家族に愛されすぎて困ってます!

甘草 秋

2話 夕食の時間


 「今日も相変わらずだね、姉さん達は......」
「春ちゃん!ほらほら早く上がって!夕飯にするよ(ニコッ!)」
「う......うん」

 危ない危ない。一瞬親の笑顔に見惚れてたわ。
 どう見ても20代にしか見えない女性こそ、今年で40歳になる俺の母さんの近衛 千尋ちひろ。これが40歳とかおかしいよ......俺もう、人を信じられない。

「春くん!早く一緒にご飯食べよ!」
「春。私は大丈夫。さっきも言ったけど、春の妄想でお腹一杯だから」
「そうだね、瑠美姉。俺もお腹空いた。それと瑠奈姉、後で家族会議な」

 まったく......瑠美姉はいつも通り能天気で可愛いけど、瑠奈姉は少し変態すぎる。
 この二人は双子の姉。瑠美が姉で瑠奈が妹だ。
 瑠美姉はいつもホンワカしてて可愛らしい。それと......ちょっと胸の方にけしからんものがありますねー。うん......あれを見てはいけない。
 瑠奈姉は無口で大人しいんだけど......発言が下ネタの方向にいつもいく。胸は......ちょっと寂しいけど......大丈夫!女性の価値はそこじゃない!
 ちなみに二人とも大学1年生だ。

「うわぁーん。たーくんー」
「ちょ、ちょっと。里姉、頼むから泣き止んでくれ。俺は無事だから」

 まぁ......別に何かあった訳じゃないけど。
 ぐすっぐすっと泣いているのは、里美姉さん。家ではこんな感じだが学校では超真面目さん。成績優秀、スポーツ万能それに生徒会長まで務める高校3年生だ。おまけに顔やスタイルもモデル並だ。
 でも......家にいる里姉を見ると、なんか変な薬でも飲んでんじゃねぇ?って疑いたくなるレベルだ。うん......本当に。
 学校では、頼りになる先輩だ。

「春お兄ちゃん!私、今読んで欲しいのーー」
「せめてご飯とお風呂済ましてからにしてくれよ......」

 この可愛いらしい少女は、小学3年生で俺の妹の真子まこ
 いつも元気いっぱいで、勉強など教えてあげている。可愛いやつめ。




 とまぁ......こんな感じで嬉しい?事に俺は異性の家族に愛されすぎています。時々それが苦痛に感じる事があるけど、まぁ悪い気はしないな。家族愛ってやつか。



「いただきまーす」
「春くん、いただきまーす」
「たーくんいただきまーす」
「ちょ、ちょっと!?何やってんの!?」

 驚くのも無理はない。右腕に瑠美姉、左腕に里姉がいただきますと同時に抱きついてきたのだ。
 ちなみに食卓のテーブルは6人用で、俺の正面にいるのは母さんでその隣に瑠奈姉と真子がいる。
 
「これじゃあ食いにくいだろ」
「えーいいでしょう?私左利きだし」
「そうよ。私は右利きだから、丁度良いの」
「いや......そしたら俺が飯食えないだろ......」
「あ、そうだね!てへっ」

 か、可愛い............じゃなくて!

「と、とりあえず。離れてくれ」
「はーい」
「ブー」

 俺の夕食は......ちょっと窮屈だ。(良い意味で?)

 
 

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