クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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241話 成果と結果

空から降りスィヨンさんに言う。

「すいません。スィヨンさんが倒したかったのかもしれませんが、逃がすわけにもいかなかったので僕がやりました。」

「いや……構わない。思うところがないではないが、妹が一番大事だ。………そう言えば…ソミアは!?」

スィヨンさんは周囲を見渡す。
そして、スィヨンさんはエミリアさんの方を見るとその腕の中に抱かれている少女と目線があった。

「お姉ちゃん………。」

「ソミア!」

二人が駆け出して抱き締めあう。

「ごめんなさいお姉ちゃん。私達が集落から離れてたから………。」

「ソミアは悪くない!無事で良かった。私達の集落に戻ろう。」

「うん。」

「そう言えばチャロは何処だ?あの子もつかまったんだろ?」

「チャロちゃん!?そう言えばチャロちゃんは?」

「ソミアちゃん!?生きてる!!?良かっだぁよぉ~~。」

「チャロか!無事そうで良かった」

「スィヨン姉?……………うそ……うぁわぁぁ~~ん。お家に帰れるよぉぉ~~。ごあがっだぁよぉ~。」

「チャロちゃん………うぁぁわぁ~ん!!がえれるねぇぇ。よがっだおぉぉ~。」

小学生位のちっさい子だ。
そんな子がたった二人で怖い人拐いに捕まってたんだ。
おまけにこの人拐い達は拐ってきたことを誤魔化すために何人もの人を殺している筈、想像もつかないほど怖かった筈だ。

「僕らは皆さんを運ぶための馬車を借りてきます。スィヨンさんは二人に付いててあげてください。」

「ま、待ってください!私達も着いていきます。」

声を掛けてきたのは二人の男女だ。
ということはここから一番近い村で拐われた二人か。
良かった。
男の方が殺される前に救えたらしい。

「そうだね。二人が居たら村の人たちにも説明がしやすそうだ。」

開拓村に僕らだけで行っても信用してもらえなそうだしな。
ここに来る前に情報収集で行った時も不信感持たれて、ほとんど情報を得られなかったし。

開拓村に二人を連れて戻ると最初はいぶかしんでいた村民や村長も僕らの事を信用し対応してくれている。
お姉ちゃんを助けてくれと言っていた少年もお姉さんと再開できて涙ぐみながら感謝の言葉を言っていた。
馬車をかり、捕まってた女性達を連れ戻ると村人達も事態の深刻さに気付いたらしく、初めて村に来たときとはうって変わった態度になった。
現金なものだとも思うが、全くの余所者の事をいきなり両手ばなしで信用できるわけもない………これも仕方ないのかなと思う。
その後はささやかながら村の人間達による宴が行われた。
捕まって居た女性達は、人拐いから解放された安堵からか泣きながら食事をしている。
チャロちゃんとソミアちゃんはまだ獣人以外の男性に慣れてないのかスィヨンさんやその他の捕まっていた女性達の側を離れない。だが、二人も元気そうだ。

そんな中視線の焦点もあってなくご飯も食べてない女性が一人。
捕まってた女性達に聞いたところ、一度脱走してから人拐い達に捕まって何らかの罰を受けさせられたらしい。
そして、その結果腕もなくしてそれ以降ずっとあんな様子なようだ。
恐らく人拐い達は見せしめのつもりでやったんだろう。
その女性を見ていると自分までおかしくなってしまいそうだ。
それとともに、そんな風にさせた人拐い達を許せない気持ちになる。
この女性を何とかしてあげたいが、僕にはどうすることも出来ない。

「安心しろ。とまでは言えないがこの娘のことは任せてくれ。私の知り合いに修道院をやっている者がそこで心を落ち付けれるようにお願いするつもりだ。自然にも囲まれていて、近くには孤児院もあって人付き合いのリハビリにもなるだろう。」

フイルミナさんの仲間が世話をしてくれるらしい。

「そうですか………。」

「他の者達も村に帰ってから辛い思い出を思い返すという者も居るだろう。もしそれに耐えられないと思えば私達に相談しろ。何処か別の地で生活できるように取り計ろう。孤児院の保母とかはオススメだ。」

今、助けられた女性達も元気そうに感謝の言葉を告げてくるが、多分ただの空元気なんだろう。どうしても笑顔の裏に陰が見える。
ここにいる多くの人達は、人拐いにあったことは一生忘れられず、トラウマになるんだろう。
だけど、ここにいる全ての女性が元の生活とは言わないまでも、人並みの生活をおくれるようになってくれたら嬉しいな。
その為に出来ることなら手伝ってあげたい。
幾らステータスが強くてもこの世の全てを救えるわけじゃないと思ったらやるせない気持ちになった。

その後、助け出した女性達を各開拓村に送り返しながらガレンディアまで戻ってきた。
しかし、まだ馬車の中にはソミアちゃんとチャロちゃんを除き、三人の女性が残っている。
各村に人拐いから女性達を解放したと送り返していっていった。
基本的にはどの村でも歓迎されたが村の人間が女性達を見る目は腫れ物を見るような目だった。
話を聞いた限りでは性奴隷の様な行為を強制されてはいないらしい。
しかし、どうしても村の人間達からしてみれば、人拐い達に拐われた今までより男を警戒している女性達に違和感を覚えるのだろう。
そのわずかな変化を女性達も感じているんだろう。村人達との間にぎこちなさを感じた。
時間が立てばお互いに理解し合い元のように仲良く出来るのかもしれない、逆にそのまま理解し合うことが出来ず、元のように生活出来ないかもしれない。
だが、これ以上彼女らの面倒を見ることも出来ない。
だから別れる際には必ず辛くなったら村を出てガレンディアのフイルミナさんを訪ねてと言った。
すると、その言葉を聞き、そのまま村を出て僕らと共にガレンディアに向かっている女性が二人出てきた。

そして、片腕をなくし、一言も発さずに呆然とした表情でいる女性、名前はヤルマさんというらしいのだが、この旅で一番やるせなかったのはヤルマさんを村に送ったときだ。
一人で自活も出来ないヤルマさんの身柄は、はなからフイルミナさんが預かるつもりで、そのお願いとして村に寄ったのだが、ヤルマさんを連れていった時の村の反応はキツかった。
始めは意味も分からず混乱、次は死んだと思っていた村一番の女性が帰ってきたことによる歓喜、そしてそのヤルマさんが一人生きていけないと知ってからの困惑。
村の仲間、助けてあげたいが、話すことも動くこともない、精神が死んだような女を養いたくない。
村人の誰もの顔にその思いが現れていた。
仕方無いことというのは分かる。誰もが楽に生きたい、重荷にしかならないヤルマさんを救うのは大変だ。
でも!だからこそ、「村のみんなで支えるからヤルマは任せてくれ!」と言ってほしかった。というか、ヤルマさんに言ってあげてほしかった。
数多くの事を知り、ステータスが高くても救えないものがあるのを知った。
ただ、ガレンディアまでの旅で僕にある程度懐いてくれたチャロちゃんとソミアちゃんを見ていると、それでも確かに意味はあったんだなぁと思えて心が安らいだ。

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