名無しの英雄

夜廻

11話

試験が終わり俺はギルドの受付にいた
「おめでとうございます無事Cランクに昇格しました」
「あぁ、ありがとう」
ん?受付の人がなんか微妙に変な感じだ
「なにかあったんですか?」
とりあえず気になったので聞いてみる
「いえいえ、戦闘を見ていて強いんだなぁと思っただけですよ?」
戦闘を見ていたのか…
「まさかGランクがAランクに勝つとは思いませんでしたからねぇ」
「??」
Aランク?
「試験官の人ここら辺では有名なんですよ?パーティーでドラゴン倒したりしてるんですから」
あぁ、不味いことになったかもしれん
「直ぐに噂になるんじゃないでしょうか?」
この言葉を聞いた瞬間俺はこの国から出ることを決めた




早速だが俺は今ウエス教国の関所に来ている
早くしないと噂が広まってしまうからな…

なんで俺がこんなに有名になるのが嫌かと言うとイース王国から逃げてきたからに他ならない
恐らくイース王国では俺は探されているだろく最悪、指名手配を受けている可能性がある
まぁだからこそマントを被って1回も名乗ってないんだけどな…

ただしだ、黒いマントを被って大きな鎌を装備しているヤツが関所に来たらどうだろう?
結果はこうなる…

「お前みたいな怪しいヤツを教国に入れるわけにはいかないんだ…諦めてくれ」
「ギルドカードがあってもですか?」
「あぁ、それだけじゃだめなんだ」
「じゃあどうしたら入れるんです?」
「マント脱いで名前を教えてくれたらこちらでも犯罪歴を調べられて入れるぞ?」
「……」
そう教国に入れないのだ…
俺はイース王国から逃げてきている
最悪、イース王国で指名手配されてる
少なくとも何かしらの処置はされているはずだ
で、ここでマント脱いで名前言って入ったらどうなるだろう?
多分イース王国に知らせが行く……
そしたら俺はイース王国の騎士から逃げなきゃ行けない
そうなったらダンジョンか何かに引き込もならきゃいけなくなる
そんなの嫌だ…

どうしよう……?

「なぁ、マント脱いで名前言うだけだぞ?犯罪歴がないのはギルドカードがあることで証明されてる。だから確認だけだ」
「……」
いっそ逃げてみるか?
不法侵入してみるか?
俺ならできる……

「おーい、聞いてるかぁ?」
「教国に入るのを諦めます……」
「…おぉ、そうか」
「ええ、先に他のところを回ってからにしますね」
そう言って俺は関所から離れた




夜、1人の黒いマントを被った人がウエス教国の首都にいた
「やっぱり便利だよなぁ気配遮断」
そう、俺は関所から離れて見えなくなったところで気配遮断を使って堂々と関所を通っていた

ウエス教国の首都は全体的に治安がいい事で有名だ。だからこそ俺は関所で尋問されてたんだけどな…
建物は様々でやっぱり教会が立派だ首都の中心にある教会は他の国の城と比較しても劣らない
ちなみにこの国でのトップは教皇だ

サウス王国で沢山金貨を貰ったのでしばらくは生活に困ることもない
俺がこの国に来た目的は1年に1回開催される大会に出場する事だ
今の俺がどのぐらい通用するのか気になるからな
大会で優勝するとSSランクである魔法帝か、武帝と戦うことができる。どちらかに勝つことが出来れば全帝に挑むことが出来るのだ
俺はイース王国を滅ぼすつもりなので少なくともSSランクぐらいの力はないと滅ぼせない
ちなみにこの大会では身バレはしないようになっている名前も確認をとらないし、詮索をされない。だから俺は出ようと思ったんだけどな
当たり前だが優勝者は賞金が出る
その年によって違うらしいが今年はなんなんだろうな?

そう思いながら俺はギルドに入っていった

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