家族に愛されすぎて困ってます!

甘草 秋

18話 あの子は再度現れる


「うえ〜ん!春ちゃん酷いよ〜」
「嘘ついてごめんよ。警察には電話してないから」

 自室で覗きの事件があり、母親を警察に突き出すところだった。危ない危ない。最終的には演技ということになったが、いつ警察に出そうか悩んでいる。
 家の玄関で靴紐を結びながらそんなことを考えていた。

「じゃ、俺は学校行くから」
「うん。春ちゃん行ってらっしゃーい!」

 母さんに見送られ、俺は駅へ歩き出した。






 

(はぁ〜。今日も満員だなぁ)

 電車内が満員の中、俺ははじの方で携帯をいじる。別にメールが来ているわけでもない、ゲームをしているわけでもない。意味もなく開いているだけだ。深い訳はない。

(なんか......ほら、あるでしょ?......一人だと、意味もないのに開くとき。あるでしょ?............ある............でしょ?)


 10分間電車に揺られ、今度は学校までの道のりを歩く。10分程度だ。
 駅のホームから出ると、梅雨の時期にも関わらず太陽は快晴、雲ひとつない青空が俺たちの朝を迎える。
 同じ学校の生徒たちも周りに多くいる中、春鷹は孤独である。
 そんな時、後ろにいる先輩であろう3人の男子の会話が耳に入る。

「なぁなぁ、今日1年に美少女転校生が来るって噂だぜ」
「マジで!?ていうか早くね?1年だったら、まだ入学して三ヶ月ぐらいだろ?」
「はぁ......はぁ......小学生を拉致したい......」

(ん?なんか......最後のやつやばくないか?確実に将来刑務所行くやつだぞ)

(まぁでも、転校生か......入学して三ヶ月で転校は、なんか気の毒なひとだな......)




 10分後、学校に到着。

 学校の正門で亜紀斗に会った。

「よぉ!春鷹!今日も元気だなぁ!」
「お前が言うな」
「何だよ、テンション低いなぁ」
「お前が高いだけなんだよ」
「失恋でもしたのか?」
「失恋どころか恋もしてません!」
「ワハハ!そうかそうか!じゃあ、一緒に青春しようぜ!ウェーイ!」
「はいはーい......うぇーいうぇーい」

 亜紀斗は相変わらず朝から元気だ。
 イケメンでサッカー部でみんなからの人気も高い。多分、色んな女の子から告白されているだろう。十分な青春を送っている。

「あ、そういえば!今日うちのクラスに転校生が来るらしいぜ!」
「へぇー転校生か」

 さっき言ってた転校生、同じクラスなのか。確か、美少女とか言ってたな......。
 ......神様、ありがとうございます。

「早く行こうぜ!」
「お、おう!」




 教室に入り、柔風と大星も来た。

「は〜い、皆さ〜んおはようごさいま〜す。朝のホームルーム始めるから、席着いてね〜」

 出歩いていた生徒が一斉に自分の席に座る。

「突然だけど、今日は転校生を紹介しま〜す。どうぞ〜入って来て〜」

 教室の扉がゆっくりと開き、一人の女性が入って来る。
 
 夜空のような黒髪、真っ白な肌にすらっとした細い脚。でるとこは出て、引っ込むとのは引っ込んでいる。
 モデルと言われても納得がいく美少女。

 
俺の許嫁、橘 愛だった。




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