異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?
10話 クエスト
受付嬢が教官を呼びに行ってから30分くらいが経とうとしていた。流石に遅いと思い、ロビーの方に顔出しに行くことにした。
「あ、いた受付嬢さん。」
そう言えば名前を聞くのを忘れてた。後で聞かないとな。隣にいる女性は誰だろう。
そこには赤い髪をポニーテールに纏めている女性が受付嬢と話しているようだった。
「あの〜、少し遅いと思って見に来たんですが....」
「あぁ、佐野さんすいません!お待たせしてしまって。ちょ、ちょっと待ってくださいねすぐ説得しますので!」
「説得?」
「私は教官なんかやらないからね!しかも見るからに雑魚じゃない!こんなセンスの欠けらも無い雑魚に教えることなんかあるわけないでしょ?」
こいつ......何となくミスラを思い出した。あいつより煽り下手だけどな。そして胸は板を連想させた。
「あれ、なんかこの新人無性に殴りたくなってきた。やっぱ気が変わりましたこっちに来なさい?指導してあげるから。」
「マジで遠慮します。」
「なんですって?私の言うことを聞かないっていうの!?」
お前は未成年の後輩に酒を無理に飲ませようとするおやじか。
「ま、まぁまぁそう言わずに佐藤さん!」
「佐野です。」
「こ、これは失礼しました。それより佐野さんこの方はティファ=テレジアさん。冒険者ランクは銀なんですよ?佐野さんは水晶を爆発させてしまうほどなのできっと普通の教官ではステータスだけでついていけてしまうと思うんです。なのでこの方でないと佐野さんのためにもなりません。」
「そうなんですかね.....」
なんか上手くのせられてる気がするんだが。
「ふん!まぁ私に教えを請いたいなら膝まづいて あぁティファ様、どうか罪深いわたくしめに貴方様のお力添えを与えて下さいませ   って言えば考えなくもないわよ?」
この赤髪、ミスラとは違うジャンルでムカつくな。こいつはミスラの時のように年下にはあまり見えない。少なくとも同年代だ。なら別に我慢する必要も無いよな。
「いいから教えろ。赤いの。」
「あか....!?い、言ってくれるわね....いいわよ。冒険者なんて一生やりたくないようにさせてあげるわ....!」
俺の雑も雑、この世の生物の誰も乗らなそうな挑発にティファは乗ったのだった。
──そんなこんなで波乱の予感しかしないティファとともに街の外へ行くことになったのだった。
「大丈夫でしょうか...ティファさんは銀とはいえ...流石にこれは....」
ティファが適当にとった依頼を見て心配になる受付嬢であった───
「ねぇ、あんた武器は?」
「ないです。」
「金は?」
「ないです。」
「あんたやる気あるの!?」
「スリにあったんですよ。」
「嘘でももう少しうまい嘘を言いなさいよ....この街にスリなんか出るわけないでしょ....」
「そんなに治安がいいんですか?」
「そうね。冒険者の最初の街とか言われてる街だからね。スリにとっては美味しくないのよこんなところ。」
「ティファさん」
「ティファでいいわ。あんたにさん付けとかされると気持ち悪いし。」
「じゃあティア。金は返す。俺に武器を買ってください。」
「......まぁ初めからそのつもりだったけど。なんでそんな堂々言えるのかしら...プライドとかないの?」
「それなりにありますよ。だけど今は生きるのに必死なんで」
「ふ〜ん現実はちゃんと見てるのね。そうよ冒険者っていう職業はそういうものよ。強くなったってずっと忘れないでいなさい。     それより私も、あんたあんたって言うのも変ね。サノ ユウとか言ったかしら?じゃあ、ユウね。敬語もやめなさい」
「あぁ、よろしく。」
「それよりユウ、あんた水晶爆発させたって本当?」
「あぁ、爆発はしたんたけどひとつ疑問があって、冒険者が始めたてのやつのステータスってどれくらいが基準なんだ?」
「....変なこと聞くわね........んーと、まぁ500から600くらいよ。たまに初めから1000を超える人もいるけどそれでも爆発には至らないわ。」
「.....ふむ。なら俺はステータスじゃなくてスキルのレア度で爆発したのかも知れないな。」
「はい?スキルですって?それこそありえないわ。最初からスキルを持ってる人なんてもっと希だもの。」
んー確かにミスラからもらった力だからな。つまり神様のおかげってわけだ。感謝感謝。
「見るか?」
俺は称号や言語理解は隠蔽してステータスとスキルの所をティファに見せた。
「進化....これは聞いたことないスキルね.......そしてこれは......魔法適正か。 ん?ねぇこれ、属性のとこ、隠蔽してたりする?普通、魔法適正って言ったら隣に火、水、風、光、闇の何かが書いてあるはずなのよ。たまに2つとか3つもってるようなのもいるんだけどね。」
「いや、実はそれ隠蔽はしてないんだ。」
「....え?じゃあどういう......」
「ティファ誰でも使える初級魔法教えてくれない?」
「それはいいけど....属性は?」
「全属性」
「......はぁあんた馬鹿ね全属性使える人なんてこの世には魔王くらいしかいないわよ....」
あ、いるんだ魔王。
「まぁいいわ。やりたいことは分かるから。何かわからない時はまず全部試してみる。基本だものね。」
あの、それティファが最初に教える事ではないのか....?
「な、なによ不満そうな顔ね。いいから早く街の外に行くわよ!私は体で教えていかせるスタイルなのよ!」
「別に不満そうな顔なんてしてないよ...」
それから俺の武器 大型モンスターを相手にするなら少し頼りなさそうな長剣を1本買ってもらって街の外に出た。
「さぁ!ここからが本番よ!まずはここで戦闘に慣れてからダンジョンに行くわよ!」
「はい....って、え?ダンジョン?それ絶対新米冒険者がいくような場所じゃ無くないか?」
「上層なら平気よ。それに私がついてるしね」
本当に大丈夫だろうかこの人。
「じゃあまずは魔法ね。魔法の発動は、そこまで難しいことではないわ。適性の属性であれば言葉を発せば、発動はするもの。上級魔法とかは別よ? あれは発動さえ困難なものだから。でも威力を上げるには、上級魔法同様、何度も何度も撃って撃ちまくることが必要よ。まぁユウはまずは発動からだものね。いい?よく聞きなさい。
火の初級魔法は、『ファイアー』効果は1mくらいまで火を出せるわ。水の初級魔法は『ウォーター』効果は水を出すだけ。どちらかと言うと生活用ね。風の初級魔法は 『ウインド』ただのそよ風よ。光の初級魔法は『ライト』周りを照らすことができるわ。闇の初級魔法は『ダークネス』よ。この効果は煙玉みたいなものね。でもその効果時間は煙玉よりは上よ。」
「攻撃系とは程遠いな.....」
「この1ランク上から攻撃魔法になるわ。それまではこの魔法の方が事故も少ないし皆これを練習するわね。」
「なるほど。じゃあ早速やってみよう。」
「えぇ、まぁがむしゃらにやれば出来るかもね。」
いや、だからもう少し説明に理論を混ぜてくれ。根性論すぎるから。
でも魔法か.....俺の世界の人たちなら誰もが1度は使ってみたいと思うものだ。だが何故だろう。全く心の浮き沈みがない。
こういう時だ。こういう時、自分が誰だか分からなくなる....
「えっと───『ファイアー!』」
すると俺の手から5メートルくらいまで火が放射された。
「え?え?今のがファイアー!?嘘でしょ!?私だってはじめはマッチ棒くらいしか出なかったのに....」
マッチ棒って...1mくらいまで飛ぶんじゃなかったのか....?しかも使える属性は火......そのまんまだな。いろんな意味で
「『ウォーター!』」
魔法を使ってみて思った事、それはイメージだ。例えば100のイメージをすれば60くらいになる。ような気がする。
 それだけではなく、そのイメージの質が高ければ高いほど、その差は縮まるんじゃないかというのが、様々なラノベを読んできた俺が考えた仮説。
 この世界には、イメージという言葉がないのかもしれない。まぁたしかに何度もやれば、段々と魔法に慣れて、自然とイメージするようになり上達もするだろうけど、効率悪そうだな。
 そして俺の手からは水が10メートル先まで飛んでいった。
全属性やった結果。結局全部出来た。風は割と強い風が出てティファのスカートが万歳したが知らない。くまさんなんて見てないったら見てない。
 『ライト』は真昼間なのであまり分からなかったが結構な明るさが出ていた。だが問題は闇魔法だった。それを放った時。
「『ダークネス』」
目の前が真っ暗になった。これ。やばいだろ初級魔法なんてもんか?ずっとこんなのが続いたら軽い精神攻撃になるんじゃないだろうか。
そんなことを思って目が回復するのを待っていると──
「──やっと....戻ってきたのね。」
「ん?ティファか?待ってくれまだ目が回復してない。」
少し違う声だったが耳までもが影響を受けてしまうのだろうか。本格的にやばい魔法である。
「貴方はそこにいるべき人間」
「ティファ.....じゃないな?お前...まさか!」
最近全然見てなかったから安心していた。あの夢だ。知らない人。知らない声。またお前か。なんなんだよ....お前は...。
「お前は!────」
「あ、あれ?ここは...」
気絶していた。つまりあれは闇魔法の効果じゃなかったのか。
「やっと起きたのね。よくある魔力切れね。ここら辺じゃそれでパタパタ野垂れ死んでくから気をつけた方がいいわよ。はいこれ魔力ポーション。」
「あ、ありがとう。」
面倒見はいいんだな。割といいやつなのかもしれない。ティファなら別にステータスを隠蔽せずに見せてもいいかもな。
 まぁ説明が面倒なので、今はする気はないけど、戦友としてこれからも仲良くしたいし、長い付き合いになりそうであれば話す機会はいくらでもあるか。
「それにしてもユウ、あんた無茶苦茶ね。意味が分からないわ。こんな人間初めて見るもの」
「俺だって混乱してるんだ...ここまでだとは思ってなかったから」
「....ふーん........まぁいいわ、詮索はしない。ほら起きたなら早速ダンジョンに行くわよ日が暮れちゃうから。」
「あぁ。分かったよ....」
 本当に行くのか...ダンジョン.....せめてここでスライムかなにか一体くらい倒してから行きたかった.....
「あ、いた受付嬢さん。」
そう言えば名前を聞くのを忘れてた。後で聞かないとな。隣にいる女性は誰だろう。
そこには赤い髪をポニーテールに纏めている女性が受付嬢と話しているようだった。
「あの〜、少し遅いと思って見に来たんですが....」
「あぁ、佐野さんすいません!お待たせしてしまって。ちょ、ちょっと待ってくださいねすぐ説得しますので!」
「説得?」
「私は教官なんかやらないからね!しかも見るからに雑魚じゃない!こんなセンスの欠けらも無い雑魚に教えることなんかあるわけないでしょ?」
こいつ......何となくミスラを思い出した。あいつより煽り下手だけどな。そして胸は板を連想させた。
「あれ、なんかこの新人無性に殴りたくなってきた。やっぱ気が変わりましたこっちに来なさい?指導してあげるから。」
「マジで遠慮します。」
「なんですって?私の言うことを聞かないっていうの!?」
お前は未成年の後輩に酒を無理に飲ませようとするおやじか。
「ま、まぁまぁそう言わずに佐藤さん!」
「佐野です。」
「こ、これは失礼しました。それより佐野さんこの方はティファ=テレジアさん。冒険者ランクは銀なんですよ?佐野さんは水晶を爆発させてしまうほどなのできっと普通の教官ではステータスだけでついていけてしまうと思うんです。なのでこの方でないと佐野さんのためにもなりません。」
「そうなんですかね.....」
なんか上手くのせられてる気がするんだが。
「ふん!まぁ私に教えを請いたいなら膝まづいて あぁティファ様、どうか罪深いわたくしめに貴方様のお力添えを与えて下さいませ   って言えば考えなくもないわよ?」
この赤髪、ミスラとは違うジャンルでムカつくな。こいつはミスラの時のように年下にはあまり見えない。少なくとも同年代だ。なら別に我慢する必要も無いよな。
「いいから教えろ。赤いの。」
「あか....!?い、言ってくれるわね....いいわよ。冒険者なんて一生やりたくないようにさせてあげるわ....!」
俺の雑も雑、この世の生物の誰も乗らなそうな挑発にティファは乗ったのだった。
──そんなこんなで波乱の予感しかしないティファとともに街の外へ行くことになったのだった。
「大丈夫でしょうか...ティファさんは銀とはいえ...流石にこれは....」
ティファが適当にとった依頼を見て心配になる受付嬢であった───
「ねぇ、あんた武器は?」
「ないです。」
「金は?」
「ないです。」
「あんたやる気あるの!?」
「スリにあったんですよ。」
「嘘でももう少しうまい嘘を言いなさいよ....この街にスリなんか出るわけないでしょ....」
「そんなに治安がいいんですか?」
「そうね。冒険者の最初の街とか言われてる街だからね。スリにとっては美味しくないのよこんなところ。」
「ティファさん」
「ティファでいいわ。あんたにさん付けとかされると気持ち悪いし。」
「じゃあティア。金は返す。俺に武器を買ってください。」
「......まぁ初めからそのつもりだったけど。なんでそんな堂々言えるのかしら...プライドとかないの?」
「それなりにありますよ。だけど今は生きるのに必死なんで」
「ふ〜ん現実はちゃんと見てるのね。そうよ冒険者っていう職業はそういうものよ。強くなったってずっと忘れないでいなさい。     それより私も、あんたあんたって言うのも変ね。サノ ユウとか言ったかしら?じゃあ、ユウね。敬語もやめなさい」
「あぁ、よろしく。」
「それよりユウ、あんた水晶爆発させたって本当?」
「あぁ、爆発はしたんたけどひとつ疑問があって、冒険者が始めたてのやつのステータスってどれくらいが基準なんだ?」
「....変なこと聞くわね........んーと、まぁ500から600くらいよ。たまに初めから1000を超える人もいるけどそれでも爆発には至らないわ。」
「.....ふむ。なら俺はステータスじゃなくてスキルのレア度で爆発したのかも知れないな。」
「はい?スキルですって?それこそありえないわ。最初からスキルを持ってる人なんてもっと希だもの。」
んー確かにミスラからもらった力だからな。つまり神様のおかげってわけだ。感謝感謝。
「見るか?」
俺は称号や言語理解は隠蔽してステータスとスキルの所をティファに見せた。
「進化....これは聞いたことないスキルね.......そしてこれは......魔法適正か。 ん?ねぇこれ、属性のとこ、隠蔽してたりする?普通、魔法適正って言ったら隣に火、水、風、光、闇の何かが書いてあるはずなのよ。たまに2つとか3つもってるようなのもいるんだけどね。」
「いや、実はそれ隠蔽はしてないんだ。」
「....え?じゃあどういう......」
「ティファ誰でも使える初級魔法教えてくれない?」
「それはいいけど....属性は?」
「全属性」
「......はぁあんた馬鹿ね全属性使える人なんてこの世には魔王くらいしかいないわよ....」
あ、いるんだ魔王。
「まぁいいわ。やりたいことは分かるから。何かわからない時はまず全部試してみる。基本だものね。」
あの、それティファが最初に教える事ではないのか....?
「な、なによ不満そうな顔ね。いいから早く街の外に行くわよ!私は体で教えていかせるスタイルなのよ!」
「別に不満そうな顔なんてしてないよ...」
それから俺の武器 大型モンスターを相手にするなら少し頼りなさそうな長剣を1本買ってもらって街の外に出た。
「さぁ!ここからが本番よ!まずはここで戦闘に慣れてからダンジョンに行くわよ!」
「はい....って、え?ダンジョン?それ絶対新米冒険者がいくような場所じゃ無くないか?」
「上層なら平気よ。それに私がついてるしね」
本当に大丈夫だろうかこの人。
「じゃあまずは魔法ね。魔法の発動は、そこまで難しいことではないわ。適性の属性であれば言葉を発せば、発動はするもの。上級魔法とかは別よ? あれは発動さえ困難なものだから。でも威力を上げるには、上級魔法同様、何度も何度も撃って撃ちまくることが必要よ。まぁユウはまずは発動からだものね。いい?よく聞きなさい。
火の初級魔法は、『ファイアー』効果は1mくらいまで火を出せるわ。水の初級魔法は『ウォーター』効果は水を出すだけ。どちらかと言うと生活用ね。風の初級魔法は 『ウインド』ただのそよ風よ。光の初級魔法は『ライト』周りを照らすことができるわ。闇の初級魔法は『ダークネス』よ。この効果は煙玉みたいなものね。でもその効果時間は煙玉よりは上よ。」
「攻撃系とは程遠いな.....」
「この1ランク上から攻撃魔法になるわ。それまではこの魔法の方が事故も少ないし皆これを練習するわね。」
「なるほど。じゃあ早速やってみよう。」
「えぇ、まぁがむしゃらにやれば出来るかもね。」
いや、だからもう少し説明に理論を混ぜてくれ。根性論すぎるから。
でも魔法か.....俺の世界の人たちなら誰もが1度は使ってみたいと思うものだ。だが何故だろう。全く心の浮き沈みがない。
こういう時だ。こういう時、自分が誰だか分からなくなる....
「えっと───『ファイアー!』」
すると俺の手から5メートルくらいまで火が放射された。
「え?え?今のがファイアー!?嘘でしょ!?私だってはじめはマッチ棒くらいしか出なかったのに....」
マッチ棒って...1mくらいまで飛ぶんじゃなかったのか....?しかも使える属性は火......そのまんまだな。いろんな意味で
「『ウォーター!』」
魔法を使ってみて思った事、それはイメージだ。例えば100のイメージをすれば60くらいになる。ような気がする。
 それだけではなく、そのイメージの質が高ければ高いほど、その差は縮まるんじゃないかというのが、様々なラノベを読んできた俺が考えた仮説。
 この世界には、イメージという言葉がないのかもしれない。まぁたしかに何度もやれば、段々と魔法に慣れて、自然とイメージするようになり上達もするだろうけど、効率悪そうだな。
 そして俺の手からは水が10メートル先まで飛んでいった。
全属性やった結果。結局全部出来た。風は割と強い風が出てティファのスカートが万歳したが知らない。くまさんなんて見てないったら見てない。
 『ライト』は真昼間なのであまり分からなかったが結構な明るさが出ていた。だが問題は闇魔法だった。それを放った時。
「『ダークネス』」
目の前が真っ暗になった。これ。やばいだろ初級魔法なんてもんか?ずっとこんなのが続いたら軽い精神攻撃になるんじゃないだろうか。
そんなことを思って目が回復するのを待っていると──
「──やっと....戻ってきたのね。」
「ん?ティファか?待ってくれまだ目が回復してない。」
少し違う声だったが耳までもが影響を受けてしまうのだろうか。本格的にやばい魔法である。
「貴方はそこにいるべき人間」
「ティファ.....じゃないな?お前...まさか!」
最近全然見てなかったから安心していた。あの夢だ。知らない人。知らない声。またお前か。なんなんだよ....お前は...。
「お前は!────」
「あ、あれ?ここは...」
気絶していた。つまりあれは闇魔法の効果じゃなかったのか。
「やっと起きたのね。よくある魔力切れね。ここら辺じゃそれでパタパタ野垂れ死んでくから気をつけた方がいいわよ。はいこれ魔力ポーション。」
「あ、ありがとう。」
面倒見はいいんだな。割といいやつなのかもしれない。ティファなら別にステータスを隠蔽せずに見せてもいいかもな。
 まぁ説明が面倒なので、今はする気はないけど、戦友としてこれからも仲良くしたいし、長い付き合いになりそうであれば話す機会はいくらでもあるか。
「それにしてもユウ、あんた無茶苦茶ね。意味が分からないわ。こんな人間初めて見るもの」
「俺だって混乱してるんだ...ここまでだとは思ってなかったから」
「....ふーん........まぁいいわ、詮索はしない。ほら起きたなら早速ダンジョンに行くわよ日が暮れちゃうから。」
「あぁ。分かったよ....」
 本当に行くのか...ダンジョン.....せめてここでスライムかなにか一体くらい倒してから行きたかった.....
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