クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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242話 別れ

「そろそろ時間だ。帰ろう。」

「あ!美月さぁ~ん!」

遊びに出ていた猫人ちびっこ二人組を迎えにいくとチャロちゃんが飛び付いてきた。

ソミアちゃん達を助けてから2週間が経った。
二人とも人間である僕らにも随分懐いてくれて楽しい日々を送っている。
ことの顛末はローズ経由で大樹海の猫獣人族達には伝えている。
本当なら二人は直ぐに大樹海に帰った方がいいのかもしれないが、このままでは人間へのトラウマに怯えて生きなければならないかもしれない。
だからこそ、あえてガレンディアに残ってもらい、冒険者ギルドや近くの公園、商店街等に連れ回し、様々な人にあってもらった。
お陰で当初あった人間への忌諱感はなくなったように感じる。
それでも初対面のガタイの良い男には緊張してしまうようだが、それは子供として普通なことだしな………。
昨日のうちにスィヨンさんとも話したが、そろそろ頃合いだな。

「美月さん…。そろそろ………お別れなんですか?」

ガレンディアに帰るまでの旅も含めると三週間近くこの二人ともに過ごしてきたが、チャロちゃんは普通の年相応な子供なのに対して、ソミアちゃんは子供とは思えないほど成熟した考えをしている。
僕が二人を色んな所に連れ回した理由もなんとなく感じ取っているようですらあった。
今も僕の表情から別れが近いことを感じたんだろう。

「ええ!!美月さんともうお別れなの!?」

チャロちゃんが寂しそうにこっちを上目遣いで見てくる。

「なぁに、また会える。それにそろそろ樹海の仲間達とも再会したいだろう?」

「そう………ですね。」

「みんな元気かなぁ~?」

「さぁ。ご飯の時間だ。戻ろう。」

「やったー!ご飯大好き。」

「人間の方々の料理はとっても美味しいですからね。………出来れば私達の村でも………。」

「まあ、それは二人の努力次第じゃないか?それに今はこのガレンディアから大樹海に食料を輸出してるし、食料も手に入りやすいだろうしね。」

「そうですね♪」

話しているうちに鬼灯亭にたどり着いた。

「ご飯!」

チャロちゃんが食堂の方に駆け込んでいった。
すると女将さんの娘のエリカさんが出てきた。

「はぁ~。美月さんは本当にモテモテですね。沢山の美少女・美人に加えて猫耳美幼女を二人も。…………しかも~そんなにベッタリ。」

「わ、私はそういうのでは!!」

「勘弁してください。僕を犯罪者に仕立てあげないでくださいよ。」

「どうだか?ニキスちゃんも結構年下ですしねぇ。実はみなさんとはもうズブズブの関係なんじゃないですかぁ~?………………ってもしかして次は私狙い!?」

この人はどうしてこんなにも話をあっち側に持っていこうとするんだろう?
思春期かな?



「「「「ご馳走さま。」」」」

みんなでの夕食が終わった。
因みに異世界転生・召喚物でよくある「いただきます。」「ご馳走さま。」が異世界では無い。………みたいなことは全くなく、普通に食前・食後の挨拶はあった。
異世界召喚による言語翻訳のお陰で僕には「ご馳走さま」と聞こえるが、恐らくはこの世界なりの食への感謝の言葉なんだろう。

「美月殿………。」

名前を呼ばれて振り向くとそこには真剣な顔をしたスィヨンがいた。

「二人ともさっき話し合ったのだが、やっぱり明日にはここを出て戻ろうかと思う。」

「「お世話になりました。」」

「あ、あ。それは寂しくなるな。」

「そうですね。せっかく仲良くれたのにさみしいですね。」

皆がそれぞれ別れの挨拶をする。
そんな中、僕はつい言ってしまう。

「………………本当に戻らないといけないのか?」

全員がビックリした様子でこっちを見てくる。
言葉にしたつもりは無かったので自分でもビックリした。

「あっ!……………そういうつもりじゃ無かったんだけど…………いや、この際言うことにするよ。チャロちゃんとソミアちゃんをこの街に置いていった方が良いんじゃないか?」

ここ数日思っていたことだ。
僕は仲間や友達には死んでほしくない。
この二人は子供で戦闘もまともに出来ないし、一族の労働力としても期待はしてない筈、単純な負担になる上に、セレン聖教国との戦争による危険もある。
家族と一緒に生活することは出来ないが、ここで平和に生活してほしい。
出来ればスィヨンさんもここで平和に暮らしてほしいが、戦闘の腕前も確かなスィヨンさんが戦闘に参加しない訳にはいかないんだろうし。


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