異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?
25話 レベル上げ(命懸け)
俺はミスラから本日二回目の電撃を与えられてからは真面目にこれからの事を考え、まずはこの階層の魔物の強さを知るために探索することになった。
聞くところによるとミスラは基本的なスキルは大体持ってるらしい。
神視点のレベル1冒険者ってほんとどうなってんだって感じだが。
まぁそんなこんなで、たった今探索している最中である。
「それにしても分岐が多すぎないか?一瞬で迷いそうなんだが....」
さっきから分岐ばかりだ。もう7回は分岐している。それも2つに別れてるとかじゃなく5つとか6つという単位で。
「そうですか?私は道を覚えるのは得意なので特に問題はありませんが。」
「へぇ、そんな特技が。じゃあ道に迷ったら頼むわ。」
あれ?ミスラってこんなに頼もしかったっけ?もしかしてこっちが素なのか?
あの時は帰れとか言ったけどこいつがいなかったら1人であの泉で途方に暮れてたかも知れなかったからな。感謝しないとな。
ダンジョンを出ることが出来たら何か奢ってやる事にするか。
「ところでミスラ。」
「なんですか?」
「迷ったわ。」
───────────────
「では1度泉に戻りましょう。私もうっかりマッピングするのを忘れていました。」
「マッピング?」
ゲームのような事を言うミスラに疑問の言葉を投げかける。
「そういうスキルですよ。自分の歩いた道を地図の一部として表示される便利なスキルです。実際にそこに行かないといけないというのが難点ですが。」
ゲームのまんまじゃん。この世界での奇跡は大体、魔法やスキルが原因って言えば片付きそうだな。
「習得するには何が試練か何か必要なのか?」
俺も習得して置いた方が何かと便利だ。出来ることはしておきたい。
だけどそんな便利なスキル。簡単に習得出来るわけないか。
「出来ますよ。地面に適当な迷路を書けば」
「ねぇ、鑑定にしろマッピングにしろ習得条件適当すぎない?いいの?本当にそんなので。」
「無知とは怖いですね。この習得方法が単純に見えるとは。」
「いや、言い方を変えれば深みが増すと思ったら大間違いだからな?」
「煩いですよ。手軽に習得出来るのだから口より手を動かしなさい。」
納得は出来なかったが早くした方がいいのは確かなので手早く迷路を書く事にした。
だがそこには大の高校生が真顔&無言で迷路を書くシュールな姿とそれを無表情で眺める少女の姿が映るというなんとも言えない状況になるのだった。
〔スキル マッピングを手に入れました。〕
そんな無機質な声が聞こえてきた。
よし、一応発動させといてと。
「じゃあ一旦泉まで戻るか?案内は頼む」
「任せなさい。まずこっちです。そしてこっち....次にこっち.....それから───」
なんて迷いのない動きだ。少し不安だったが本当にミスラは道を分かっているようだった。
分岐の7回目を超えるまでは。
「あの...ミスラさん?もう分岐10回目なんですが....?」
「勘違いでしょう。やはり私の方が記憶力は良いと言うのがこれで分かりました。ユウ、貴方も弱点っぽい弱点を見せることがあるのですね。」
そう言うミスラは少し嬉しそうだ。人の弱点を知って喜ぶとかドSですかこの人。
そしてミスラの向かう方に行くにつれてドンドン雲行きが怪しくなる。そして遂に着いた所とは.....
真っ黒に濁った草木の生えていない泉だった。
「いやぁ.....違うだろ....ここは」
「ここはダンジョンなのですよ?泉が変化することくらいあります。」
どんなに荒らしたり異常気象が起こったりここで大規模な戦闘が起こったってここまではならないだろう....それに血の痕跡なんて全くないし。
その理由はこの泉は汚染されてからどう考えても10年は経過しているような場所だったのだ。
周りは何となく前の綺麗な泉より暗いし、....え?暗い?....って事は──
「前の泉通り越してもっと下の階層に来ちゃったじゃねーか!!」
ここまで綺麗な本末転倒は初めてだ。拠点に帰ろうとしたらまさかもっと危険な場所に来るなんて....
「仕方ないですね。取り敢えずここを拠点としましょう。」
「冗談はやめてくれ。ここで息をしてるだけで肺が溶けそうだ.....マッピングと拠点は俺に任せてくれ.....」
「····まぁいいでしょう。」
不満そうな顔ではあったが渋々と言った感じで了解してくれた。
「よし、じゃあまずは俺が迷ったって言ったところに戻ろう。」
それだけ言うと俺は早速動き出そうとした。がミスラに袖を掴まれて動きを止められた。
「?  どうした?」
「しっ  静かに。あの通路に魔物がいます。しかも結構大きい。」
「...!?  隠れるぞ。」
すかさず近くの岩の後ろに隠れて魔物が出てくるのを伺った。
「...意外と行動が素早いですね...」
「こんな状況ならそりゃそうなるさ。しかもここ崩れ落ちた地点より深い層だろうから魔物も相当強そうだし。」
「......」
少しでも気配を消すのを優先させたのかミスラは黙り込んだ。
そしてドシンッ   ドシンッ  という音が通路の向こうから近づいて来る。そしてそこから現れた魔物とは──
───可愛いクリクリとした目をした2m位はあるネズミ(?)だった。
「.....あれは........」
それと同時に反対方向からもう一体の魔物が現れた。そこから出てきたのはバッファローのような魔物。
そしてその魔物はネズミを見ると一瞬止まり。次には血眼になって襲いかかった。
────そう、血眼になって。
「....ミスラ。」
「はい、今のうちに逃げた方がいいでしょう。」
「あぁ──先に逃げててくれ」
「え?」
言うが早いが俺は飛び出しこう叫んでバッファローに掴みかかった。
「──そいつァ俺の獲物だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
聞くところによるとミスラは基本的なスキルは大体持ってるらしい。
神視点のレベル1冒険者ってほんとどうなってんだって感じだが。
まぁそんなこんなで、たった今探索している最中である。
「それにしても分岐が多すぎないか?一瞬で迷いそうなんだが....」
さっきから分岐ばかりだ。もう7回は分岐している。それも2つに別れてるとかじゃなく5つとか6つという単位で。
「そうですか?私は道を覚えるのは得意なので特に問題はありませんが。」
「へぇ、そんな特技が。じゃあ道に迷ったら頼むわ。」
あれ?ミスラってこんなに頼もしかったっけ?もしかしてこっちが素なのか?
あの時は帰れとか言ったけどこいつがいなかったら1人であの泉で途方に暮れてたかも知れなかったからな。感謝しないとな。
ダンジョンを出ることが出来たら何か奢ってやる事にするか。
「ところでミスラ。」
「なんですか?」
「迷ったわ。」
───────────────
「では1度泉に戻りましょう。私もうっかりマッピングするのを忘れていました。」
「マッピング?」
ゲームのような事を言うミスラに疑問の言葉を投げかける。
「そういうスキルですよ。自分の歩いた道を地図の一部として表示される便利なスキルです。実際にそこに行かないといけないというのが難点ですが。」
ゲームのまんまじゃん。この世界での奇跡は大体、魔法やスキルが原因って言えば片付きそうだな。
「習得するには何が試練か何か必要なのか?」
俺も習得して置いた方が何かと便利だ。出来ることはしておきたい。
だけどそんな便利なスキル。簡単に習得出来るわけないか。
「出来ますよ。地面に適当な迷路を書けば」
「ねぇ、鑑定にしろマッピングにしろ習得条件適当すぎない?いいの?本当にそんなので。」
「無知とは怖いですね。この習得方法が単純に見えるとは。」
「いや、言い方を変えれば深みが増すと思ったら大間違いだからな?」
「煩いですよ。手軽に習得出来るのだから口より手を動かしなさい。」
納得は出来なかったが早くした方がいいのは確かなので手早く迷路を書く事にした。
だがそこには大の高校生が真顔&無言で迷路を書くシュールな姿とそれを無表情で眺める少女の姿が映るというなんとも言えない状況になるのだった。
〔スキル マッピングを手に入れました。〕
そんな無機質な声が聞こえてきた。
よし、一応発動させといてと。
「じゃあ一旦泉まで戻るか?案内は頼む」
「任せなさい。まずこっちです。そしてこっち....次にこっち.....それから───」
なんて迷いのない動きだ。少し不安だったが本当にミスラは道を分かっているようだった。
分岐の7回目を超えるまでは。
「あの...ミスラさん?もう分岐10回目なんですが....?」
「勘違いでしょう。やはり私の方が記憶力は良いと言うのがこれで分かりました。ユウ、貴方も弱点っぽい弱点を見せることがあるのですね。」
そう言うミスラは少し嬉しそうだ。人の弱点を知って喜ぶとかドSですかこの人。
そしてミスラの向かう方に行くにつれてドンドン雲行きが怪しくなる。そして遂に着いた所とは.....
真っ黒に濁った草木の生えていない泉だった。
「いやぁ.....違うだろ....ここは」
「ここはダンジョンなのですよ?泉が変化することくらいあります。」
どんなに荒らしたり異常気象が起こったりここで大規模な戦闘が起こったってここまではならないだろう....それに血の痕跡なんて全くないし。
その理由はこの泉は汚染されてからどう考えても10年は経過しているような場所だったのだ。
周りは何となく前の綺麗な泉より暗いし、....え?暗い?....って事は──
「前の泉通り越してもっと下の階層に来ちゃったじゃねーか!!」
ここまで綺麗な本末転倒は初めてだ。拠点に帰ろうとしたらまさかもっと危険な場所に来るなんて....
「仕方ないですね。取り敢えずここを拠点としましょう。」
「冗談はやめてくれ。ここで息をしてるだけで肺が溶けそうだ.....マッピングと拠点は俺に任せてくれ.....」
「····まぁいいでしょう。」
不満そうな顔ではあったが渋々と言った感じで了解してくれた。
「よし、じゃあまずは俺が迷ったって言ったところに戻ろう。」
それだけ言うと俺は早速動き出そうとした。がミスラに袖を掴まれて動きを止められた。
「?  どうした?」
「しっ  静かに。あの通路に魔物がいます。しかも結構大きい。」
「...!?  隠れるぞ。」
すかさず近くの岩の後ろに隠れて魔物が出てくるのを伺った。
「...意外と行動が素早いですね...」
「こんな状況ならそりゃそうなるさ。しかもここ崩れ落ちた地点より深い層だろうから魔物も相当強そうだし。」
「......」
少しでも気配を消すのを優先させたのかミスラは黙り込んだ。
そしてドシンッ   ドシンッ  という音が通路の向こうから近づいて来る。そしてそこから現れた魔物とは──
───可愛いクリクリとした目をした2m位はあるネズミ(?)だった。
「.....あれは........」
それと同時に反対方向からもう一体の魔物が現れた。そこから出てきたのはバッファローのような魔物。
そしてその魔物はネズミを見ると一瞬止まり。次には血眼になって襲いかかった。
────そう、血眼になって。
「....ミスラ。」
「はい、今のうちに逃げた方がいいでしょう。」
「あぁ──先に逃げててくれ」
「え?」
言うが早いが俺は飛び出しこう叫んでバッファローに掴みかかった。
「──そいつァ俺の獲物だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
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