カオティックアーツ
55:悪い噂
ハンボルの町で五日ぐらい経過した頃、新武器も完成し、いつでも出発できるようになった楓たち一行は、魔女の国を目指すべく町をでるか悩んでいた。
というのも、とある噂が流れているせいで、どのようにして魔女の国を目指せばいいのかわからなくなったからである。それは、魔女の国につながるルートに聖騎士団が駐留しているという噂だ。
魔女の国は、ハンボルの町をまっすぐ直線に進んだ先にある、オルスマウンテンの頂上に存在している。
そして、オルスマウンテンに続く道を聖騎士団が塞いでいるという構図だ。
聖騎士団がオルスマウンテン付近に駐留している理由も理解できる。
オルスマウンテンの特徴といえば、山から野菜が豊富に取れることだろう。そして、野菜につられてやってくる動物たちも多い。
オルスマウンテンは食料の宝庫なのだ。
兵を駐留させるにしても、大量の食料がいる。
ならば、元から食料豊富な場所に駐留してしまえば問題ないということだろう。
聖騎士団は、実に合理的な行動をとっているが、今の楓たちにとって大きな問題となっていた。
魔女の国を目指す楓たちは、必ず聖騎士団と交戦しなければならない。必ず、完膚なきまでに倒さないと魔女の国の存在がバレる恐れがあるからだ。
魔女の国が存在するという噂は流れている。
しかし、正確な場所までは特定されていない。楓たちは、自分らのせいで魔女の国が戦火に陥れられる可能性がある為、魔女の国に向かうことを躊躇っているのだった。
「さて、どうしたものか」
楓は、テーブルに肘を付け、手で顎を触りながら目を瞑って考えていた。
いくら思考を巡らせても、回答は得られず、『う~ん』っと唸っていた。
「やっぱり、と突撃すればいいんじゃ……」
「クレハ、もうちょっと考えてくれよ。突撃するということは、相手を殲滅……つまり皆殺しにしないと魔女の国の存在がバレる危険があるんだ」
「うわ、楓が物騒な事言ってる?」
「クレハは話を聞いていなかったのか?
あたいたちが住んでいる魔女の国の存在がバレると戦争が起こるって言ってるんだよ。
それを回避するために、絶対にバレずに魔女の国に行かなければならないっていうのに、聖騎士団が邪魔でしょうがない。
被害なく、安全に魔女の国に行く必要があるんだよ。わかったか、クレハ」
「ヴァネッサが難しい事言っているっていうことだけわかった」
「こりゃダメだ」
ヴァネッサは、クレハに説明することを諦めた。若干涙目になりながら、楓を引っ張った。そして、耳元に顔を近づけて、こっそりと話した。
「クレハはもうだめだ」
「……どういうことだよ」
「あれは、どっかでトチ狂ったのか、猪のような思考しか持ち合わせていない……」
「いや、多分、被害がどうなるか予想できないだと思うけど……」
「そうじゃない、そうじゃないんだ……クレハは、あたぁ!」
話が聞こえていたらしいクレハは、ヴァネッサの首根っこ掴んで、楓から引き離した。
「っち、もうちょっと我慢していろよ」
「ここぞとばかりに私の評価下げようとするの、やめてくれます」
「別にお前の評価を下げようなんてしていない。あたいは事実を言ったまでだ。評価が下がるのは、お前の行動が悪いだけだろ」
二人の間に火花が散っている錯覚ができるような構図だった。
そして、取っ組み合いのケンカを始めたのだった。
なんか仲良くなっているなーなどと、見当違いなことを考えている楓の元に、ブラスがやってきた。
ブラスは、手に持った二つのコップのうち、一つを楓のもとに置き、隣の椅子にゆっくりと座った。
「何にも思いつかないのか?」
「ああ、全然思いつかない。さて、どうしたものか……」
「俺は、クレハの意見に賛成だぞ」
「お前もか……」
「いや、突撃して交戦するんじゃない。相手に悟られないように、こっそりと進み、バレないように山に入ればいいだけじゃないか。 万が一バレたとして、相手が動き出すま時間がかかる。
なにせ、相手は団体だからな。そこを上手く突いて、オルスマウンテンにバレないように入れば問題ないんじゃないか」
「上手くバレないように……うまくいくのか?」
「やってみなくちゃわからない」
まぁ、それもそうだろうな……と楓は思った。
でも、何かしらの作戦を立てたとしても、結果はやってみなければわからない。
だから、楓たちは、ブラスの案で聖騎士団をやり過ごすことにした。
正直不安を感じる楓であった。それは変態でダメ人間のブラスが考えた作戦だからである。
少しでも成功率を上げるため、材料を買い足し、カオティックアーツの制作に入った。
それから三日後
楓たちは一行は、準備を万全にして魔女の国があるオルスマウンテンを目指し、町を出た。
というのも、とある噂が流れているせいで、どのようにして魔女の国を目指せばいいのかわからなくなったからである。それは、魔女の国につながるルートに聖騎士団が駐留しているという噂だ。
魔女の国は、ハンボルの町をまっすぐ直線に進んだ先にある、オルスマウンテンの頂上に存在している。
そして、オルスマウンテンに続く道を聖騎士団が塞いでいるという構図だ。
聖騎士団がオルスマウンテン付近に駐留している理由も理解できる。
オルスマウンテンの特徴といえば、山から野菜が豊富に取れることだろう。そして、野菜につられてやってくる動物たちも多い。
オルスマウンテンは食料の宝庫なのだ。
兵を駐留させるにしても、大量の食料がいる。
ならば、元から食料豊富な場所に駐留してしまえば問題ないということだろう。
聖騎士団は、実に合理的な行動をとっているが、今の楓たちにとって大きな問題となっていた。
魔女の国を目指す楓たちは、必ず聖騎士団と交戦しなければならない。必ず、完膚なきまでに倒さないと魔女の国の存在がバレる恐れがあるからだ。
魔女の国が存在するという噂は流れている。
しかし、正確な場所までは特定されていない。楓たちは、自分らのせいで魔女の国が戦火に陥れられる可能性がある為、魔女の国に向かうことを躊躇っているのだった。
「さて、どうしたものか」
楓は、テーブルに肘を付け、手で顎を触りながら目を瞑って考えていた。
いくら思考を巡らせても、回答は得られず、『う~ん』っと唸っていた。
「やっぱり、と突撃すればいいんじゃ……」
「クレハ、もうちょっと考えてくれよ。突撃するということは、相手を殲滅……つまり皆殺しにしないと魔女の国の存在がバレる危険があるんだ」
「うわ、楓が物騒な事言ってる?」
「クレハは話を聞いていなかったのか?
あたいたちが住んでいる魔女の国の存在がバレると戦争が起こるって言ってるんだよ。
それを回避するために、絶対にバレずに魔女の国に行かなければならないっていうのに、聖騎士団が邪魔でしょうがない。
被害なく、安全に魔女の国に行く必要があるんだよ。わかったか、クレハ」
「ヴァネッサが難しい事言っているっていうことだけわかった」
「こりゃダメだ」
ヴァネッサは、クレハに説明することを諦めた。若干涙目になりながら、楓を引っ張った。そして、耳元に顔を近づけて、こっそりと話した。
「クレハはもうだめだ」
「……どういうことだよ」
「あれは、どっかでトチ狂ったのか、猪のような思考しか持ち合わせていない……」
「いや、多分、被害がどうなるか予想できないだと思うけど……」
「そうじゃない、そうじゃないんだ……クレハは、あたぁ!」
話が聞こえていたらしいクレハは、ヴァネッサの首根っこ掴んで、楓から引き離した。
「っち、もうちょっと我慢していろよ」
「ここぞとばかりに私の評価下げようとするの、やめてくれます」
「別にお前の評価を下げようなんてしていない。あたいは事実を言ったまでだ。評価が下がるのは、お前の行動が悪いだけだろ」
二人の間に火花が散っている錯覚ができるような構図だった。
そして、取っ組み合いのケンカを始めたのだった。
なんか仲良くなっているなーなどと、見当違いなことを考えている楓の元に、ブラスがやってきた。
ブラスは、手に持った二つのコップのうち、一つを楓のもとに置き、隣の椅子にゆっくりと座った。
「何にも思いつかないのか?」
「ああ、全然思いつかない。さて、どうしたものか……」
「俺は、クレハの意見に賛成だぞ」
「お前もか……」
「いや、突撃して交戦するんじゃない。相手に悟られないように、こっそりと進み、バレないように山に入ればいいだけじゃないか。 万が一バレたとして、相手が動き出すま時間がかかる。
なにせ、相手は団体だからな。そこを上手く突いて、オルスマウンテンにバレないように入れば問題ないんじゃないか」
「上手くバレないように……うまくいくのか?」
「やってみなくちゃわからない」
まぁ、それもそうだろうな……と楓は思った。
でも、何かしらの作戦を立てたとしても、結果はやってみなければわからない。
だから、楓たちは、ブラスの案で聖騎士団をやり過ごすことにした。
正直不安を感じる楓であった。それは変態でダメ人間のブラスが考えた作戦だからである。
少しでも成功率を上げるため、材料を買い足し、カオティックアーツの制作に入った。
それから三日後
楓たちは一行は、準備を万全にして魔女の国があるオルスマウンテンを目指し、町を出た。
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