家族に愛されすぎて困ってます!
20話 朝のホームルーム
「〜♪〜♪」
「え、えーと......橘さんや」
「ん?なーに?」
「は、離れてもらえますか?」
 俺は今、現在進行形であーちゃんに抱きつかれている。
 当然、周りの目はナイフのように鋭く、鬼のような気迫を感じる。大半は男子。
「橘さ〜ん。朝のホームルーム始めるから、席着いてね〜」
「はーい」
 先生の注意でようやく離れ、自分の席に着く。
「よいしょ」
「え......」
 移動距離、僅か1メートル。あーちゃんの席は俺の後ろだった。
「後ろかよ!」
「後ろだよ(ニコッ)」
 俺の席の後ろは一列分くらいのスペースがあるから、そこに席を作るのは納得だけど、何でよりによって俺の後ろなの!?
「えへへ。後ろ姿の鷹君かっこいい〜」
「俺の後ろ姿にカッコ良さなんてどこにもないと思うけど......」
「えーそんなことないよ〜」
 俺とあーちゃんが会話しているところを亜紀斗は二ヤニヤしながら見ている。
「変態にしか見えないぞ」
「失敬な!俺は恋のキューピットだぞ!」
「お前なんか天使じゃねぇ!堕天使だ!」
「堕......天使」
「何ちょっとかっこいいとか思ってんだよ!」
「お二人さ〜ん。静かにしてね〜」
「「あ」」
 目の前には宇佐美先生がいた。
 どこか怒っている様子で、背中から黒いオーラがモヤモヤと出ている。
「「す、すいません」」
その後、俺と亜紀斗は背筋を地面と垂直にして、真面目に朝のホームルームをやったのであった。
ーホームルーム後
「はぁ〜。背筋を伸ばした状態で20分はきついぞ〜」
 やっとの事で朝のホームルームが終わり、机にぐで〜っとうつ伏せになる。
「だな。なんか今日は特にしょうもない雑談が長かったな」
 宇佐美先生の雑談はもの凄く長いのだ。
 しかも内容がしょうもない。
「家のフライパンが可愛いとか知らねぇよ」
「宇佐美先生は何でも可愛いって言うよな」
「もぉ〜鷹君ったら。女性の気持ちが分からないんだね〜」
「俺はエスパーじゃないし、人の気持ちなんて分かるもんじゃないぞ」
「そうかなぁ?」
「近衛。次、移動教室だよ」
 亜紀斗の隣にいる柔風が教えてくれた。
「あ!そうだった。早く準備しないと。ほら、亜紀斗行くぞ!」
「あー。あー」
「カオナシかお前は!行くぞ!」
「あー」
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コメント
ノベルバユーザー240181
フライパンが可愛いとかおもろ
西東 北南(さいとう ぼくなん)
面白かったです!頑張って下さい!