カオティックアーツ
34:冒険者ギルドで登録をしよう
「なんで、なんで知ってしまっているのですかぁ」
受付嬢は、取り乱した状態で、フレアの服を掴んだ。
グイグイ来る受付嬢により、フレアが揺らされる。
ちょっと鬱陶しそうにしていたフレアは、受付嬢に拳骨した。
「あいた!」
「ちょっと鬱陶しいよ。そんなの見りゃわかるのよ」
「そ、そんなぁ。今までバレていないって思っていたのに……」
申し訳なさそうなフレアは、受付嬢の頭を優しく撫で、優しく説明してあげた。
なんでも、冒険者の間では、知らないことにしているらしい。
この件に関しては、冒険者の間で暗黙のルールになっている。
それをうっかり漏らしてしまったのを思い出したフレアは「やってしまったな、これは」と思い、受付嬢を丸め込もうとした。
「そ、そんなことになっていたんですね……すいません。取り乱して」
「別にいいのよ。分かってくれればね。冒険者もそのへんは理解してやっているんだから、気にしなくていいのよ」
「はぅ、ありがとうございます」
「この件に関しては、あまり喋らないようにね。お願い」
「は、はい。了解しました!」
「よろしい。ところで、ここら辺で空いている宿ってないかしら」
「分かりました。調べてみますので、少しお待ちを!」
タッタッタと受付に戻る受付嬢。
フレアは、うまく丸め込めたと、ニシシと笑っていた。
とても、悪意に満ちた笑だった。
そんな様子を見ていた楓は、「フレアさんは……」と呆れていたのは言うまでもない。
これで宿は無事に決まったかなと思った楓だったが、ちょっとしたトラブルが起きた。
「あのう、この辺り周辺の宿は満員でして、泊まれるところがありません。冒険者ギルド運営の宿なら空きがあるんですが。皆さんは冒険者ですか?」
「あれ、冒険者じゃない人っていたっけ?」
「クレハ姉さん。二人いるよ。忘れないでよ」
「はは、そういえば楓は登録してなかったね。あと一人は……ブラス?」
「そういえば、ティオにだけ言ってたな。俺は元騎士だから、冒険者の登録はしていないんだよ」
「じゃあ、俺とブラスが登録すれば泊まれるんだな。カノンはどうなんの?」
楓はカノンを抱き上げて、受付嬢に見せる。
カノンは、レインの服についての話をまだ根に持っていて、楓をぺちぺちと叩きだした。
「ちょ、カノン。痛いんだけど」
「がうがう!」
「お兄さん。カノンは、毛皮の話はしない?って言ってるよ。どういう事?」
「ああ、レインの服の素材が【ライオネイラ】、つまり、カノンの種族の毛皮が素材なんだよ。それで怒っているんだと思う」
「お兄さん。それはいくらなんでもひどいよ。カノンも怒るよ」
「それもそうだよな。ごめん、カノン。俺が悪かったよ。そもそも、仲間なんだからそんなことしないって」
「がうがう」
「うむ、よろしい」とでも言っているかのように頷いて、楓を叩くことをやめたカノン。
そんな様子を見て、ティオがクスッと笑った。
話についていけない受付嬢は、どうしたらいいのか分からずにオロオロとしていた。
「ああ、すいません。ちょっと話してしまって」
「い、いえ。大丈夫ですよ。それで、その子はどういったもの何ですか?」
「この子は俺たちの仲間なんですよ。特にこの子に懐いていて」
「僕のお友達なんです」
ティオが受付嬢に主張した。
ここで、カノンだけ置いていったらかわいそうだと思っているのだろう、と楓は思った。
「いえ、ちゃんと管理されている状態なら大丈夫ですよ。たまに、魔物がなつくことがありますから。そういった方は、ギルドに問題がない魔物でことを証明して、飼い魔物として登録すれば大丈夫ですよ」
「あ、ありがとうございます。カノン、登録しよ」
「がう!」
「私は、問題ないもんね」といった表情をして、楓の腕から飛び降りるカノン。
ティオの後ろを、トコトコついていって、受付に向かっていった。
「あとは、お二方ですね。あなた方は冒険者として登録してもらえれば問題ないです。私の後についてきてください」
楓とブラスは、冒険者として登録することにしたため、受付嬢の後についていった。
その時、他の冒険者の嫌な視線が、少しだけ気になった楓とブラスだった。
「さて、冒険者の登録について、いくつかご説明しますね」
「ええ、お願いします」
「では……」
受付嬢は、冒険者ギルドに登録するために必要なことを教えてくれた。
登録するために必要な事は、必要書類を書く事と、実力テストを受けることだった。
必要書類には、今までの経歴と職業を記入するだけだと、受付嬢は言った。
理由をしては、魔物を討伐できるだけの力があるのに、初級の冒険者から始めるのはもったいないという思想がある。
冒険者ギルドに登録する前に、冒険者とともに活動していた者たちは、それなりの経験を積んでいる場合がある。
そういった者たちの活躍の場を多くするための制度らしい。
要は、実力がある人が転職した際に、早く活躍できるようにするための制度みたいなものだと楓は思った。
そして、実力テスト。
書類上に嘘がある、もしくは後ろについていただけで戦闘をしたことがない者を上のランクに上げるわけにはいかない。
そんなことをしたら、すぐに死んでしまうからだ。
そのために、書類に記載されていることが本当であるか確かめる必要がある。
そのための実力テストらしい。
実力テストには、熟練の冒険者が試験管を行うため、誤魔化しは効かない。
これにより、的確なランク測定を行って、初めて冒険者になれる。
楓は、若干めんどくさいなと思ったが、ブラスはそうでもないらしい。
元聖騎士であるブラスは肉体派であり、体を動かすことが好きだた。
【ライトワーク】にいた時も、やることがないときは、素振りや薪割りをしていたぐらいだ。
しかし、楓は研究ばっかの人間だ。
体を動かすなら、頭を働かせてすごいものを作る。楓はそういう人間だった。
だからこそ、楓はめんどくさいと感じていた。
また、魔法という特殊な技術があるなら、もっと効率化できるだろうと、登録方法に異議を申し立てたいとも思うほどだった。
冒険者登録用の受付に到着したら、受付嬢から登録用の用紙を渡されたので、二人は黙々と書き始めた。
受付嬢は、取り乱した状態で、フレアの服を掴んだ。
グイグイ来る受付嬢により、フレアが揺らされる。
ちょっと鬱陶しそうにしていたフレアは、受付嬢に拳骨した。
「あいた!」
「ちょっと鬱陶しいよ。そんなの見りゃわかるのよ」
「そ、そんなぁ。今までバレていないって思っていたのに……」
申し訳なさそうなフレアは、受付嬢の頭を優しく撫で、優しく説明してあげた。
なんでも、冒険者の間では、知らないことにしているらしい。
この件に関しては、冒険者の間で暗黙のルールになっている。
それをうっかり漏らしてしまったのを思い出したフレアは「やってしまったな、これは」と思い、受付嬢を丸め込もうとした。
「そ、そんなことになっていたんですね……すいません。取り乱して」
「別にいいのよ。分かってくれればね。冒険者もそのへんは理解してやっているんだから、気にしなくていいのよ」
「はぅ、ありがとうございます」
「この件に関しては、あまり喋らないようにね。お願い」
「は、はい。了解しました!」
「よろしい。ところで、ここら辺で空いている宿ってないかしら」
「分かりました。調べてみますので、少しお待ちを!」
タッタッタと受付に戻る受付嬢。
フレアは、うまく丸め込めたと、ニシシと笑っていた。
とても、悪意に満ちた笑だった。
そんな様子を見ていた楓は、「フレアさんは……」と呆れていたのは言うまでもない。
これで宿は無事に決まったかなと思った楓だったが、ちょっとしたトラブルが起きた。
「あのう、この辺り周辺の宿は満員でして、泊まれるところがありません。冒険者ギルド運営の宿なら空きがあるんですが。皆さんは冒険者ですか?」
「あれ、冒険者じゃない人っていたっけ?」
「クレハ姉さん。二人いるよ。忘れないでよ」
「はは、そういえば楓は登録してなかったね。あと一人は……ブラス?」
「そういえば、ティオにだけ言ってたな。俺は元騎士だから、冒険者の登録はしていないんだよ」
「じゃあ、俺とブラスが登録すれば泊まれるんだな。カノンはどうなんの?」
楓はカノンを抱き上げて、受付嬢に見せる。
カノンは、レインの服についての話をまだ根に持っていて、楓をぺちぺちと叩きだした。
「ちょ、カノン。痛いんだけど」
「がうがう!」
「お兄さん。カノンは、毛皮の話はしない?って言ってるよ。どういう事?」
「ああ、レインの服の素材が【ライオネイラ】、つまり、カノンの種族の毛皮が素材なんだよ。それで怒っているんだと思う」
「お兄さん。それはいくらなんでもひどいよ。カノンも怒るよ」
「それもそうだよな。ごめん、カノン。俺が悪かったよ。そもそも、仲間なんだからそんなことしないって」
「がうがう」
「うむ、よろしい」とでも言っているかのように頷いて、楓を叩くことをやめたカノン。
そんな様子を見て、ティオがクスッと笑った。
話についていけない受付嬢は、どうしたらいいのか分からずにオロオロとしていた。
「ああ、すいません。ちょっと話してしまって」
「い、いえ。大丈夫ですよ。それで、その子はどういったもの何ですか?」
「この子は俺たちの仲間なんですよ。特にこの子に懐いていて」
「僕のお友達なんです」
ティオが受付嬢に主張した。
ここで、カノンだけ置いていったらかわいそうだと思っているのだろう、と楓は思った。
「いえ、ちゃんと管理されている状態なら大丈夫ですよ。たまに、魔物がなつくことがありますから。そういった方は、ギルドに問題がない魔物でことを証明して、飼い魔物として登録すれば大丈夫ですよ」
「あ、ありがとうございます。カノン、登録しよ」
「がう!」
「私は、問題ないもんね」といった表情をして、楓の腕から飛び降りるカノン。
ティオの後ろを、トコトコついていって、受付に向かっていった。
「あとは、お二方ですね。あなた方は冒険者として登録してもらえれば問題ないです。私の後についてきてください」
楓とブラスは、冒険者として登録することにしたため、受付嬢の後についていった。
その時、他の冒険者の嫌な視線が、少しだけ気になった楓とブラスだった。
「さて、冒険者の登録について、いくつかご説明しますね」
「ええ、お願いします」
「では……」
受付嬢は、冒険者ギルドに登録するために必要なことを教えてくれた。
登録するために必要な事は、必要書類を書く事と、実力テストを受けることだった。
必要書類には、今までの経歴と職業を記入するだけだと、受付嬢は言った。
理由をしては、魔物を討伐できるだけの力があるのに、初級の冒険者から始めるのはもったいないという思想がある。
冒険者ギルドに登録する前に、冒険者とともに活動していた者たちは、それなりの経験を積んでいる場合がある。
そういった者たちの活躍の場を多くするための制度らしい。
要は、実力がある人が転職した際に、早く活躍できるようにするための制度みたいなものだと楓は思った。
そして、実力テスト。
書類上に嘘がある、もしくは後ろについていただけで戦闘をしたことがない者を上のランクに上げるわけにはいかない。
そんなことをしたら、すぐに死んでしまうからだ。
そのために、書類に記載されていることが本当であるか確かめる必要がある。
そのための実力テストらしい。
実力テストには、熟練の冒険者が試験管を行うため、誤魔化しは効かない。
これにより、的確なランク測定を行って、初めて冒険者になれる。
楓は、若干めんどくさいなと思ったが、ブラスはそうでもないらしい。
元聖騎士であるブラスは肉体派であり、体を動かすことが好きだた。
【ライトワーク】にいた時も、やることがないときは、素振りや薪割りをしていたぐらいだ。
しかし、楓は研究ばっかの人間だ。
体を動かすなら、頭を働かせてすごいものを作る。楓はそういう人間だった。
だからこそ、楓はめんどくさいと感じていた。
また、魔法という特殊な技術があるなら、もっと効率化できるだろうと、登録方法に異議を申し立てたいとも思うほどだった。
冒険者登録用の受付に到着したら、受付嬢から登録用の用紙を渡されたので、二人は黙々と書き始めた。
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