うちのゴミ箱が妊娠しました

芽中要

 第一章 うちのアンジェリーナちゃんがこんなにかわいくないはずがない

 うちのゴミ箱が妊娠しました

 第一章 うちのアンジェリーナちゃんがこんなにかわいくないはずがない

「あなたの子どもです。責任を取って下さい、この無責任孕ませ野郎」
 それが突然の見知らぬ訪問者が発した一言目だった。
 そのセリフの衝撃は、あれだけけたたましく聞こえていたセミのコーラスさえも遠くに感じさせた。
 視線を彼女のお腹に向けると、細くくびれており、とても妊娠しているようには見えない。
 何だ、新手のサギか。
 サギを働くのなら、もう少しリアリティーを出してからにして頂きたい。
 そう判断したオレは無言でドアを閉めようとした。
 しかし、あくまでも閉めようとしただけでそれは、阻止される。
「いきなり閉め出そうとするとか、あなたに良心というものはないんですか!? この無言で閉め出し野郎!」
 そうオレを非難する彼女の目は自分に正義があると信じて疑っていない目だ。
 いくらサギ師といえども、ここまで上手く自分に嘘をつけるものだろうか。
「は?」
 意味がわからなかった。
 どこぞのヤリチンならそういうこともあるかもしれない。だがしかし。
 オレは童貞だ。それも真性の。
 セクロスなんてしたことはない。キスもしたこともない。それどころか女の子と付き合ったこともない。そもそもオレは三次元には興味がない。できることなら二次元の世界に入りたい。そのオレに子どもなんてできるわけがない。
普段は知らない人とは会話できないオレでも、そんな濡れ衣を着せられて黙っているわけにはいかない。鉄の意志をもって反論する。
「あの~、誰かと間違えてません? オレ、童貞なんで子どもなんてできるわけないんですけど?」
 考えられるパターンはいくつかある。
 まず、一つは名前がオレと同じでオレと同じ顔・背格好をしたヤリチンが存在する。
 ……現実的じゃないだろ。
 そこまでオレと同じなら「平行世界にはヤリチンのオレが存在していて、今こっちに来ている」とか言われた方がまだ納得できるだろう。
 次に名前だけオレと同姓同名というパターンを考えてみる。
 まったく顔の違う人間を間違えることはないだろうから、まあこの線は除外して構わないだろう。
 次はルックスのみオレにそっくりでオラの名前を騙った、というパターンだ。
 あれ? なんで一人称が「オラ」になってるんだ? 誤植?
 思わず「オッス、オラ大林。ムラムラすっぞ!」とか言い出してしまいそうだ。
 メンゴメンゴ。話が脱線してしまったが、妊娠している、ということはセクロスまでしている、ということになるが、まさかセクロスまでしておいて相手の顔も覚えていない、ということはないだろう。
 故に、やはりオレのそっくりさんという線が濃厚か。
 うむ、この線がいちばんしっくりくるな。
 以上、Q.E.D. 証明終了。
「それはオレじゃなくて、オレの名前を騙ったオレのそっくりさんだと思いますよ。オレは正真正銘、どこに出しても恥ずかしくない童貞だし。で、そんなにオレとそっくりだったんですか? あなたがワンナイト(かどうかは知らないし、知りたくもないが)にゃんにゃん(セクロスを可能な限りソフトにした表現)された相手は」
「誰が性交渉を持った、なんて言いましたか。いやらしい。この妄想力たくましい右手が恋人野郎!」
「つまり?」
「わたしは処女です」
「は?」
「いちいち言わせないで下さいよ、この確信犯的セクハラ野郎!」 
「妊娠はしているけど、処女」。
 その言葉で一気にわけがわからなくなる。
 百歩譲って「オレの能力は精液を子宮にテレポートさせる! この力を使って世界中の処女を妊娠させてやるぜ!!」(←訊かれてもいないのに自分の能力と目的をペラペラしゃべってしまう、頭が悪いのが丸出しで無能な敵)がもっているような、「オレは妊婦が好きだ。でもビッチ(非処女すべて)は嫌だぜ! 妊婦は処女に限る!」という「ちょっとおめぇ、ここ(自分の頭を指差しながら)おかしいんじゃねぇのか?」と煽り気味にツッコミを入れざるをえない、極めてニッチな性的嗜好をもったピープルの要望を満たすための成年マンガとかではありうるシチュエーションではあるのかもしれない。
 しかし、どう考えてもそんなの現実的じゃないだろ。現実ではありえない。
 確かに男のマタンキ(玉ヒュンなので逆から読むこと)を貫通した弾丸に精子が付着していて、その弾丸が処女の子宮を貫通して受精し、性交渉の経験がない女の子が妊娠した、とかいうにわかには信じ難い、海外での極めて特殊なケースの話もないわけではないのだが。
 いかんせん、オレと彼女には物理的な接触は一切ないはずだ。
 それなのに、妊娠した、とか言われてもわけがわからない。
「処女なのに妊娠してるとかありえないんだが。お前、聖母マリア様かなんかなの?」
 皮肉でも何でもなく、オレがありのまま思ったことを返すと、彼女の口からありえない言葉が飛び出した。
「アーデル、アーデル、アーアーマ・イッターナ、コリヤー、アーアッ、アッアッウー、ウー、ワー」
その何の意味もなさないような不思議な言葉の羅列を聞いてオレは顔色を変えざるをえなかった。
「なんでお前はオレがイク時の口癖を知ってるんだ!?」
オレの質問には答えずに、彼女は淡々と話を続けていく。
「この呪文を唱えながら、六芒星魔方陣に精を捧げること六百六十六回。この儀式によってわたしは人の体になり、あなたの子を身籠りました」
呪文? 儀式?
 オレの自家発電の手順が儀式、イク時の声が呪文になっていたというのか?
 確かに、オレの神経は美しいガラス細工のようにとても繊細で、きちんとした手順を踏まないとイケない。
まず全裸になって正座で待機。衣服などという世間の俗にまみれた、穢れたものがあってはいけない。二重の意味で。
 まず、ティッシュにもこだわりがある。
 ティッシュは必ず六芒製紙の「魔方陣ティッシュ」で決まりだね。
 魔方陣ティッシュには六芒製紙の社印である六芒星のマークが入っている。
 オレは必ずその六角形のド真ん中にほとばしる熱いパトスを命中させないと気が済まない。というか、そうしないとモヤモヤ感が残る。
 「へへっ、命中させてやったぜ!」という達成感がオレをこの上なく満足させてくれるのだ。
 次におかずだ。
「ハンバーグは美味いけど、たまにはお寿司も食べたいよね」みたいな、浮気した時の男の言い訳があるように、毎回同じおかずを使っている男は少ないことだろう。
 どんなに美味いものだろうが、毎日食っていれば必ず飽きる。それは仕方のないことだ。
 しかし、オレは一途な男。浮気などしない。
 オレの嫁は「博打反逆録タイジ」の平野詩心ひらの しここちゃんだけだと心に決めている。
 詩心ちゃんはスタイル、ファッションセンスともに抜群で、恋にも積極的。加えてタイジを一途に慕って、彼が去っていった後もその身を案じる、心優しい女の子だ。
 当然のように、オレのお気に入りの薄い本は自慰=シコロウ先生の「詩心でスコココ」一択だ。
 「タイジ」はとても人気があり、薄い本も山ほど出ているのだが、男キャラの人気が高いこともあって、そのほとんどがボーイズラブ本だ。
 男女問わずファンは多いが、その人気のベクトルはまったく異なる。
 男はその白熱した心理戦の熱さに燃え、女はカッコいいキャラクター同士が合体する二次製作本に萌えている。
 そんなわけで、「詩心でスコココ」はタイジ関連の薄い本としては非常に珍しい男性向けで、その存在そのものがすでに希少なのだ。
 次に方法についてだが、
 「らめぇ! そんな激しくされたら壊れちゃうぅ!!」と何かに取り憑かれたんじゃないか、と思うくらいの過度な上下運動をマイボーイ(比喩表現)に与える。
イメージ的には電車に乗っていて大音量で音楽を聴いているため、イヤホンからシャカシャカ音漏れさせたDQNがリズムに合わせて首を縦に振る動きを極限まで昇華させたようなものだと考えてもらって差し支えないだろう。
 そして最後に、
「あー出る、あー出る、あー、あー、参ったなこりゃ、あー、あっあっあっ、うぅぅぅーわぁーーーーーー!!」
と叫ばないと絶頂を迎えることができない。もうこれはパブロフの犬的なアレだ。
 え? お前、色々とおかしいって?
 世の中には小さなおにゃのこが好きな人もいれば、熟女が好きな人もいる。ウホッ、な人もいればノンケの人もいる。いちいち挙げていけばキリがない。
 愛に様々な形があるように、自家発電の方法も人それぞれだと理解してほしい、とオレは思う。
 さすがに立ち話で済むような問題ではない気がしたオレは落ち着いて話し合うことを提案した。
「…話が長くなりそうだから、とりあえず上がってくれる? 茶くらいは出すから」
「そんなこと言って部屋に連れ込んで、わたしにいやらしいことをする気なんですね、わかります。美しさは罪ですから」
「いや、そういうつまらない冗談は要らないから」
 オレがドブ川を見るような目でそう答えると、女としてまったく認識されていないことを理解したのか、「お邪魔します」とだけ言うと素直に部屋に上がった。
  散らかすほどの物がない部屋に案内する。
「適当に座っててくれ」
 来客用の座布団を渡し、やかんに少量の水を入れコンロにかける。
 程なく沸いたお湯を急須に入れ、少し待つ。
 …もういいだろう。
 お盆に二人分の茶碗を載せ、「粗茶ですが」と言ってお茶を差し出す。日本の様式美だ。
「そんなこと言って一服盛って、わたしにいやらしいことをする気なんですね、わかります。美しさは罪ですから」
「大事なことだからもう一度言うけど、そういうつまらない冗談は要らないから」
 オレが再びドブ川を見るような目でそう答えると、女としてまったく認識されていないことをより深く理解したのか、「頂きます」とだけ言うと素直にお茶に口をつけた。
「不味くはありませんが、旨みも甘みもない『ああ、お茶だな』ってことだけがわかるだけの緑茶ですね。これは相当安い茶葉を使っているとしか思えません。これは本当に粗茶ですね」
「うん、黙って飲めよ」
 百円ショップで、なおかつ賞味期限間近だから半額で買えたお茶なんてそんなものだろう。むしろ不味くないだけでも奇跡だと言っていい。
 色々やり取りをするのに、「お前」とか「あなた」とかいうのは正直やり辛い。そう考えたオレはお互いの自己紹介を提案した。
「とりあえずお互いのことを何も知らないまま会話するのはやり辛いから、自己紹介くらいはしようぜ」
「嫌です」
「なんで?」
「あなたみたいなウジ虫の名前を覚えることでわたしの脳細胞の容量をほんのわずかでも無駄に浪費したくありませんし、あなたみたいなキモい人間にわたしの名前を知ってほしくないので断固としてお断りします」
 オレは唖然とした。
 何? 本当に何なの、この女。
 「はい」って素直に首を縦に振ることも出来ないの?
 もしかして、そうしないと死んじゃう病気なの?
「いいよ、こっちは勝手に名乗るから」
 このままではまったく話が進まない。気を取り直してオレは自己紹介することにした。
「オレは新見雄成にいみ おなる。大学二年生。お前は?」
 両親は「雄々しく成長してほしい」という願いを込めてこの名前をつけたらしいが、聞いてわかる通り、立派なDQNネームだ。名前に反して、それはもう女々しく育ちました。そして、当然のようにオレのあだ名は「オナニー」。
 おかげで暗い青春時代を送るハメになりました。便所飯余裕ですよ?
 わざわざDQNネームにしなくても、普通に成雄なるおにすれば良かったじゃん、と両親にツッコミを入れたら「ナルシストっぽいからその名前はない」と返された。子どもにDQNネームつける親に言われたくねぇよ。謝れ。日本全国の成雄さんに全力で謝れ。
「名前からすでにキモいですね」
「うん、少し黙れよ」
 光の速さでツッコむ。
 オレ自身気に入っていないとはいえ、一応親からもらった名前だ。ディスられて腹が立たないわけがない。
 一方、人の名前にケチをつけるんだから、大層素敵であろう彼女の名前はというと。
 「仕方ないですね」と散々もったいをつけた後、「わたしは五味罵子ごみ ばこと申します」と名乗るのだった。
 うわ、まんまだよ。なんの捻りもないよ。作者何にも考えてないよ。
 くせのないサラサラとした黒髪。それとは対照的な雪のように白い肌。ややつり上がり気味ではあるけれど切れ長の目。形のいい鼻。薄紅色した唇。理想的なラインを描く顎。
 妊娠していると自己申告されたが、まだ妊娠初期のせいか、出るべきところは出て引っ込むべきところはしっかりと引っ込んでいる。申告されなければまだ妊娠しているなんてわからない段階だ。とにかく、女の子にしては百六十センチ後半と長身で、手足も長く、すらっとしており、腰の位置も高い。どこからどう見てもスタイルも抜群と言うしかない。
 容姿を見る限りでは「美少女」というカテゴライズに分類して差し支えないだろう。
 たとえどんなに美少女だろうが、所詮は三次元の住人だが。
 そんな侮蔑の意味を込めて、「フッ」と鼻で笑う。
 そんなオレの態度が気に障ったのか、
「何ですか? 人の顔を見て鼻で笑えるような大層なお顔をお持ちのようには見えませんが? まったく、いいご身分ですね。この顔面偏差値最底辺野郎」
 と噛みついてくる。これだから三次元の女は嫌なんだ。
 理不尽で非合理で反抗的。もう結婚に夢見るとか不可能なレベル。
 ここが実家でないことだけが不幸(?)中の幸いだった。
 実家で「あなたの子どもです。責任を取って下さい」なんて訪ねて来られた日には修羅場どころの話じゃなかっただろう。
今になってオレはあることに気がついた。
 そこにいるはずのアンジェリーナちゃんの姿がなかった。そう、ティッシュ用のゴミ箱のアンジェリーナちゃんがいないのだ。
 え? ゴミ箱に「いない」って表現はおかしいって? ゴミ箱に名前をつけるなんてキモいって? うるさい、物に愛着をもつのはいいことだってばっちゃが言ってた(超適当)。
とにかく、オレの日課の成果として、山のようにうず高く積まれた白いティッシュの塊が入ったゴミ箱が忽然と姿を消していた。それが意味する答えは一つ。
「実はオレがアンジェリーナちゃんでした!!」
「…頭、大丈夫ですか?」
 目の前の失礼な女に心配されてしまう。
 いやいや、♪違う違う。そうじゃ、そうじゃな~い。
「お前がアンジェリーナちゃんだというのか!?」
「勝手に名前をつけないで下さい、キモいです」
 これは夢だ。悪夢だ。そう、現実という名の悪夢。
うちのアンジェリーナちゃんはオレのすべて(主に性欲)を受け入れてくれる天使のような存在なのだ。だから、エンジェルとかけて、アンジェリーナちゃんと命名したはずなのに。
その、うちのアンジェリーナちゃんがこんなにかわいくないはずがない、などとどこぞのラノベのタイトルのようなことを考えてしまうオレだった。
 そんなオレを一瞥して軽く部屋を見渡していた彼女は、ゴミ箱の化身である自分がここにいるのに、もう一つゴミ箱が存在していることに気がついた。
「口にするのも憚られるくらい広くもない、ウサギ小屋と比べてもウサギに失礼なくらい薄汚れた部屋なのに、この場所にお似合いの小汚いゴミ箱が無駄にもう一つありますよね? それは何故ですか?」
「うん。口を開く度に一言どころか二言も三言も余計だよね、お前」
 オレはティッシュ用のゴミ箱と普通のゴミ箱を分けて使っている。よって、部屋の中には二つのゴミ箱が同時に存在する。何故わざわざそんなことをするのかというと、使用済みのティッシュだけで一杯になったアンジェリーナちゃんを見ると、「へへっ、こんなにいっぱい出してやったぜ!」という達成感がオレをこの上なく満足させてくれるからだ。
 その旨を簡潔に伝える。
「キモいですね。こんな人の子どもがお腹の中にいるのかと思うと、死にたくなります」
「お前、オレとは今日が初対面だよね? すごく失礼だよね? なに? なんなの? その態度。ケンカ売ってるの?」
 これだから三次元の女は(以下略)。
「まあ、どうしようもないほどキモくても、相手は二次元にしかハァハァできない変態ですから。わたしの身の安全は保証されていると言って差し支えないでしょう」
「何? お前。これだけ人を変態扱いしておきながらここで暮らす気なの? オレと一緒に住む気マンマンなの? バカなの? 死ぬの?」
「わたしにはこの世界に何も伝手がありません」
 それはそうだろう。生まれたてで親でもないのに面倒を見てくれる人間がいたら、コミュ能力全開のリア充もびっくりだ。
「そんな哀れでか弱いわたしを追い出す気ですか? 鬼畜! 人でなし! 無責任孕ませ野郎!!」
 いや、こいつだったらジャングルでもたくましく生きていけるってオレ信じてる。
「とにかく」
 オレの目の前にびしっ、と指を突き出して言葉を続ける。
「あなたが日常的に変態的な自慰行為に倒錯していなければ、わたしがこの子を身籠ることもありませんでした。よって、あなたにはわたしたちを扶養する義務があります」
 これがオレが実際にセクロスして妊娠させた、とかならわかる。納得もできよう。オレも男だ。逃げも隠れもするが、嘘はつかない、じゃなくて、逃げも隠れもせず、正々堂々男としての責任を果たそう。オレがいくら最底辺の人間でもそこまで落ちぶれちゃいない。 でもオナニーだぜ? オナニーなんだぜ?
 がんじがらめのこんな世の中なんだ、オナニーくらい好きなようににさせてくれよ。
 妄想の中ではいくらはっちゃけようが、誰もオレを責めたりできないはずだ。
 オレはただ、気持ちいいから出して捨てただけなんだ。
 それなのに、なんでこんなことに…。
 あれ? 何かものすごくクズ臭がするよ? 日本語って不思議だなぁ。
 今は七月。たとえ野宿するようなことになっても死ぬようなことはないだろう。
だが、相手は妊婦だ。しかも、客観的に見ればそこそこ可愛いときている。外に放り出すのはどう考えても危険だ。他人事とはいえ、自分を頼ってきた人間を見捨てられるほど、オレの根性は腐ってはいない。腐ってはいないのだ。
「仕方ないな。話を聞いた限り、オレにも責任がないわけじゃないようだから子どもを産むまではここに置いてやるよ」
「本当ですか!?」
 彼女の顔がぱぁっと明るくなる。ちっ、現金なヤツめ。これだから三次元の女は(以下略)。
「この家に置いてやるにあたって、お前が守ることは二つある」
「はい」
「一つはオレの言うことに従うこと」
「はい」
「もう一つは絶対にオレの言うことに従うことだ」
「今時亭主関白ですか? 前時代的ですね、この時代錯誤丸出し封建社会野郎」
こうして、オレと死ぬほど口の悪いゴミ箱との同居(決して同棲ではない)生活が始まった。

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