名無しの英雄

夜廻

19話

「なら、私が滅ぼしてこようか?主人様の命令なら命をかけてやるよ?」
「それは違うんだよ、スズ…俺がやらなくちゃ行けないんだ……手伝ってくれるなら嬉しいけどな」
「うん、強くなって主人様の役に立つの」
「そうか……ありがとうな」

「さて、教皇様の使者が来るまで暇だな…何をしようか?」
「えーと、私は戦うための武器が欲しいの」
あぁ、武器か
「スズは武器の種類は何がいいんだ?」
「えーと、主人様が決めて欲しいかな」
「俺がか……」
スズは種族の関係で防御力が凄まじく高い。なら防御力を特化させるか…?
攻撃力もそれなりにあるんだよな……少なくとも強化無しの俺ぐらいには…
「よし、なら大盾と大剣だな」
「大盾と大剣?」
「あぁ、そうだ。スズなら装備できるだろう」
スズは体は小さいからな
大盾で守ったらすっぽりと体全体を守れるだろう



俺は武器屋に来ている
が、問題が発生していた…
「どれもこれもいいヤツじゃないな…」
そう、店で売っている装備よりも俺が作った方が性能がいいのだ
「インゴットを買っていくかな……」
インゴットからなら俺でも作れるからな
「すみません、この店で売ってるインゴットを買いたいのですが」
「んん?兄ちゃんインゴットが欲しいのか?ならこれとこれかな」
店主は鉄のインゴットと銀のインゴットを置いた
「いえ、もっと金属として高い価値のヤツが欲しいんですが…」
「兄ちゃん、そんなモンはここには置いてないぜ?あっても金のインゴットが少しだけだ」
金か……
金で装備作ったらどうなるんだ?
目に悪そうだな
「あぁ、そうなんですか……じゃあ他の回ってみますね」
「悪いな」
そう言って店を出た


結局武器屋、防具屋、果てには便利屋まで行ったが金以上のモノは無かった
「どうしたものかな…」
俺は悩んでいると
「主人様、ギルドで聞いてみてはどうですか?」
「あ、忘れてたよ。行ってみるか」


俺らはギルドに到着した
ギルドに入って受付に行く
「すみません、聞きたいことがあるのですが」
「はい、何でしょうか…!!」
「??」
なんでこの受付さん驚いているんだ?
「あなたもしかして犯罪組織を壊滅させた冒険者さんですか…?」
「はぁ、まぁそうですけど…」
「あなたの話で今日は持ち切りなんですよ!黒ローブの人が犯罪組織を壊滅させたって」
受付さんはなんか興奮してる
「………」
俺は見立ちたくないんだけどなぁ
でもまぁ、しょうがないか…
スズを助けるためだったし後悔はしてない
「……それよりも、聞きたいことがあるのですが?」
「あ、はい。何でしょうか?」
受付さんは冷静になってくれた
「ここらで採れる1番良い金属って何でしょうか?」
「ここら辺ですか?ここらだとミスリルかオリハルコンですが…オリハルコンは少ししか採れませんし、とても危険な場所にありますね。ミスリルは比較的安全な場所にありますね」
「……ミスリルと金ってどっちが戦闘するのに適してますかね…?」
「それはミスリルでしょうね。ミスリルだったら合金とかも出来ますし…」
「へぇ、ならミスリルかな……ミスリルってどこで採れますか?」
「1番近いところだとフラ鉱山ですかね…そこで採れますね」
「わかりました。ありがとうございます」
そう言って俺はギルドを出た


「さて、スズは簡単な装備だけ整えてフラ鉱山まで行くか」
「わかりました。主人様」
そう言って俺らは首都の武器屋を巡った




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