クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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244話 酒盛り

「美月さん………気にしないで下さい。元々私達には無かった筈の選択肢を作ってくれたこと、美月さんにとってはたった三週間だけ面倒をみた子供である私達の事をこんなにも考えてくれること。本当に嬉しいんです。」

くそっ!
子供であるソミアちゃんを守る側である筈の僕が、ソミアちゃんに励まされるなんて………ほんとなら僕がソミアちゃんを安心させなければならないのに。

「私は戻ります。お姉ちゃんも皆も心配なので。ここで見て学んだこと、きっと私達の集落でも役に立つと思います。私は皆を支えたいんです。」

「そうか………。」

本人にこう言われてしまえば、僕はどうすることも出来ない。
僕はただ二人の、いやスィヨンさんも含めた三人の無事を祈ることしか出来ない。
…………三人が帰る明日までに他に出きることはないか考えてみよう。

「美月殿…………ソミアも言ったが本当に私も感謝しているのだ。こんなにも私達の事を考えてくれていること。お陰で信用する相手として、人間であるか獣人であるかは関係ない。その人の本質が善であれば人間であれ、獣人であれ変わらない。その事を心のそこから理解することが出来た。」

「………そう言ってくれると自己嫌悪が少なくてすみそうで有り難いよ…。」




皆での集まりも終わり、皆で別れる。

コンコン

自分の部屋で一人でいるとノックが聞こえた。
外を確認するとリリアがいた。

「美月様………入って良いですか?」

「………う、うん。」

「取り敢えずお茶淹れますね。」

無言な部屋の中では、リリアの仕事音がやけに大きく聞こえる。

トン………トントン………………

またノックか?
まあ、今の状況でリリアと二人っきりはなんとなく落ち着かなかったしいっか。

「こんばんわ美月さん。」

「エミリアさん?………取り敢えずなかにどうぞ。」

来たのはエミリアさん。
意外だったな。
てっきりニキスとラズリかヒスイが遊びにでも来たのかと思ってたが…………。
中に連れ入るとお茶の準備をしていたリリアさんと視線が合う。

「あっ…リリア…?……そうか……………それは…たしかにそうよね。ごめんなさい。まさか居るなんて考えて無かったから………。」

「はぁ~。………余計な気を使わなくて良いですよ。エミリアも今日の件で美月様に話があってきたんでしょう?別に気にしてませんよ。………まあ、折角私一人で美月様を支えるチャンスではありましたが、本当に美月様の事を考えるなら人数は多いに越したことはないですからね!」

「………そんなこと言って今も機嫌悪そうじゃないですか?」

「………理屈と気持ちは必ずしも一緒では無いということです。」

…………恥ずかしい。
おもいっきし二人が僕を慰めに来たんだって分かる発言………。
おまけに僕の前でそれを堂々と話された………………。

「まあ、こう言った話をただただ話すというのは、つまらないですよ。…………持ってきました♪」

そう言ってエミリアさんが取り出したのはコルク栓で閉められた瓶容器。
中身は恐らく……酒か。

「なるほど、最近飲んでませんでしたね。」

「まあ、うちのパーティーは子供率高いからな。」

ニキスは子供だし、ラズリはアルコール処か毒物ですら分解するので酒は水と一緒だし、ヒスイは一回飲ましたが三分で寝た。

「リリア。グラスお願い。」

「「「乾杯」」」




「顔真っ赤ですよ?美月さん。」

「エミリアさぁん、………強すぎですね………。」

酒を飲み始めて一時間、エミリアさんが持ってきたお酒は女性も飲みやすいような甘い果実酒で口当たりも良く飲みやすい。
この一時間でボトル一本は飲んだだろうか。
僕は初めてこんな量飲んだので、酔うという感覚すら初めてだけど異様に陽気な気分になる。
対してエミリアさんは僕の2倍近く飲んでいるのに少し頬を朱くする程度で言動は全く変化がない。

「まあ、貴族というものはある程度の年齢からお酒を嗜み体を鍛えているのですよ。貴族の夜会と言えばお酒ですからね。…………ふふ、とはいえ貴族でもこの歳の女性でここまで飲めるのは私ぐらいのものです。何せ貴族子女と言えば夜会というよりはお茶会ですからね。ここまで私が飲めるのは元王女としての教育の賜物です。」

「………なるほど…。」

とはいえエミリアさん、貴女もお酒のせいか、何時もより饒舌ですよね?

「美月さんも呑み慣れてないにしてはそれなりに強いんじゃないですか?………まあ、あちらを見てる酒に強いという言葉の意味が分からなくなりますよ。」

エミリアさんの視線が僕の横に注がれる。
うん…………その気持ち分かるよ。

「あぁ………ふぐ?あっ!美月さま?」

視線の先には酔いまくっているリリア。
リリアの前には酒瓶が十数本、酒樽が一つ。
普通はリアルの世界で酒樽飲む人とかいないとおもうんだけどなぁ。
酒瓶一本の段階で既に呂律は廻ってなかったけど、そのあとここまで飲んでも飲み潰れていないのは逆に大酒豪なのかも。

「美月しゃま!聞ひてまふか?美月様が落ち込む必要はありまへん!!…………美月様は責任を取れなひからと足踏みしてた私達尻目に、本当にソミアひゃん達の為の行動を取っはぁんですよ!!美月ひゃまはは私達に出来ないことをしたんでしゅ!結果、ソミアしゃんはそれを選らばなかったれふが、それは美月ひゃまが気にすることではないんれふよ?…………あぁ!みひゅき様……しゃいこうのご主人さまでふ。」

そして酔いながらもここまで僕を前肯定してくれている。
しかもこの発言は本日通算5回目だ。
何回も同じ発言を聞かされている。

「ふふ。愛されてますね。羨ましいですよ。」

「流石にここまでストレートに言われると照れるてしまいますけどね。」

「美月さん。私も今日ソミアちゃん達に提案したこと、本当に凄いと思ってますよ?自分達のせいでソミアちゃんが苦しむ可能性に怯えて私達は言えませんでした。勿論私達が責任取って面倒を見れないから美月さんの言うとおり他人任せだったかもしれません。でも他人任せでも本当に二人の為に行動したのは美月さんなんです。………それに最後の選択肢にしても、確かに結果ソミアちゃんは大樹海に帰ることになりました。そしてこの先ソミアちゃんがそれを選んだことを後悔することがあるかもしれません。それでも美月さんを恨んだりはしないと思いますよ?どの道人生なんてものは後悔ばかりのものなんです………。」

「まあ、そうなんだけどさぁ…………はぁー。」

そりゃそうだけども…………。

「それよりは近い未来の話をしましょうよ。例えばソミアちゃん達には魔法効果のあるアクセサリーを贈るとか!?ほら!私達が持ってる魔物素材はS~SSランクの物ばかりです。それだけあればかなりの効果の魔道具を作れる筈です。」

「そうだな……、もう今さら悩んでもどうにもなら無いし、そっちを考える方が建設的だな。」

確かに………数多く狩った魔物素材を最高の鍛治師に鍛えてもらうか?
となるとこの街の人間では少し力が足りないかも。

「うーん?エミリア!なんで私を放置ひて美月様とはなひてるの!」

あぁ…。
たまには酒も良いもんだな。

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