幼馴染と3人の異世界性生活

大津 千代

第32話 葵を救いに

「エイト、行ける?」


「おう、行けるよ!急いで葵を助けに行こう!」


2人は馬に乗り、馬を走らせサタナキアを追う。2頭の馬は街を抜け林の中を風を切るように走って行った。2人は馬に乗っている間ほとんど話さずサタナキアのいる国へと向かって行った。


「あとちょっとだね…。頑張ろ!」


「だな。頑張るか!」


もう少しでサタナキアのいる国へと着く。その途中に雲行きがどんどんと悪くなってしまい雨が降り出してしまった。その中を2人は馬を操り、走って行く。


稲妻が光りその後に激しい音が鳴る。雨に打たれながらしばらく走り、そしてサタナキアのいる国へと着いた。以前来た時よりもなんだかサタナキアのいる建物は恐ろしく見えた。2人に「近づくな」と言っているような感じだった。2人は馬から降り、国の中へと2人は入って行く。


「サタナキアのやろう…。葵を奪いやがって…。絶対殺してやる…」


「エイト、物騒な事言わないの。まぁ…その気持ちもわからなくないけど」


瑛斗が見ている先を睨みつける。アリスはそんな瑛斗を見た事が無かった。そして瑛斗の睨みつけている目が若干赤くなっているのを見逃さなかった。瑛斗は葵を誘拐されこれまでに無いくらいの怒りを覚えていた。


国の中に入り瑛斗とアリスは剣を抜いた。しかしそこにはだれもおらず死角からの攻撃などは無かった。瑛斗たちがサタナキアがいると思われる建物の前に来ると自分たちをどこからか見ているのか、大きな扉が両開きに開いた。


「自動とか…。本当に新しいのか古いのか…。どっちなんだ?」


2人が開かれた扉を通り建物中に入る。その建物はアリスの家よりも一回り大きい城のような建物だった。1番奥の部屋にサタナキアがいるらしい、とアリスが瑛斗に言い2人はその部屋へと向かう。


「サタナキアがいる部屋って地下?この階より上?」


「確かー…最上階だっけかな。そこまで頑張ろっか」


2人は階段のある部屋へと向かって行く。その途中に敵兵3人が2人に襲いかかるがその3人を難なく片づけ2人は階段へと向かう。階段のある部屋に着くとそこには最上階へと続く螺旋階段がある。そこを上らなければ葵の元へは着けない。


「エイト…。この階段上り切ったら、サタナキアとの真剣勝負が始まる。覚悟は、出来てる?」


「もちろん、出来てるとも。早く行って葵を救いに行こうぜ!サタナキア…ぶっ飛ばしてやるから…待ってろ…!」


2人は螺旋階段へ向かい、一段一段、階段を上って行き最上階にいるサタナキアと葵の元へと2人は向かって行った。

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