クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!
239話 対峙
相手はもう一人。
相手は強かったからこそ、もう逃げ道はないのを理解しているだろう。
「………諦めるしかねぇのか…。」
男は大仰しい態度で天を仰ぐ。
「まあ、諦めるわけねぇけどな。」
男は顔をしたに向けると、ギラッとした表情でそう言った。
「動かないで![シャドウロック]!」
ニキスが慌てて拘束しようとする。
しかし、目の前が一気に真っ白になり、相手の姿を見失ってしまった。
「なんだこれ!?」
「美月!こいつは煙幕だ!闇に乗じて攻撃してくるかもしれない。急所を隠せ!」
「取り敢えず[ウィンド]!」
風が舞い煙幕も薄くなっているが、まだまだ時間がかかりそうだ。
「ニキスどうだ!?」
ニキスなら目が見えなくても匂いである程度相手の位置が分かるかもしれない。
「っ!………す、すいません。煙幕の中に火薬が混じって居るようで、硝煙の臭いで鼻が………。」
「うちのワン公も鼻が曲がってだめだと。こんなことならティシィも連れてくれば良かった……。でもあいつはまともな駆け引きができるような知能がねぇからな。」
「すいませんフイル姉!鼻がなくなりそうです。」
確かに鼻に焦げたような臭いが。
さっきから[状態異常妄想(魔力視)]も使ってみてはいるんだが煙幕の中に何かしら魔力を錯乱させるものが混じっているのか周りの様子がほとんど見えない。
………煙幕の煙が消えるまで待たざるを得ないか。
「しかもこの煙幕、魔石混じりですね。よっぽど良いものを使ってるんでしょう。[魔力感知]を阻害されます。」
フイルミナさんの仲間のエルフの女性が言う。
なるほど…………スキルも道具次第では対抗できると言うことなのか。
「でもそろそろ煙幕も晴れそうだ。」
「居ないですね………。」
「まあ、私達に攻撃してこなかったし、恐らく逃げたんだろう…………。だが、外にはフィヤ以外にも狐人のラサラ、人族のゴルテアもいる。あいつらなら恐らくは逃がさないだろう。今の状況もネルメア経由で伝えているしな。」
なるほどな。こう言うときにネルメアさんのスキルが生きてくるわけか。
これが熟練のBランクレギオンの冒険者達の戦い方。
バランスもとれてて、どんなパターンにも対応できる。
見倣わないとな。
うちは脳筋大剣となぜか脳筋な状態異常使い、影という特異的な方法はあるが結局物理メインのニキスに、基本的防御のみラズリ、唯一の魔法メインのヒスイ。戦闘において使い道に困る時空間魔法を持つ臨時パーティーのエミリアさん
………………せめて回復役と索敵役が欲しいな。
まあ、僕とニキスでもある程度の索敵出来るんだけど……。
緊張していた空気も和らぎ、捕まえた人拐い達を縛ろうとしているとテントの方から叫び声が聞こえる。
急いで駆け付けるとそこには先程の男がいて、二人の猫耳の生えた少女を連れている。
そしてそのうちの一人の首筋にナイフをあてている。
「ソミア!」
「っ!………お…お姉ちゃんっ?」
捕まっている少女はスィヨンさんの妹らしい。
「おい!お前らは俺の仲間を解放して村にもどれ。仕方ねぇ今回の女共は全員解放する。俺らも手出しはしない。問題ねぇだろう?一先ずそれで退いてくれや。てめぇらが村に戻りゃ、俺らも様子を見て解放してやる。」
攻撃系魔法はソミアちゃん達を巻き込む可能性があって使えない。
かといって拘束系魔法は樹魔法と影魔法しかない。
樹魔法はスピードに欠けるし、影魔法はニキスと相手の距離が遠くて捕縛する前にソミアちゃんを殺される可能性もある。
「…………一先ず目標は達成だし、諦めるしかないだろう。こちらにはこの状況を打開できる手段はないしな。」
フイルミナさん達もどうしようもないようだ。
人拐い達の言いなりになるというのは尺だが、拐われた人間の安全が第一だろう。
《………美月………》
っ!
ビックリした急に脳内に声が。
この声はネルメアさんの声?
そう言えばここに来る前に[テレパシー]を使えるようにと、魔方陣の様なものを手に書かれたな。
つまりは噂の[テレパシー]か。
《エミリアからの伝言…………「ラズリちゃんをお借りします。私に任せてください。」…………だって……。》
……エミリアさんと言えば時空間魔法……てことはあれか!
予備戦力として[アイテムボックス]にいたラズリをこっそり足元に召喚する。
[アイテムボックス]は魔法じゃなくてスキルだから相手が魔法感知系スキルや魔道具を持ってても探知は無理だ。
ラズリは体を液化させ地面に溶けた。
恐らくはそのままエミリアさんの足元まで行くんだろう。
ただ気になるのはエミリアさんが使う魔法。
恐らくは推測できるが、あの魔法には制限があったはずだが…………。
相手は強かったからこそ、もう逃げ道はないのを理解しているだろう。
「………諦めるしかねぇのか…。」
男は大仰しい態度で天を仰ぐ。
「まあ、諦めるわけねぇけどな。」
男は顔をしたに向けると、ギラッとした表情でそう言った。
「動かないで![シャドウロック]!」
ニキスが慌てて拘束しようとする。
しかし、目の前が一気に真っ白になり、相手の姿を見失ってしまった。
「なんだこれ!?」
「美月!こいつは煙幕だ!闇に乗じて攻撃してくるかもしれない。急所を隠せ!」
「取り敢えず[ウィンド]!」
風が舞い煙幕も薄くなっているが、まだまだ時間がかかりそうだ。
「ニキスどうだ!?」
ニキスなら目が見えなくても匂いである程度相手の位置が分かるかもしれない。
「っ!………す、すいません。煙幕の中に火薬が混じって居るようで、硝煙の臭いで鼻が………。」
「うちのワン公も鼻が曲がってだめだと。こんなことならティシィも連れてくれば良かった……。でもあいつはまともな駆け引きができるような知能がねぇからな。」
「すいませんフイル姉!鼻がなくなりそうです。」
確かに鼻に焦げたような臭いが。
さっきから[状態異常妄想(魔力視)]も使ってみてはいるんだが煙幕の中に何かしら魔力を錯乱させるものが混じっているのか周りの様子がほとんど見えない。
………煙幕の煙が消えるまで待たざるを得ないか。
「しかもこの煙幕、魔石混じりですね。よっぽど良いものを使ってるんでしょう。[魔力感知]を阻害されます。」
フイルミナさんの仲間のエルフの女性が言う。
なるほど…………スキルも道具次第では対抗できると言うことなのか。
「でもそろそろ煙幕も晴れそうだ。」
「居ないですね………。」
「まあ、私達に攻撃してこなかったし、恐らく逃げたんだろう…………。だが、外にはフィヤ以外にも狐人のラサラ、人族のゴルテアもいる。あいつらなら恐らくは逃がさないだろう。今の状況もネルメア経由で伝えているしな。」
なるほどな。こう言うときにネルメアさんのスキルが生きてくるわけか。
これが熟練のBランクレギオンの冒険者達の戦い方。
バランスもとれてて、どんなパターンにも対応できる。
見倣わないとな。
うちは脳筋大剣となぜか脳筋な状態異常使い、影という特異的な方法はあるが結局物理メインのニキスに、基本的防御のみラズリ、唯一の魔法メインのヒスイ。戦闘において使い道に困る時空間魔法を持つ臨時パーティーのエミリアさん
………………せめて回復役と索敵役が欲しいな。
まあ、僕とニキスでもある程度の索敵出来るんだけど……。
緊張していた空気も和らぎ、捕まえた人拐い達を縛ろうとしているとテントの方から叫び声が聞こえる。
急いで駆け付けるとそこには先程の男がいて、二人の猫耳の生えた少女を連れている。
そしてそのうちの一人の首筋にナイフをあてている。
「ソミア!」
「っ!………お…お姉ちゃんっ?」
捕まっている少女はスィヨンさんの妹らしい。
「おい!お前らは俺の仲間を解放して村にもどれ。仕方ねぇ今回の女共は全員解放する。俺らも手出しはしない。問題ねぇだろう?一先ずそれで退いてくれや。てめぇらが村に戻りゃ、俺らも様子を見て解放してやる。」
攻撃系魔法はソミアちゃん達を巻き込む可能性があって使えない。
かといって拘束系魔法は樹魔法と影魔法しかない。
樹魔法はスピードに欠けるし、影魔法はニキスと相手の距離が遠くて捕縛する前にソミアちゃんを殺される可能性もある。
「…………一先ず目標は達成だし、諦めるしかないだろう。こちらにはこの状況を打開できる手段はないしな。」
フイルミナさん達もどうしようもないようだ。
人拐い達の言いなりになるというのは尺だが、拐われた人間の安全が第一だろう。
《………美月………》
っ!
ビックリした急に脳内に声が。
この声はネルメアさんの声?
そう言えばここに来る前に[テレパシー]を使えるようにと、魔方陣の様なものを手に書かれたな。
つまりは噂の[テレパシー]か。
《エミリアからの伝言…………「ラズリちゃんをお借りします。私に任せてください。」…………だって……。》
……エミリアさんと言えば時空間魔法……てことはあれか!
予備戦力として[アイテムボックス]にいたラズリをこっそり足元に召喚する。
[アイテムボックス]は魔法じゃなくてスキルだから相手が魔法感知系スキルや魔道具を持ってても探知は無理だ。
ラズリは体を液化させ地面に溶けた。
恐らくはそのままエミリアさんの足元まで行くんだろう。
ただ気になるのはエミリアさんが使う魔法。
恐らくは推測できるが、あの魔法には制限があったはずだが…………。
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