幼馴染と3人の異世界性生活

大津 千代

第14話 目的の場所へ

誰かが瑛斗の頬を叩いている。夢は見ておらずまだ瞼が開いていない。それにまだ寝ていたいし起きたくなかった。そう願っていたが誰かに叩き起こされた。


「……斗…!…瑛斗!」


聞き覚えのある声が瑛斗の耳に入る。ゆっくりとまぶたを開け、ぼやけていた視界がだんだんと鮮明に見えてくる。天井が見えるかと思ったが黒い何かが視界に入る。


「やっと起きた、瑛斗急いで。出るよ」


「え…?出る?なにが?」


「何がじゃないよ!敵が来てるの!アリスちゃんはもう行っちゃったよ!」


「敵…?敵!?悪い今すぐ行くわ」


瑛斗を起こしたのは、葵だった。そして寝ぼけていた瑛斗が事をだんだんと理解していった。体を起こし急いでベットから降りる。部屋の隅に置いてあった装備類に手を通しそれらを着た。剣と銃を持ち葵の元へと向かう。


「はい、パン。食べて」


「おう、さんきゅ」


パンを口へと運び歩きながら食べていた。アニメなどでよくありそうな「いけない、遅刻遅刻〜!」のような感じで瑛斗は歩きながらパンを食べている。そして葵が今の状況を説明した。


「今ね、敵兵たちがここのそばまで来てるの。所々でもう戦ってるみたいだけど…とりあえず私たちもアリスちゃんと一緒に行くからね」


葵が説明し終えたと同時にパンを食べ終えた瑛斗。2人は歩きながらアリスの元へと向かう。


「了解、アリスはもう準備してる?」


「当たり前じゃん。瑛斗をずっと待ってたんからね」


「それは…マジでごめん。次から気をつけるわ…」


2人は話しながら階段を下って行く。建物内にいる人が慌ただしく動いている。その中を2人は歩いて行った。建物の正面のドアを開け2人は外へと出てアリスの元へと向かって行く。


「ごめんね、アリスちゃん。やっぱりこのバカ寝てたの。叩き起こして来たよ」


「ありがとう、アオイ。エイト、次は気をつけてね?」


「うん、わかったよ。ごめんな…」


アリスは外で2頭の馬と一緒に待っていた。1頭の馬の近くには1人の男性がいた。


「今から馬に乗って目的の場所に行くからね。私とアオイとで乗ってエイトはその人一緒に乗って行ってね」


「俺、馬乗るの初めてだわ…なんか怖いな」


「私も初めて…。落ちないか不安…」


葵と瑛斗はそれぞれの馬へと向かう。初めて乗る馬に緊張しながらもなんとか乗ることが出来た。


「アオイ、エイトで練習すればいいんじゃない?」


「え?練習?どうやって?」


「エイトに、乗る」


葵が真顔になる。そして再び聞く。


「エイトに乗る?」


「うん。上に。馬みたいになれるよ」


――瑛斗の上に乗る…?馬みたいになれる…?え…?そ、それって瑛斗と合体する時にする時の…!?ってダメなやつじゃん!


「それはだめ。やっとわかったよアリスちゃん…。いきなり変な事言わないでよ」


「ごめんね。それやったら、馬に乗れるのもエイトに乗るのも上手くなれるかもよ?」


「もー!変な事言わないのー!」


アリスと葵は馬に乗りながらそんなことを話していた。その話をしていたのもあり葵の顔は赤くなっていた。


アリスと瑛斗の乗っている馬の男性が少し会話をして、手綱を引き馬が走り出した。


2頭の馬は目的の場所に向かって行った。

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