異世界転移するような人が平凡な高校生だと思った?

1話 平凡な生活

 きっと誰もが、1度は思ったことがあるのではないだろうか。自分たちの住んでるこの世界以外とは別に、文化も言葉も違う世界があるのではないかと。

 そして、それに1度は憧れ、美化し、羨むのだろう。だが、俺にはそう思えたことがなかった。別に特殊な性格でもないと思ってるし、ラノベやアニメだって見る。典型的なオタクだ。友達だって平凡なりにいる。
けどたまに思うんだ.....

────俺は誰だ。と







「ふぁぁぁ......うわっ寝すぎたな」

 寝すぎて少しだけだるい体を起こし、時計に視線を送ると、もう午前11時を回っていた。
 
 昨日はネトゲのレアドロップ倍率が250%のイベントがあったこともあり、3時に就寝。というか寝落ち。そしてこのザマである。

「ま、今日は土曜日だしな......ん?」

 今日は土曜日のはずと思っていたが、そう言えばおかしい、土曜はそもそも家族が騒がしいので、どんなに夜更かししても、9時くらいには妹に叩き起されてたはず.....

「あ..........今日、金曜日じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」








「すいません!!遅刻しました!!!!」

 俺、佐野 祐さの ゆうは、あのあとすぐに制服に着替え、軽く自分の中で持久走記録を大幅に更新しながら、学校の職員室に駆け込み、担任に報告していた。

 だが本来なら、あそこまで遅刻したら、もうゆっくり行こうとか考えるのが普通なのだが、俺の場合、担任が中々問題のある先生なので遅刻だけでも大変なのだ。

 あ、勘違いするなよ?別に怖いんじゃない。むしろ可愛い方なんだが、それが問題というか....

「あ、佐野くん、遅刻なんて珍しいですね」

これがうちの担任 笹原 愛ささはら あい先生だ。ん?普通に説教しにきてるように見えるって?まぁ見てろ。ここからだ。

「はっ!やっぱり私の授業はつまらなくて、面倒になったんですね!?そうなんですね!?」

「いやいやいや!違いますよ!愛先生の授業はいつも凄く癒され....じゃなくてとても楽しいですよ!!」
 
 そう、この先生はとても勘違いしやすいのだ。悪化すると泣き出すから慎重に対処しないと、それを見た周りの人から、あんなに可愛い先生を泣かす最低男のレッテルを貼られ、学校内での居場所を失い、愛先生親衛隊に毎日ボコボコにされる日々が続くことになるだろう。

「そ、それは本当ですか?」

良かった、冷静になってくれた。こうなればもういつも通りの頼りになる愛先生だ、何故か顔が少しだけ赤いけど。きっと職員室で大声を出したことが恥ずかしかったんだろう。

「はい、先生の授業がなかったら、俺生きていけないですよ」

眠れる授業が無くなっちゃうし。

「っ!?そ、そうなのですね....はい、分かりました」

分かりました?まだ少し、頭が空回りしてるのだろうか。

「それで反省文かなにか書けばいいですか?」

「いいえ、反省文よりも放課後補修します」

「.......え?」

「分かりましたね?」

「いや....でも放課後は......」

「わ か り ま し た ね ?」

すまん、訂正しようこの人怖い......

「はい......」

「では今日の授業が終わったらそのまま席にいてくださいね」

有無を言わせない笑顔に祐は本物の恐怖を感じるのであった。


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コメント

  • 小説書いてみたいけど内容が浮かばない人

    可愛いと信じていたのに…( ゚∀゚)

    3
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