チーレムファンタジー ~ぼくのかんがえたさいきょうのストーリー。てきもみかたもみなぼくマンセー~
プロローグ
三千世界統一。
それは神に選ばれし者の名。
文武両道、眉目秀麗、加えて、世界屈指の財力を誇る三千世界家の御曹司。
そんな完全無欠の高校二年生が僕だった。
女性にだって不自由はしない。
アイドルから良家の令嬢まで好きなように抱き放題だ。
生まれてこの方、挫折など知らない。
敗北など知らない。
屈辱など知らない。
辛酸など知らない。
それは僕にとって辞書に載っているだけの言葉でしかない。
勉強も運動も女性関係も。
何もかもが上手くいき過ぎる。
そんな現実世界に、ただひたすらに僕は退屈していた。
そんなある日、気が付くと僕は城の謁見の間らしき場所に立っていた。
「おお、勇者よ!」
中世の王のような格好をした壮年の男が大仰に僕に向かって叫ぶ。
「勇者? 僕が?」
天才たる僕が今一つこの状況を理解できていないのは屈辱だったが、その男に疑問を投げ掛ける。
「その通り。そなたはこの世界を救うべく召喚された異世界の勇者!」
「僕は三千世界家の御曹司だぞ。何かの間違いじゃないのか?」
「そなたは異世界の勇者で間違いないはず。ステータスを確認してみるがいい」
「ステータス?」
そう言われ、ステータスとやらを見てみる。
氏名:三千世界統一
年齢:17歳
性別:♂ 非童貞
レベル:∞
職業:すべてを極めし異世界の勇者
力:∞
攻撃力:∞
素の守り:∞
防御力:∞
素早さ:∞
賢さ:∞
魔力:∞
魅力:∞
運の良さ:∞
スキル:すべてのスキル取得済み
すべてのステータスが∞。
そして、すべてのスキルが取得済み。
やはり、と言うべきか。
異世界にあっても僕は天才だった。
「お前がどこの国の王か知らないが、僕は勇者だ。図が高いぞ」
世界を救う勇者よりも、たかだか一国の王にしか過ぎない者より身分が低いなんてことはあり得ないはずだ。
僕は王の非礼を鋭く指摘した。
「これは失礼致しました、勇者様!」
愚鈍な王は僕に言われたことでようやくその無駄に大きいばかりで中身のない頭を地べたに擦り付けた。
「僕は気分を害した。どう責任を取るつもりだ?」
その空っぽの頭をぐりぐり、と踏みつけながら僕は問う。
たかだかちっぽけな国の王にしか過ぎないくせに、生まれながらの支配者である僕に尊大な態度を取った代価は払わせずにはいられない。
「お待ちください、勇者様!」
声のした方向を見ると、姫らしき格好をした美しい娘が僕を見つめている。
「父の非礼はお詫びします……! ですからどうかお許しください……!」
謝罪の言葉を口にしてくるが、僕にとってそんなことはもうどうでも良かった。
「なんだ、あるじゃないか」
微笑みを浮かべながら僕は言う。
「僕の機嫌を直すのに、うってつけの玩具が」
それは神に選ばれし者の名。
文武両道、眉目秀麗、加えて、世界屈指の財力を誇る三千世界家の御曹司。
そんな完全無欠の高校二年生が僕だった。
女性にだって不自由はしない。
アイドルから良家の令嬢まで好きなように抱き放題だ。
生まれてこの方、挫折など知らない。
敗北など知らない。
屈辱など知らない。
辛酸など知らない。
それは僕にとって辞書に載っているだけの言葉でしかない。
勉強も運動も女性関係も。
何もかもが上手くいき過ぎる。
そんな現実世界に、ただひたすらに僕は退屈していた。
そんなある日、気が付くと僕は城の謁見の間らしき場所に立っていた。
「おお、勇者よ!」
中世の王のような格好をした壮年の男が大仰に僕に向かって叫ぶ。
「勇者? 僕が?」
天才たる僕が今一つこの状況を理解できていないのは屈辱だったが、その男に疑問を投げ掛ける。
「その通り。そなたはこの世界を救うべく召喚された異世界の勇者!」
「僕は三千世界家の御曹司だぞ。何かの間違いじゃないのか?」
「そなたは異世界の勇者で間違いないはず。ステータスを確認してみるがいい」
「ステータス?」
そう言われ、ステータスとやらを見てみる。
氏名:三千世界統一
年齢:17歳
性別:♂ 非童貞
レベル:∞
職業:すべてを極めし異世界の勇者
力:∞
攻撃力:∞
素の守り:∞
防御力:∞
素早さ:∞
賢さ:∞
魔力:∞
魅力:∞
運の良さ:∞
スキル:すべてのスキル取得済み
すべてのステータスが∞。
そして、すべてのスキルが取得済み。
やはり、と言うべきか。
異世界にあっても僕は天才だった。
「お前がどこの国の王か知らないが、僕は勇者だ。図が高いぞ」
世界を救う勇者よりも、たかだか一国の王にしか過ぎない者より身分が低いなんてことはあり得ないはずだ。
僕は王の非礼を鋭く指摘した。
「これは失礼致しました、勇者様!」
愚鈍な王は僕に言われたことでようやくその無駄に大きいばかりで中身のない頭を地べたに擦り付けた。
「僕は気分を害した。どう責任を取るつもりだ?」
その空っぽの頭をぐりぐり、と踏みつけながら僕は問う。
たかだかちっぽけな国の王にしか過ぎないくせに、生まれながらの支配者である僕に尊大な態度を取った代価は払わせずにはいられない。
「お待ちください、勇者様!」
声のした方向を見ると、姫らしき格好をした美しい娘が僕を見つめている。
「父の非礼はお詫びします……! ですからどうかお許しください……!」
謝罪の言葉を口にしてくるが、僕にとってそんなことはもうどうでも良かった。
「なんだ、あるじゃないか」
微笑みを浮かべながら僕は言う。
「僕の機嫌を直すのに、うってつけの玩具が」
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