クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!
234話 捜索
「さっきから言っているだろう?ここに来た冒険者がどこに行ったか教えてくれ!」
「そうは言われても………あの人たちは困っている我々を助けてくれると言った恩人です。不審にしか見えないあなた達には教えられません。」
人攫い達が来ている村に着き、早速人攫い達がどこに行ったか様子を聞こうと思ったのだが、村長が教えてくれない。
「奴らは沢山の村で人を攫っている人攫いなんだ!この村の人も危険なんだぞ!?」
「これ以上話す気はない。帰ってくれ。」
村の人達も怯えたような表情で物陰からこちらの様子を見ている。
町と違い人の流入の少ない村は排他的な傾向にあり、おそらく多くの者が初めて見たであろう獣人を含む亜人達を警戒しているのだろう。
「はぁ~、油断していたな。」
「そうですねリーダー……。私も久しぶりにこんな小さな村に来ましたからね……。忘れてました。」
「というよりは私のせいな気が……虫系の亜人なんてこの辺では滅多にいないですからねぇ。」
【先見の瞳】メンバーの空気が落ち込んでいる。
「私が探してこようか?」
そんな声を上げたのは鳥人族の女の子だ。
ハーピィーの様に指先が鉤爪で、二の腕から手首にかけて羽根が生えている。
逆に下半身は普通の人間同様の肌色の肌が見えるし、靴も履いている。
「……確かに、フィヤが空を飛べば簡単に見つけれるだろうが…………フィヤは自分を守る手段が少ないからな………そんなことやらせられない。おそらく、ほっとけば偽冒険者はこの村に帰ってくるだろう。まあこの村の攫われた男は死んだ後だろうけど…。」
まあ、仲間と他人の命、天秤にかけるなら僕も仲間の命を選ぶ。
だけど……やるせないな…………。
「ね、ねぇ…………そこの兄ちゃん…………?」
?
後ろから声を掛けられた?
振り返ってみるとそこには8歳前後だろうか?
幼い男の子がそこに居た。
「どうしたんだ?」
「兄ちゃん達は冒険者なんだろ?リュミ姉ぇちゃんを助けてくれよ。」
リュミ姉ちゃん……か………この子の姉が攫われたかな…………?
こんな年の子にお願いされると助けてあげたいんだが………。
「助けてあげたいのはやまやまなんだけど、助けに行こうにも何処を探せばいいか分からないんだよ…………。」
答えを選びながら呟くように答えると、少年はおずおずとしながら話し出した。
「……実は…村長たちは犯人は魔物だ!って言ってたけど違うんだ!」
…………まさか人攫い達が攫うところを見たのか?
「……二日位前にこの村に商人が来たんだけど、そいつが言ってたんだ「あの娘が一番綺麗だ……。」って!その後もずっとリュミ姉ちゃんを目線で追ってたし、ずっとリュミ姉ちゃんと話してたし………。父ちゃんに言っても「男はそういうもんなんだよ。ついつい美人を目で追っちまうもんだ。お前もだろ?リュミちゃんはかわいいからなぁ。不安になる気持ちは分かるが安心しろ。冒険者さんが助けに行ってくれてるからきっと無事だよ。」とか言ってまともに取り合ってくれないんだ!」
この感じはこの少年の姉というよりは片思いのお姉ちゃんって感じだな。
この前にネルメアさんから聞いた話によれば、その商人が攫う人間を選んでたわけだからこの少年の予想は間違いじゃない。
だけど、この少年のお父さんを責めることは出来ないな。
この少年が片思いの末に変に勘違いしていると思ったんだろう。
「それでその商人がどこに行ったかとか、昨日来た冒険者がどこに行ったかとか知ってる?」
「ごめんなさい………知らない………。」
…………。
「すみませんフイルミナさん。」
「なんだ美月?」
「そっちのフィヤさんは二キスを乗せて飛べるかな?」
「それは…………魔物になった状態の話か…………どうだ?」
「二キス[擬人化]を解いてくれるか?」
[擬人化]を解いた状態の二キスをフィヤさんに預ける。
「このくらいなら全然問題なく飛べるよ?でもどうして?」
「二キスなら空中でもある程度の攻撃なら防げる………。」
「私は二キスの実力は知ってるからいいと思うけど………フィヤは…?」
「ふーん………。まあ、背中はお任せするよ二キスちゃん?」
「お任せください。私を信じてくれているマスターに誓って貴女に怪我はさせません。」
「何とかなりそうだぞ少年?お姉さんはあの二人に任せな。」
「ほんと!ありがとう!絶対お願いだよ!」
これで攫われた二人とも救えそうだ。
……手遅れになってないといいが…………。
あれ?……そういえば。
「なんで僕に話しかけてきたんだ?あっちのお姉さんとかもっとリーダーっぽい人とかいただろう?」
村長との話し合いは常にフイルミナさんがやっていた。
なのになんで僕に?
「だって……あっちの人達は怖そうだし…………。兄ちゃんボケっとしてたからきいてくれるかな?と思って。」
…………ボケっとかぁ~。
もっとかっこいい雰囲気を纏いたい。
「優しさこそ美月様の長所ですよ…?」
何も喋ってないのにフォローされた…………。
「そうは言われても………あの人たちは困っている我々を助けてくれると言った恩人です。不審にしか見えないあなた達には教えられません。」
人攫い達が来ている村に着き、早速人攫い達がどこに行ったか様子を聞こうと思ったのだが、村長が教えてくれない。
「奴らは沢山の村で人を攫っている人攫いなんだ!この村の人も危険なんだぞ!?」
「これ以上話す気はない。帰ってくれ。」
村の人達も怯えたような表情で物陰からこちらの様子を見ている。
町と違い人の流入の少ない村は排他的な傾向にあり、おそらく多くの者が初めて見たであろう獣人を含む亜人達を警戒しているのだろう。
「はぁ~、油断していたな。」
「そうですねリーダー……。私も久しぶりにこんな小さな村に来ましたからね……。忘れてました。」
「というよりは私のせいな気が……虫系の亜人なんてこの辺では滅多にいないですからねぇ。」
【先見の瞳】メンバーの空気が落ち込んでいる。
「私が探してこようか?」
そんな声を上げたのは鳥人族の女の子だ。
ハーピィーの様に指先が鉤爪で、二の腕から手首にかけて羽根が生えている。
逆に下半身は普通の人間同様の肌色の肌が見えるし、靴も履いている。
「……確かに、フィヤが空を飛べば簡単に見つけれるだろうが…………フィヤは自分を守る手段が少ないからな………そんなことやらせられない。おそらく、ほっとけば偽冒険者はこの村に帰ってくるだろう。まあこの村の攫われた男は死んだ後だろうけど…。」
まあ、仲間と他人の命、天秤にかけるなら僕も仲間の命を選ぶ。
だけど……やるせないな…………。
「ね、ねぇ…………そこの兄ちゃん…………?」
?
後ろから声を掛けられた?
振り返ってみるとそこには8歳前後だろうか?
幼い男の子がそこに居た。
「どうしたんだ?」
「兄ちゃん達は冒険者なんだろ?リュミ姉ぇちゃんを助けてくれよ。」
リュミ姉ちゃん……か………この子の姉が攫われたかな…………?
こんな年の子にお願いされると助けてあげたいんだが………。
「助けてあげたいのはやまやまなんだけど、助けに行こうにも何処を探せばいいか分からないんだよ…………。」
答えを選びながら呟くように答えると、少年はおずおずとしながら話し出した。
「……実は…村長たちは犯人は魔物だ!って言ってたけど違うんだ!」
…………まさか人攫い達が攫うところを見たのか?
「……二日位前にこの村に商人が来たんだけど、そいつが言ってたんだ「あの娘が一番綺麗だ……。」って!その後もずっとリュミ姉ちゃんを目線で追ってたし、ずっとリュミ姉ちゃんと話してたし………。父ちゃんに言っても「男はそういうもんなんだよ。ついつい美人を目で追っちまうもんだ。お前もだろ?リュミちゃんはかわいいからなぁ。不安になる気持ちは分かるが安心しろ。冒険者さんが助けに行ってくれてるからきっと無事だよ。」とか言ってまともに取り合ってくれないんだ!」
この感じはこの少年の姉というよりは片思いのお姉ちゃんって感じだな。
この前にネルメアさんから聞いた話によれば、その商人が攫う人間を選んでたわけだからこの少年の予想は間違いじゃない。
だけど、この少年のお父さんを責めることは出来ないな。
この少年が片思いの末に変に勘違いしていると思ったんだろう。
「それでその商人がどこに行ったかとか、昨日来た冒険者がどこに行ったかとか知ってる?」
「ごめんなさい………知らない………。」
…………。
「すみませんフイルミナさん。」
「なんだ美月?」
「そっちのフィヤさんは二キスを乗せて飛べるかな?」
「それは…………魔物になった状態の話か…………どうだ?」
「二キス[擬人化]を解いてくれるか?」
[擬人化]を解いた状態の二キスをフィヤさんに預ける。
「このくらいなら全然問題なく飛べるよ?でもどうして?」
「二キスなら空中でもある程度の攻撃なら防げる………。」
「私は二キスの実力は知ってるからいいと思うけど………フィヤは…?」
「ふーん………。まあ、背中はお任せするよ二キスちゃん?」
「お任せください。私を信じてくれているマスターに誓って貴女に怪我はさせません。」
「何とかなりそうだぞ少年?お姉さんはあの二人に任せな。」
「ほんと!ありがとう!絶対お願いだよ!」
これで攫われた二人とも救えそうだ。
……手遅れになってないといいが…………。
あれ?……そういえば。
「なんで僕に話しかけてきたんだ?あっちのお姉さんとかもっとリーダーっぽい人とかいただろう?」
村長との話し合いは常にフイルミナさんがやっていた。
なのになんで僕に?
「だって……あっちの人達は怖そうだし…………。兄ちゃんボケっとしてたからきいてくれるかな?と思って。」
…………ボケっとかぁ~。
もっとかっこいい雰囲気を纏いたい。
「優しさこそ美月様の長所ですよ…?」
何も喋ってないのにフォローされた…………。
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