クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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273話 機械人形

ダンジョンに入ってから三時間経った。
その間ゴーレム、獣型人形、木製人形等沢山の魔物にあったが、まだ肝心の機械人形には出会ってない。
回りの様子は相も変わらず近未来的でメタリックな感じだが、出てくる魔物は野暮ったい見た目のゴーレムや、球体関節人形ばかりで近未来的でない。
あの写真に載ってた可愛いロボットメイドちゃんに逢いたいもんだ。
ここの魔物は顔は人間をある程度模倣したような形だけど表情もないし怖いよ。

「よっ!」

ゴーレムを思いっきり蹴り上げる。
いくら耐久型のゴーレムでも、筋力値一万以上の僕の攻撃を受けたなら粉々だ。

「些か順調過ぎますね。いくら私でもここまで冒険者Bランク級以上必須のダンジョン何て初めて入りますが、普通はもっと危険な探索になるはずなのですが。」

「まあ、とはいえまだ表層だからな…………。ここからもう少し難度は上がってくるだろうが………。」

倒したゴーレムの核を拾い[アイテムボックス]に入れる。
ゴーレムや球体関節人形は体の中に核があり、これが急所らしい。
そして、この核は膨大なエネルギーを保有していて様々ことに活用できるそうだが、その核こそが一番の弱点な為、相当の強さがないと無傷の核は手に入らないらしい。
…………[アイテムボックス]の中に数十個はあるなぁ……。
ラズリとかは好んで食べそうだし、あとであげよう。

………カタッ

突如後ろからした異音に僕とエミリアさんが振り向く。
そこにいたのは……人?………………いや、違う人形だ。
その人形は体の四肢や顔に機械を思わせるような関節や繋ぎ目があるものの顔の構造は完璧に人間のそれ…………。
そして、こちらをしっかり眼でで見据え、まばたきをした。
写真で見たよりも何倍も人に近いその動きを予想していなかったエミリアさんは少し動揺しているように見える。

「侵入者?………………………………敵勢力2……武器……杖……魔法使イト判断…モウ1………武器不所持……………………………判断不能……暫定的ニ魔法使イト判断…。………対魔法使イ用プログラム起動………。」

まさか話すのか!
って!どう考えてもそんな場合じゃない。
どう見ても敵対する相手の発言じゃないか!
敵の機械人形は箒しか持ってない用に見えるが………。

……ジャキッ!

なにっ!?
箒の先が外れ中から穂先が出てきた。
メイドロボット娘が箒に隠し槍なんてカッコいすぎる。なんて判ってる魔物なんだ!
僕の中二心がざわついているがそれどころではない。
動揺しているエミリアさんに向かって機械人形が攻撃する。

「………マズ1」

「危っ!!」

エミリアさんに向かって伸びていく箒槍の持ち手を蹴り飛ばす。
箒槍は機械人形の手を離れ10mほど先の壁に突き刺さる。

「………蹴リ………格闘………?………………近接攻撃ノ相手ト推察。………私ノ槍……飛バス…………強イ?…………」

「大丈夫ですかエミリアさん?」

「え…………、えぇ。少し驚いてしまいました。ありがとうございます。」

機械人形は遠くに飛んでった箒槍を拾いに行ってる。
うむ。
可愛くてかっこいいメイド人形を壊すのは嫌だがまあ、仕方ない。
遠くに居る機械人形のところまで一瞬で間合いを詰める。

「………ッ!……………」

感情の読めない機械人形の目に驚きの表情が宿った様に見えた。

「機械ってのは……水に弱いもんなんだよ![水撃]………[波撃]!」

機械人形は箒槍でガードするが、僕の拳は箒槍をへし折り相手の胴体に突き刺さる。
[波撃]で壊れた機械人形の中に[水撃]により拳に纏っていた水が侵入していく。

「一撃デ槍ガ………推定強サ…レベル100オーバー?……測定不…能………………想……テイ……ガ……イ…………。」

機械人形はそのまま動かなくなった。

「この魔物は一体…………?」

「………分からない…………でも言葉の節々から一定の知能を感じた。少なくともただの魔物じゃないの………か?」

「………えぇ。………………?言葉の節々………?美月さんはあの魔物言葉が分かるんですか?」

「何を言ってるんですか?」

「だから……あの魔物言葉が美月さんには分かるんですか?と聞いたんですが?」

なに?

「エミリアさんには分からないんですか?」

「えぇ。私にはさっぱり。高音でいて、どこか低い様な音を一定の法則で発しているようには感じてました。もしかしたら言語を話しているのかな?と推察してましたが、まさか本当に言語だとは。」

………今僕らがエミリアさんやリリアさんのようなこの世界の言語を話す人間と会話できるのはエミリアさんの持つ[異世界言語翻訳スキル付与]により、[異世界言語翻訳]のスキルを得ているから。
つまり、エミリアに聞こえないと言うことは…………。

「つまり、異世界………地球の言葉…いや、日本語か?…………いやでも日本語じゃなくてもエミリアさんの知らないこの世界の別言語と言う可能性もあるのか?」

「いや、ないですよ。[異世界言語翻訳スキル付与]の効果はスキル保持者の使える言語のみを翻訳する効果しかありません。あくまでも美月さん達異世界の方々がこの世界の言語で分かるものは人類語……これのみです。古代エルフ語や古代魔族語……旧人類語の類いは分からないはずです。」

「………つまりは、この機械人形が話している言語は………日本語。」


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