異世界で最弱の職についた僕は、最強を目指しました。

蒼衣 青葉

1✤ムキムキのおっさんからの転生状。

(俺は、夢を見ている。きっとこれは夢だ。)
自分に言い聞かせるように、山田優汰ゆうたは前を向く。
目の前には、おっさんが俺に握手を求めている。なんの握手かって?  それは、異世界に転生するための握手だ。
この状況を説明するには、数時間前に遡る事になる。

俺は、常日頃から異世界に行きたいと嘆いていた。すると、自室の机の上に一通の手紙が置いてあった。(きっと妹が置いてくれたのだろう)
その手紙を開封するとそこには、『異世界を望む者よ。さぁ、この呪文を読み上げよ。【明日はいい日になりますように】』と。
「馬鹿か……こいつ。」
俺は、誰かの悪戯だと判断しその手紙を苛立ちを覚えながら破り捨てた。
するとどうだろう、毎日一通、僕の部屋には手紙が置いてある。妹には、手紙があっても捨てていいと言っておいた。この手紙がここにあるのはおかしいし。
最初の手紙から4通目を迎えたその日、僕は犯人を捕まえることを決心した。
俺は、妹が家を出ることを確認し、他に家の中に誰もいないか見回った後、自室に戻り木刀をかまえた。
正午を少しすぎた頃、急に階段が軋む音が響いた。ギシッギシッと、音とともに近づいてくる足音。俺は、木刀を振り上げる攻撃の体制をとる。ガチャ、部屋の扉が開けられた瞬間、構えていた木刀を振りかぶった。
「おらぁぁあああ!!! 」全力で振りかぶった木刀を犯人は
「ふっ、甘いな」と
指一本で、止められてしまった。これが、おっさんとの初めての出逢いだ。
それから、少し言い合いをして話を聞いてほしいと言われたので断ると……号泣されたので、聞くことにした。ちょろいと思うだろうが、想像してみて欲しい、おっさんの号泣して縋ってくる姿を……。ゾッとした。
そして、おっさんを宥め、話を聞くことに。
おっさんは、自己紹介を始めた
「私の名前は、おっさん! この世界の神だ。」
とても、ツッコミたい。だが、耐えた。
「どうせ、見た目でおっさんとか決めたんだろぉ?? 」
バレてた……。速攻でバレました。
「まぁ、いいけど。で、異世界行くかい優汰くん」
「な、何で俺の名前を……」と質問すると、
「神だから!! 」とドヤ顔が返ってきた。取り敢えず、金的蹴っといた。

それから、色々と説明を聞いて、握手を求められた。どうやら握手をする事で異世界へ転生されるらしい。
「さぁ、私の手をとって。君の望む異世界への扉を。」
「本当に……行けるんだな。」喉をゴクリとならし神に問う。
「あぁ。」その力強い一言に、俺はおっさんの手を取った。そして、何故か俺は目を閉じた。

✤✤✤✤✤

再び目を開けようとした時、一瞬風を感じた。
「こ、ここが……異世界。」
そこが異世界と認識せざるおえなかった。さっきまでは部屋にいたはずの俺は、今は、草原の真ん中にいた。それだけではない。目の前には大きな黒い影の魔物が、俺を見て涎を垂らしていた。
現在俺は、手ぶらに軽装、魔物にとっては最高の餌。
「うあぁぁぁぁああああああああああ!?!?」俺は今までにないほどの全速力で逃げた。

こうして、俺の異世界ライフは最悪な状況でスタートしたのであった。

「あの糞神ぃぃぃいいいい!!!!!」







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