クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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260話 装飾

書斎を出て、さっき言っていた装飾職人を探す。

「ああ、あの方が装飾職人の方ですよ。あの方もうちの取引先の一人ですので。」

サバウさんが教えてくれる。
そこにいたのは比較的に若くて優しそうな男性だ。

「おっ!君たちはさっきの………ナイスファイトだったよ。久しぶりに胸が踊ったね。」

「それでお願いがあるんですが………………。」

「あぁ、アクセサリーの件だろ?フレウラ師匠に頼んでたみたいだけど、あの人の専門外だから僕に仕事を任せてくると思ってたよ。」

「引き受けてくれますか?」

「あぁ、あれほどの素材を使って良いなら良い勉強になる。是非ともやらせてくれ。実は素材の目星もある程度考えてるんだ。」

話がトントン拍子で進むからやり易い。

「確か戦闘補助が1つと、守護や結界とかが2つだったかな?それぞれ使うのは君達かい?」

「いや、僕たちではなく知り合いに贈る予定です。戦闘補助は冒険者Bランククラスの強さのスピード型物理系の爪使いの女性用、その他の二つは戦闘能力を持たない女の子用です。危ない目に合う可能性があるからせめて魔法効果のあるアクセサリーを贈りたいと思って…………。予算は問わないし、素材はどれを使っても良い。」

「うんうん。なるほど大切な人用か。作りがいがあるよ。スピード型か………デスラビットの爪やアサシンカマキリの鎌を加工して作るのが良いかもしれないね。効果は敏捷値強化・消音・消臭・魔力遮断ってところかな?これだけの素材だし、4つの効果を実用レベルで併用できると思うよ。」

うんうん。
スィヨンさんは大樹海で戦うことになるんだろうし隠れることに特化した能力は使えると思う。
いざ逃げるときにも活用できる能力だな。

「で、逆に考えものなのが守護用のアクセサリーなんだけど、野生の魔物で結界なんかの効能を持つ魔物は少ないんだよね………。だから君達の持ってきた魔物素材の中にも中々活かせそうな素材はない。」

そういえば確かに結界とか魔法とかをメインで使ってきた魔物なんて居なかった気がする。
[アイテムボックス]に残ってた他の素材もさっきのフレウラさんの書斎に置いてきたんが………あの中にも活用出来そうなものはなさそうだ。

「そんな中使えそうな物を1つ見つけたよ。エンシェントフェアリーバタフライの翅の鱗粉を使おうと思う。この魔物の特徴は幻惑による自身の位置を錯覚させること。こいつの幻惑効果をうまく活用して、他の消音・消臭等の効果も併用すれば並の敵からは存在を探知することさえ出来なくなるだろう。だが、エンシェントフェアリーバタフライの素材が足りない。無理矢理2つ造ることも出来るだろうが………君達はそんな中途半端な物は欲しくないだろう?」

まあ、折角造るのに中途半端ってものな。

「そこでだ。…どうだろう?フェニックスの尾を入手してきてほしいんだ。」

「フェニックスの尾………たしか不死と再生の象徴で、その尾に魔力を流せばどんな大怪我も治癒できるとか?フェニックス自体は火山地帯で稀に存在を確認すると聞きますね。魔物ランクSSですが、強さ以上に稀少さとその絶大な効果によって素材は滅多に手に入らないとか。」

いつもリリアの解説は分かりやすいな。

「まあ、その通りなんだけど、実は今回の武道会対人の部の優勝商品が実はそのフェニックスの尾なんだよね。フレウラ師匠の武器製作もかなり時間がかかるんだろう?あれだけの実力があるんだ。時間もあるし、挑戦してみてはどうだろう?無論無理とは言わないけど。」

「すいませんちょっと相談しても良いですか?」

再び会議。
今回はもし聴かれてもまあ、一応セーフだから口頭で話し合う。

「どうする?」

「まあ…………時間もあるし、誰か出るもの吝かじゃないのでは?私は魔法職ですし、実力的にも勝てそうにないですけど。」

「それですが……私に任せてもらえませんか?アゼリアの件もありますし、対人戦は私が一番経験がありますから。それとついでに相談なんですが、それぞれ修行といきませんか?」

修行か………そういえば異世界転移物で修行回ってあんまりないけど。

「どうして急に?」

「以前の人拐いのリーダーと戦ったときも戦闘能力のゴリ押しで倒してましたよね?私はガイドミル王国に戻る予定ですし、対人戦にも慣れておく必要があると思います。それに私は大剣、ニキスも短剣の使い方は独学ですし、ニキスも短剣の戦い方を勉強するためにそれぞれ別れて行動するというのはどうでしょう?」

「なるほど………リリアの武道会までの間、それぞれ師匠を探して学ぼうと言うことですか。」

「いえ、美月様には私が居るじゃないですか。それにエミリアの師匠を探すのもこの武の国フエデリアでは無理でしょう。せめて西大陸の魔法国位まで行かないと。」

そうだ。確かに僕には師匠であるリリアが居る今さら他の師匠はいらない。
だけど…………。

「じゃあ僕らは何するの………?」

「………………………………………この街の近くに人型の魔物が出るダンジョンがあります。…………対人戦の練習にもなりますし、攻略がてらそこで訓練をするのはいかがでしょう?」

無言が長かったな。
まあ、その辺はおいおい考えていきますか。

「取り敢えず了解しました。対人の部にはリリアに出てもらいます。」

「おお!それは良かった。あとついでに、さっき居たスライム以外にも魔物を飼ってるなら魔物の部にも出てほしいな。魔物の部の優勝~3位までの商品は魔物へのアクセサリー用の日緋色金ヒヒロカネが賞品なんだ。是非ともあれも欲しいね。あれがあったらもっと良いものを作れそうだ。日緋色金なんて希少鉱石はそうそう市場には流れてこない。かといって他の金属では、相性も微妙だし、魔法伝導率も微妙だからね。まあ、無理にとは言わないけど。」

あぁ………………分かった。
この人……優しさの皮を被った只のドSだわ。
まあ、ニキスとラズリいざともなれば、ローズも召喚すれば滅多なことがない限り負けるとは思えないしな。
あとは、一応顔バレしないようになにか対策をとらないとな。
目立ち過ぎは流石にリスクを伴う。

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コメント

  • ノベルバユーザー366207

    あれ?主人公が1番最弱じゃん空気すぎて今やっときずいたわwww

    0
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