異世界スキルガチャラー
提案と決断
第1部 4章 「100層ダンジョンともう1つの事件」
「やあケイト君、おはよう!体は休まったかい!?」
朝起きてシーヴァと顔を合わせるなり彼はこう挨拶してきた。
「まあな、傷はほぼ完治したよ」
「君の回復力には毎回驚かされるな。さすがは僕が見込んだ男だ」
感心顔でうんうんと頷くシーヴァを眺めながら、啓斗は今日は何をしようかと考えていた。
(正直に言えば新しいスキルの確認をしたいが、流石にシーヴァ達で試すわけにはいかないか。かと言って魔物が都合よく出てくるわけもないか)
啓斗が頭を悩ませていると、何やら腕時計のデジタル表示がピコンピコンと点滅し始めた。
それに気づいた啓斗は、腕時計をタップしてみる。
『はーい!おはよーございまーす!ナビゲーターでーす!』
いきなりナビゲーターの小型立体ホログラムが現れる。
啓斗はもう見慣れたので特にリアクションはしなかったが、シーヴァは初見だったのでかなり驚いた。
「うわっ!空中に小人が現れた!」
「あー……なんて言えばいいか……ナビゲーター、自分で説明してくれないか?」
『え? まあ良いですけど。はい、どうもはじめまして。私、この世界で啓斗様の案内役をさせて頂いております者です』
『一応、ナビゲーターっていう名前です。今後はよく顔を見せると思いますので、以後お見知りおきを』
「あ、ああ分かった。宜しく、ナビゲーターさん」
そうしてホログラムと人間の不思議な自己紹介風景は終わった。
『さて、じゃあ本題に入っていいですか?啓斗様はスキルをお試しになりたいんですよね?』
「ああ、だが場所も相手もいないからどうしようかと悩んでいるんだ」
『なるほど!いやぁ、ごもっともな悩みですね。でも、近場にいい場所があるんですよ!』
すると、腕時計がマップを表示する。
街の地図ではなく、大陸全体のマップだ。
『ちょっと遠すぎ!早くズームズーム!』
ナビゲーターがそう叫ぶと、ヴァーリュオン近郊まで地図が拡大した。
『そうそう、そんな感じそんな感じ』
そしてマップがスクロールし、ある洞窟を映し出して停止した。
『はい、この洞窟です!ここなら腕試しにはピッタリだと思いますよ!』
胸を張って断言するナビゲーター。
しかし、シーヴァは不審そうな目を向けている。
「ちょっと待て。ここは……そうだ。ここはアレか! ナビゲーターさん、つかぬ事をお聞きするが、何故この場所を知っているんだ?」
『え?いや、文献で読んだりして情報を得てるだけですよ』
ナビゲーターの返答に更に眉をひそめるシーヴァ。
「シーヴァ、それでこの洞窟はどういった場所なんだ?」
「この場所は、何世代も前にこの国にいた賢者様がお作りになった人工のダンジョンなのさ」
「しかも地下100階層まで作られていることから、通称「100層ダンジョン」と呼ばれている」
「人工だから脱出用アイテムが入口に用意されているんだが、あまり深くまで行き過ぎると命を落とす可能性がある。だが、もし最奥まで辿り着ければ巨万の富を得られるという噂があってね。毎年犠牲者が絶えないんだ」
解説を聞き、啓斗はまた考え込む。
シーヴァの話が事実ならば、魔物相手にスキルを試し、更に「スキルロベリー」の試運転もできるだろう。
だが、調子に乗って奥に行き過ぎれば死に至る可能性があるようだ。
「ケイト君、僕はあまりお勧めしない。僕とゼーテも数回挑戦したが、必ず最後に逃走する羽目になった」
『でも、あそこほど魔物がたくさんいる場所もそうざらにはないですけどねー』
2人の意見も聞き、その後もしばらく考えた後、啓斗は決断した。
「行くよ。その100層ダンジョンに」
「……ケイト君、本気か?」
「ああ本気だ。ただし、俺一人で行く」
啓斗のその言葉に、シーヴァは叫ぶ。
「な、ケイト!流石に無謀だ!ダンジョン攻略というものはだな……」
「別にダンジョンを本気で攻略したいわけじゃない。ただ、スキルの試し撃ちだけだ。早めの階層で帰るさ」
「……本当だな?」
「約束する」
シーヴァはため息をついて頭を掻いた。
「分かった。昼過ぎには出発できるようにしておこう」
「助かる。お前はやはり良い奴だよ」
「当たり前だ。騎士団は人柄も求められるからな。ほら、朝食に行くぞ」
啓斗はシーヴァに促されて廊下を歩き出した。
ナビゲーターはいつの間にか消えていた。
『さあて、100層ダンジョンに行くことに無事なりましたねぇ』
『スナっち、もうちょっとしたらご飯がいっぱい食べられるよ!』
『ワン!』
「やあケイト君、おはよう!体は休まったかい!?」
朝起きてシーヴァと顔を合わせるなり彼はこう挨拶してきた。
「まあな、傷はほぼ完治したよ」
「君の回復力には毎回驚かされるな。さすがは僕が見込んだ男だ」
感心顔でうんうんと頷くシーヴァを眺めながら、啓斗は今日は何をしようかと考えていた。
(正直に言えば新しいスキルの確認をしたいが、流石にシーヴァ達で試すわけにはいかないか。かと言って魔物が都合よく出てくるわけもないか)
啓斗が頭を悩ませていると、何やら腕時計のデジタル表示がピコンピコンと点滅し始めた。
それに気づいた啓斗は、腕時計をタップしてみる。
『はーい!おはよーございまーす!ナビゲーターでーす!』
いきなりナビゲーターの小型立体ホログラムが現れる。
啓斗はもう見慣れたので特にリアクションはしなかったが、シーヴァは初見だったのでかなり驚いた。
「うわっ!空中に小人が現れた!」
「あー……なんて言えばいいか……ナビゲーター、自分で説明してくれないか?」
『え? まあ良いですけど。はい、どうもはじめまして。私、この世界で啓斗様の案内役をさせて頂いております者です』
『一応、ナビゲーターっていう名前です。今後はよく顔を見せると思いますので、以後お見知りおきを』
「あ、ああ分かった。宜しく、ナビゲーターさん」
そうしてホログラムと人間の不思議な自己紹介風景は終わった。
『さて、じゃあ本題に入っていいですか?啓斗様はスキルをお試しになりたいんですよね?』
「ああ、だが場所も相手もいないからどうしようかと悩んでいるんだ」
『なるほど!いやぁ、ごもっともな悩みですね。でも、近場にいい場所があるんですよ!』
すると、腕時計がマップを表示する。
街の地図ではなく、大陸全体のマップだ。
『ちょっと遠すぎ!早くズームズーム!』
ナビゲーターがそう叫ぶと、ヴァーリュオン近郊まで地図が拡大した。
『そうそう、そんな感じそんな感じ』
そしてマップがスクロールし、ある洞窟を映し出して停止した。
『はい、この洞窟です!ここなら腕試しにはピッタリだと思いますよ!』
胸を張って断言するナビゲーター。
しかし、シーヴァは不審そうな目を向けている。
「ちょっと待て。ここは……そうだ。ここはアレか! ナビゲーターさん、つかぬ事をお聞きするが、何故この場所を知っているんだ?」
『え?いや、文献で読んだりして情報を得てるだけですよ』
ナビゲーターの返答に更に眉をひそめるシーヴァ。
「シーヴァ、それでこの洞窟はどういった場所なんだ?」
「この場所は、何世代も前にこの国にいた賢者様がお作りになった人工のダンジョンなのさ」
「しかも地下100階層まで作られていることから、通称「100層ダンジョン」と呼ばれている」
「人工だから脱出用アイテムが入口に用意されているんだが、あまり深くまで行き過ぎると命を落とす可能性がある。だが、もし最奥まで辿り着ければ巨万の富を得られるという噂があってね。毎年犠牲者が絶えないんだ」
解説を聞き、啓斗はまた考え込む。
シーヴァの話が事実ならば、魔物相手にスキルを試し、更に「スキルロベリー」の試運転もできるだろう。
だが、調子に乗って奥に行き過ぎれば死に至る可能性があるようだ。
「ケイト君、僕はあまりお勧めしない。僕とゼーテも数回挑戦したが、必ず最後に逃走する羽目になった」
『でも、あそこほど魔物がたくさんいる場所もそうざらにはないですけどねー』
2人の意見も聞き、その後もしばらく考えた後、啓斗は決断した。
「行くよ。その100層ダンジョンに」
「……ケイト君、本気か?」
「ああ本気だ。ただし、俺一人で行く」
啓斗のその言葉に、シーヴァは叫ぶ。
「な、ケイト!流石に無謀だ!ダンジョン攻略というものはだな……」
「別にダンジョンを本気で攻略したいわけじゃない。ただ、スキルの試し撃ちだけだ。早めの階層で帰るさ」
「……本当だな?」
「約束する」
シーヴァはため息をついて頭を掻いた。
「分かった。昼過ぎには出発できるようにしておこう」
「助かる。お前はやはり良い奴だよ」
「当たり前だ。騎士団は人柄も求められるからな。ほら、朝食に行くぞ」
啓斗はシーヴァに促されて廊下を歩き出した。
ナビゲーターはいつの間にか消えていた。
『さあて、100層ダンジョンに行くことに無事なりましたねぇ』
『スナっち、もうちょっとしたらご飯がいっぱい食べられるよ!』
『ワン!』
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