴ脱出作戦 2

「とにかく、この辺りを全部吹っ飛ばしてやりゃいいか!!」
『いんじゃない? できるだけ派手にっていうのが要望でしょ、キミが覚えたっていうスキルで暴れ倒してやりなよ』
「ハッ、言われなくてもやってやるさ。行くぜ、【爆熱拳バーニングフィスト】!!」

そう気合を入れた声を掛けると同時に、彼の両手が白熱するように輝き出す。
シュウウゥゥゥ………というような音を立てながら白い煙を出しながら、彼は両手を握ったり開いたりしている。
そして、彼の周囲に濃い赤色のオーラが現れる。

SRスキル【爆熱拳バーニングフィスト
エンチャント系に属する魔法。
発動と同時に両腕が赤熱し、蒸気のような白煙を噴出させる。
この状態で物質を殴打すると、殴打の勢いに応じた爆発が発生する。

『人格が違うから記憶の中に別で保存されてる部分があるんだよねー。そこに関しては脳みそのキャパシティが普通の人間より多いっていう、隠れたボクらの特性だよね』
「ケッ、んなもんどうでもいいっての。そんな特性より、俺は欲しいもんができた」
『欲しい物って?』
「アイツには死んでも教えねーし、お前にもまだ教えねぇよ。だが、この国なら手に入るはずなんだ。ずっと昔から、焦がれに焦がれてた……アレがよ……」
『……【ボルテージ】も併用してる? テンションが変に上がってるよ?』
「おっと、いけねぇ。ああ、何年ぶりだ? 久しぶりに、血が騒ぐぜぇ!」

手当たり次第に廊下の壁や個室の扉に拳を叩き付けると、壁には爆発で穴が開き、扉は派手に吹き飛んだ。

「いいねぇ、「現代」じゃ体験できない爽快感だ。オラ、もっといくぞ!!」
『あ、エレベーターの近くに人の気配。警備員かなんかが来たんじゃない?』
「よっしゃ、殴り倒してやる!!」

エレベーター前に走っていくと、ちょうど到着した5、6名の警備員らしい服装をした屈強な男たちが出てくるところだった。

「ヒャハハハ! あの世に送ってやるぜぇ!!」

出会い頭に一番前にいた男を殴りつけて爆殺すると、普段の啓斗が絶対にしないであろう不気味な笑顔を浮かべながら後ろの男たちに襲い掛かる。

「な、なんだこいつ! 殴ったところが爆発したぞ!?」
「ど、動揺するな! 撃て、撃て!」

警備員たちは懐から拳銃を取り出すと、この両腕が白熱する青年に向かって一斉に発砲した。

「うおっと、アブねぇじゃねーか。当たって死んだらどうすん……だっ!!」

【トリプル・スピード】をすでに発動していたようで、寸前で回避する。そのまま常人には見えない速度で2人を同時に殴りつけて爆死させた。

「駄目だ、私たちでは手に負えない!」
「応援は?」
「要請済みだ。危険度を「レッド」に設定したから、近くにいる警官たちがすかさず駆けつけてくれるはずだ」
「なら、それまで耐え…グアッ!」

会話していた3人のうち1人が殴られ、腹部を吹き飛ばす爆発によって前のめりに倒れる。

「おいおい、戦闘中にオハナシたぁ随分と余裕だな、警備員さんたちよぉ!」
「ぐっ、撃て!」

残った2人の放つ銃弾を屈むだけで回避しつつ、そのままラリアットをかまして即死させた。
と、その時。すぐ後ろに位置する部屋の窓ガラスが割れる派手な音が鳴る。
振り向くと、そこに立っていたのは。


真っ白な制服に身を包み、帽子を被った1人の警官。
明らかに普通の銃と雰囲気が違う意匠がある回転式拳銃リボルバーをこちらに向ける、ミューズ・ブルーワースの姿があった。

「……あまりにもっともらしい理由を並べ立てたから鵜呑みにした私が馬鹿だった。貴様、テロリストだな」
「答える必要はねぇ」
「貴様、このホテルの警備員たちに何をした?」
「あ? ああ、ちょっと殴ったらおっ死んだよ。お前も今からそうなる」
「……ミューズ・ブルーワース巡査、業務に入ります。特殊装備の使用許可を」
『特殊装備ノ使用ヲ許可シマス』

機械音声が流れた直後、ミューズの全身がライダースーツのようなものに覆われ、さらに何やらサングラスのようなものを身に着けた。

「貴様を殺人罪の容疑で現行犯逮捕する。大人しくした方が身のためだぞ、社会のクズが」
「ハッ、そう言って大人しくした犯人なんてどこでも見た覚えねーよ。死ぬのはお前だ、巡査さんよぉ!!」

異常なスピードでダッシュをかけた瞬間、耳をつんざくような発砲音が超高層ホテル250階に鳴り響いた。

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