クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

272話 突入

その後受付嬢さんにはお別れを告げ、冒険者ギルドを出る。

「あの人達にも苦労があるんですね。」

「みたいですね………。元は真面目な人っぽかったですし、僕らの力で何とかしてあげたいですけど………。」

「この辺のことはリリアが一番知ってるんじゃないですか?今日のよるに相談してみませんか?」

そうだなぁ。
リリアはここの冒険者ギルドに所属していたから、いろいろ制度とか詳しそうだ。

「それでダンジョンの方は行くんですか?先程は何か気にしてたようですけど?」

「あ、あぁ。」

エミリアさんは僕らを異世界から呼んだ張本人だし、色んな歴史とかにも詳しいから相談するべきか。

「先ほどの人型の魔物が持っていた銃なんですけど………。僕らの居た世界の武器なんですよね。」

「異世界のですか?」

「はい。勿論この世界で誰かが同じものを発明した可能性もありますが…、あそこまで形状も構造も似たようなものが別の世界で開発されるものなのかな?って思いまして。そもそもあの銃って機械はかなりの文明機器で今のこの世界の技術で作るのは難しい気もするんですよ。おまけにケヘランダンジョンだけで産出することといい違和感が残ります。」

「そういえば、以前から美月さんは異世界はこの世界に比べて魔法が無い分、科学技術に優れているって言ってましたよね?因みに異世界の兵器の威力ってどのくらいですか?」

難しい質問だなぁ。

「威力かぁ………一概にはいえないなぁ。威力は大したことなくても効率性を優先したものがあったりするし…………たんに最高火力と言う意味では核爆弾だと思う………専門家じゃないし詳しくは知らないけど、この帝都は一発で消滅するくらいの威力だと思うよ。」

「それは………恐ろしい威力ですね………。その爆弾がそのダンジョンにありそうなんですか?」

「どうだろう?核爆弾は銃なんかとは更に比較になら無いほどの技術と金を掛けて作るものだろうしな。あのダンジョンが地球の技術を応用して作られたものだとしても、そう簡単には作れないと思うけど。」

「まあ、そんなものがあるなら今頃ケヘランダンジョンは閉鎖されているのでは?楽観視は良くないですが過度に悩んでむだに心労を溜めるのも良くないですよ。」

確かにそうか。
無駄に考えすぎるのが僕の悪い癖かもしれない。

そのまま街を出でくだんのダンジョンにたどり着く。
そこは大樹海と帝国の間にある山脈の裾にある洞窟だった。

「とてもじゃないが機械人形が出てくるようなダンジョンには見えないけどな。…………正確にはダンジョンじゃないみたいだけど。」

ランタンに火を着けてダンジョンに入り、奥へ進む。

「これって………。」

すると現れたのはいかにもな入口、金属製の門になっており、メタリックな光沢がある。
そして、門の目の前まで行くと自動で扉が空いた。

「うわ!………これ、一体どういう仕組み…………。」

センサーによる自動ドアか?

「行きましょうか。」

そのままメタリックな道を歩いていく。
灯りに関しては天井に埋め込まれた電球があるようで、ランタンは火を消して仕舞った。

「おっ、来ましたね。」

ゴーレムかな?
レベルは………36。ステータスはボチボチかな?
HPは3000越えで、耐久値・魔耐値・筋力値は1000以上、でも魔力値と敏捷値が500程度で低すぎる。
Cランク級クラスの強さはあるだろう…か。
確かに複数相手するならただのBランクじゃ厳しいかもな。

「さて、取り敢えずは私たちのコンビネーションってやつの確認でもしますか?」

「そう行きますか…ねっ!」

取り敢えずはゴーレムの目の前に飛び出す。
普通ならこのまま相手の懐に入って、一発っ!って感じだが、今回はコンビネーションの確認か…………。

クゴォォォ!!

目の前のゴーレムは僕の事を敵対し、全力で殴り付けて来る。
取り敢えず、攻撃を受け流して逸らす。
ゴーレムの腕は地面に刺さる。
まあ、その隙を逃すのは流石に遊びすぎかな?

「よっと!」

その流れのままに相手の顔に一発蹴りを入れる。
ゴーレムの顔にヒビがはいった。
そして予想外の攻撃にゴーレムは硬直する。

「[ショートポータル]」

おっ!
また油による焼却か?
でも、ゴーレム相手に火はなぁ。
ゴーレムの体を構成している材料はどうも土や岩っぽい。

「今度はこれで……行きます~よっ!!」

エミリアさんは[アイテムボックス]から唐突に何やら光沢のある大きな塊をとりだして、目の前にある[ショートポータル]に落とすように入れる。
そしてそのポータルの出口はゴーレムの真上だ。
その瞬間、ゴーレムの体を構成している岩が砕け散る。

「どうですか!フレウラさんの工場の隅に棄ててあったのでいただいてきました。私の筋力値でギリギリ持てるくらい…………おそらく2~5トン位の重さはある塊をあの高さから落とせばそれなりの威力になるはずです。」

「とはいえあの高さから落とすとなると、余程の隙が無い限りは躱されるんじゃないですか?かといって頭上からの高さを近付け過ぎると威力も落ちますしね。」

「………………だからこそのコンビネーションじゃないですか……?…………フォローしてくださいよ。」

「いや~実戦で使うって意味で考えるなら、僕のパンチの方が威力も高いですし、あの塊を当てる隙があるなら僕のパンチどころかスキルを発動させた蹴りを入れる余裕すらありますよ?」

「つまり、実戦では使い道がないと?」 

「少なくとも僕とコンビ組んでやるなら………使い道がないです。まあ、エミリアさんのソロ戦でも遅い相手になら使えるでしょうが………。」

「…………厳しくないですか?優しくしてください。私は傷付きました。」

「エミリアさんの事を想ってるから正直に言ったんです。」

「はぁ、また別の[ショートポータル]の活用法を探しますか。あとっ!………一応この塊も持っときましょう。何時かは使えるかもしれませんし。」

まあ、動かない敵相手なら使えるかもね。

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