異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?

15話 レベルアップ

散々受付嬢、もといシスティさんを驚かせた挙句、ティファは最後にこう言った。

「この報告は盛ったりしてないからね?というかだいぶ抑えて言ってるわよ。」

「それで抑えてるのですか...はぁぁ.....もういいです。聞いたら聞いたで私の寿命が縮まるだけのように感じてきたので...ということで今日の教習はここまでとしましょう。そういえば佐野さん、宿はとってありますか?」

「え?あぁそう言えばまだですね。そもそも金が無いんですけど... 」

「一文無しだったんですか....なら今回のクエストを前借りしますか?」

「クエスト?...あの今回のって教習目的じゃ....」

「はい。普段ならそうなのですがティファさんが勝手に,...」

どういう事だ?と言う意味を込めてティファに視線を送る。

「だって折角ならクエストもついでに受けてお金もらえた方がいいじゃない。」

「....クエスト内容は....?」

「ミノタウロスの討伐だけど何か問題ある?」

「絶対強いじゃん!ちょっとシスティさん!これ難易度的なのは!?」

「ミノタウロスは最低青ランク推奨です。」

「俺は何ランクでしたっけ?」

「まだついてません....」

「ちょっとティファさんんお話があります。」

「遠慮するわ。いいじゃない、オーク倒せたんだから少しは戦えるわよ」

「ちなみにオークは何ランク推奨?」

「黄ね」

なら行けるかもしれない。ひとランクにどのくらい違いがあるのかは分からないけどオーク余裕だった気がするし大丈夫じゃなかろうか...

「分かった。ならやれるだけやってみるよ。危なくなったら頼むぞ?」

「任せなさい。」

(ティファさんとたった一日でこんなに仲良くなるなんて...珍しい人ですね...)

「では問題も解決したところで宿の件ですが、佐野さん。これを。」

「あ、はい。」

俺は前借り分の。意外と重いお金の入ってる袋をもらった。

「それが今回のクエストの前借り分です。前借りは今回が特別です。これからはできないと考えておいてください。」

「はい、分かりました。」

「ではティファさん早速連れてってあげてくださいますか?」

「はい?」

ティファは今にも帰るところって感じのところでよく分からない事を言われて戸惑っていた。

「ティファさんの宿を紹介させてあげてください。あそこはとても優良物件ですので。」

「...,,は、はいぃぃぃ!?」


*******************


あれからシスティさんがティファに何か耳打ちして渋々OKが下された。
何を言ったんだ.....システィさん........

「いーい?私がどんなに魅力的だからって襲うとか考えない事ね。もし私の部屋に入ってきたら消し炭にするからね?」

「大丈夫だよ。俺にだって人を選ぶ権利くらいあるはずだ。」

「宿に着く前に消し炭にされたいかしら?」

「いいえ、結構です。」

「.....まぁいいわ。明日あなたの面を見に行ってあげるから部屋の鍵は開けときなさい。」

「....?なんで?」

「いいから開けとくの!分かった!?開いてなかったらぶっ壊すからね!」

なんの死刑宣告だよ...そんなことを思い開けても開けなくても不安に駆られる祐だった。


*******************

「ここか?」

「えぇそうよ。」

そこは宿というには不釣り合いに大きな宿だった。

「入るわよ。」

ティファに促されて中に入る。そしてすぐに目に入ったのは──

「ティファちゃんおかえりなさい〜
。あらら?その方は...もしかしてティファちゃんの男ぉ〜?」

この宿の人だろうか。おっとりとした青い髪のお姉さんって感じ。胸?あぁ。


最強クラスだ。


「ち、ちち違うわよ!誰がこんな奴と!死んでもごめんよ!......ってユウ〜?なにレイラの胸を見てるのかしら???」

「何を言ってるんだティファ。俺は胸なんて見てないぞ。俺は胸になんて興味ない。ティファの時は見なかっただろ?」

「こいつぶっ殺す!!!」

「冗談だよやめろって!おい、その魔法知ってるぞ!攻撃魔法だろ!!やめろ!やめてくださ───」

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

宿中に絶叫が轟いた。




*******************

「死ぬかと思った........」

「ふんっ!自業自得よ。」

「あらあらまぁごめんなさいね〜ティファちゃんは恥ずかしがり屋なのよぉ〜。許してあげてね?それでお兄さん名前は?」

「あ、佐野祐と言います。」

「ユウちゃんね〜。私はレイラ=レポーネと言います。よろしくね〜?それでユウちゃんはここの宿に泊まるのかしら?」

「あ、はい。そのつもりです。」

「えぇ。大歓迎よ〜。この宿は朝昼晩食事付きで1ヶ月10金貨よ〜。」

基準がわからない.....そういう一般常識も早く知らなきゃな。

「はい。えっとー...これでいいですか?」

袋から金貨らしきものを10枚差し出す。

「えぇこれで大丈夫よ〜じゃあユウちゃんは14号室ね〜。はいこれ鍵。」

「あ、ありがとうございます。」

本当この世界の手続きはあっさりしてるな。と感心のような心配のような気持ちの祐だった。


「あ、ちなみにティファちゃんは13号室よ?」

「隣ですか。」

「えぇ隣よ。」

レイラさんがそう耳打ちしてくれたが割とどうでもいい。というかどちらかというとレイラさんの部屋を知りたいですね。



もちろん......冗談だ。

「ちょっとレイラー?私もうお腹ペコペコなんだけど〜」

「あーはいはーい。今出すからユウちゃんとそこの席に座ってて〜」

また渋るかと思ったが空腹が勝ったようで大人しく座る。俺もその向かいに座ってご飯が来るのを待った。



*******************


夕食を終えた俺は自室にいた。レイラさんの作った料理はパンとシチューのようなもので充分美味しかった。

ラノベ展開的には味が薄かったりするのだが全然そんなこともなく安心した。

「部屋は流石に思った通りだな。」

そこはベットと机と椅子というとてもシンプルな部屋だった。だが別にベットはふかふかだし掃除もしっかりされていて寝るには全く問題なかった。

「はぁぁ流石に疲れた...今日はもう寝て.....ん?」

なんか自分のポケットが光っている.....なんだろう。

探って見ると原因はステータスカードだった。
するとカードにこういう文字が映し出された。

〔レベルアップを開始します。〕

「...え───────」

そして俺の意思に関係なくそれが始まった。そう....だんだん体がピリピリして──

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────!!!」

宿には再び絶叫が轟くのだった。




コメント

  • 小説書いてみたいけど内容が浮かばない人

    どしたのだ…

    1
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