クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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224話 思い入れ

「う~ん。やっぱり軽い気がしますね。」

大きな大剣を片手で振りながらリリアが言った。

「そうは言うがな嬢ちゃん~。それ以上の重さの代物はねぇぞ?その剣を片手で振るたぁ一体どんな筋力してんだか。そいつ以上の代物はこの店どころかこの街にも無いと思うぜ。」

リリアが振るっている剣は重さは70kg近い物であり、並の冒険者なら保つことさえできないような物だ。

「私も実際の所誰かから剣の振り方について指南を受けたわけでは無いので、適切な感覚が掴めないんですよね。」

「この街で誰かに教わったらどうですか?ステータスでは低くても技量が高い人はいますし、我流の今よりは剣について知識が増えるんじゃ無いですか?」

「私もそう思って指南をしてくれる人を探したんですが、この街に20kg以上の重さの大剣を使う人は居なかったんですよ。それどころか大剣を使ってる冒険者はDランクとCランクに一人ずつしかいなかったんですよ。しかもCランクの人は技量関係なしに重さでぶった切る!って感じだったですし……。かと言って普通の片手剣や両手剣の使い手に教えを請うのも違いますし。……大剣使い手で卓越した腕前の人間に心当りもあるのですがこの国には居ないんですよね。」

なるほどね。
指南できるほど実力者が居ない訳か。
それにしてもリリアに卓越した腕前と言わしめる人物か……。
昔の知り合いぽいニュアンスだったけど……気になるな。

「武器作るにしても、師事を請うにしても嬢ちゃんクラスの人間ならフェデリア帝国しか無いだろ。こんな片田舎で武器探すのが間違いなんだよ。」

武器屋の店主らしかぬ言葉も出てきたが、帝国ねぇ……。
セレン聖教国の次ぐらい多く聞く名前だ。
リリアの過去の話は断片的に何度か聞いたことがあるが、何度か出てきた名前だ。
リリアの出身国で冒険者として生活していた国、以前に聞いたリリアの恩人さんの話以外にも良くない思い出がある感じはなんとなく感じるんだよなぁ。
風の噂でよく聞くのは、東大陸一の武闘派国家で、冒険者ギルドの本部があるとか。
大樹海を迂回するなら通ることになる国だ。
猫人族とは友好を築けたが他の種族とは仲良くなっていないから、大樹海の中を通ってガイドミル王国戻るのは無理だろうな。
リリアの様子を見てみるが俯いており、その表情はよく見えない。

「リリア……。おそらくフェデリア帝国は通るけど無理にそこで武器を買わなくても良いしそんなに気にしなくていいよ。」

「いえ大丈夫ですよ。昔の友の様子も気になりますし。」

たしか5ヶ月程前にリリアが鬼人族になる前、少し話したときに「力を捨てた私が振り返った時には、なにもありませんでした。そこそこ話していたギルド仲間も、他の人も、力の無い私を必要としてなかったのです」と言っていた。
辛い思いでが無い人間はそんなことを言わない。

「リリア……無理をしないでくれ、前も言ったけど僕らは仲間なんだ。迷惑をかけても良いんだよ。」

「美月様…………。大丈夫ですよ。確かに辛い思いでもありましたが、それでも思い入れのある場所です。それにいつかは向き合いたい場所ですので……。ですが……その……心配してくれてうれしいです。」

「……リリア。」

そこはかとなく良い雰囲気になっている。
目の前のリリアも目を閉じてスタンバイしているようだ。

「若い兄ちゃんやるなら外でやんな。」

その声を聞き、顔と顔を近づけていた僕らは飛び退くように離れた。
恥ずかしい。僕らは何度同じミスをしたんだろう。
前にも同じようなことをした気がする。

「ちょっと!折角リリアと美月さんが良い雰囲気だったのに何てことするんですか!」

「ムギギームギッ!」

エミリアさんもラズリも抗議の声を上げている。
ってかエミリアさんもそんな風に見てたの!止めてくれて良いから!

「と、とりあえず私は街を回って、間合わせとして大剣を十数本買いますので美月様とエミリアはどっかに行ってください!」

真っ赤な顔になったリリアに押され店の外に出た。
相当恥ずかしかったのだろう珍しく口調が崩れていた。

「いや~やっぱりリリアも可愛いところがありますね。あんな顔をさせることができるなんてやっぱり二人は愛し合ってるんですね。うらやましいです。」

からかってくるならともかくこうもストレートに言われると反応に困る。

「エミリアさんは勇義のことが好きなんですよね?頑張ってアタックしたら良いんじゃ無いですか?」

「勇義様……。どうするべきなんでしょう………?」

あっ!恥ずかしさのあまりエミリアさんにとって微妙な話をしてしまった。
そんなエミリアさんにラズリが擦り寄る。

「ムギムギ!」

「励ましてくれてるんですか?……どちら選ぶにしても後悔し無いようにしっかり考えて起きます。ありがとうございますねラズリ!」

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