クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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209話 甘口

「ふむ…………。まぁ、無駄に命を散らすことは英雄的な行為どころかただの無駄死にだからな。…………まあ良しにしよう。そっちはヒョロそうなお前がやるのか?………そっちの銀髪でもいんだぞ?」

「大丈夫。リリアがやるまでもなく僕で勝てるよ。」

「ああ!?」

おお、怖っ!
幼女の癖に睨むなよ。

「待って!貴方で勝てるの?………白髪の人に任せるべきでは?…………万が一にでも負けたら我々の種族が滅ぶのですよ?」

後ろから呼び掛けられて振り向いて見るとスィヨンさんが不安そうな顔をしている。
他の猫人達やフイルミナさん達も同じような表情だ。
確かに戦闘ではリリアやヒスイとエミリアさんが目立っていて、僕もキングオーガを倒したとはいえ、リリアみたいに一刀両断!とかじゃなく地味だったし、殲滅スピードもかなり遅かったから実力を疑問視する気持ちは分からんでもない。
でも、……………なんで横にいるリリアやニキスにエミリアさん達も驚いてるのさ!

「いやいや!僕もリリアと何とか肩を並べる位になれたと思ってたんだけど?なんでそんな顔!?」

「いやいや美月さん………なんでと言われましても………ねぇ、リリア~。」

「はい。そうですね。………美月様、私がやりますよ?」

なぜ?
メチャクチャ失礼だけど特にエミリアさんに心配される理由が判らん。

「…………美月様、……どのように戦うおつもりですか?」

「そりゃ、普通に格闘技で………。」

「………さっきまで話もできず殺し会うだけの敵だった相手が、話せる相手なるだけで対話をしようとする程優しい美月様が、人間…ではないもののほぼ同じ見た目の幼い少女に攻撃出来るのですか?」

………………………………。
想像してみよう。 
力を見せつけて無傷に戦闘を終えるのは………無理だな。
鬼幼女はかなりの強さ。
僕の方が強いだろうけど圧倒的と言えるほどの差はない。
少なくともある程度動けなくなるまでダメージを与える必要がありそうだ。

ダメージを与えるとして……………、顔……は流石に無理かも知れない。
幾らなんでも戦闘に勝利したと言えるほどのダメージをあの鬼幼女に与えるとすれは、あの鬼幼女の顔はぐちゃぐちゃになってしまう。流石に無理だ。

なら腹か?
…………さっきのキングオーガみたいに口から血を吹く鬼幼女を想像した。
…………無理………かもしれん。
戦う相手に対して失礼な考えであることは十分に理解しているが、どうも僕はあの鬼幼女を攻撃することが出来そうにないらしい。

ガックリ項垂れている僕に声が掛けられる。

「まあ、美月さんはあのレビィアタンを相手にしたときでさえ子龍を助けようとしてましたからね。こんな人間みたいな娘が相手なら仕方ないです。まあ、あの娘の可愛さに惑わされていると言う線も捨てきれませんが。」

いやいや、幾なんでもそんなことは………ないはず。

「うぅ………ニキスはそんなマスターに時々不安になってしまいます。………まあ、それがマスターの良いところでもありますけど!お陰でニキスもマスターに出会えましたしね。」

「まあ、そもそも美月様が言葉を話せる相手とまともに戦うのはこの世界に来られて二度しかなかったですからね。躊躇ってもおかしくありません。」

二度……?
一回目は………勇義とダンジョンで戦ったときか?
いや、あれはクラスメイトとの戦いということで、何だかんだ加減してしまっていた節があったからな。
相手はそうでもなかったみたいだけど。
それ以外だと……島に行く前に魔法師団長と騎士団長と戦ったときと、レディアと戦ったときのことかな。
確かに僕は高度な知性を持った相手との戦闘経験も少なそうだ。

「と、言うように美月様は戦えそうにないので私達の中から選ぶことになりそうですが………。」

「あー、あんなこと美月さんに言っておいて何ですが、私の実力では厳しそうなので………。」

エミリアさんはレベリングのお陰でかなり強くなったがあの鬼幼女相手では勝率は低いと言わざるを得ない。
エミリアさんも時間さえ掛ければ、キング相手に九割九分は勝てる実力はあるんだけどな。
同じ理由でラズリも無理。

「さそうなるとニキスかリリ姉ですね………。殺すならともかく実力を示すとなるとニキスは相性悪いかもです。……[シャドウロック]による拘束はキングを十数秒拘束するのが限界っぽかったですし、リリ姉の一撃を受け止めたあの鬼相手には役不足です。その他の技となると[暗殺術]位しかありません。正直なところ勝てそうではありますがニキスの実力では相手を殺して勝つ以外の手段を取れそうにありません。」

「では私ですね。」

と言うかキングオーガの時みたいにリリアが率先して戦おうとはしないんだな。
そんな僕の考えを察したのかリリアが答える。

「言っておきますが、私の中でのレッドオーガに対する復讐心もないですし、レレアの無念も晴らしました。私は特別レッドオーガを駆逐したいなんて思っていませんからね?強いて言えば、レレアとば同じような被害を発生させたくないと言う位でしょうか?なのであの鬼の少女には死んでもらっては困るのですよ。彼女が死んで散り散りになったレッドオーガが人を襲っても嫌ですからね。………なので安心してください殺しはしないですから。………………まあ、ちょっと痛い目を見てもらいますけど。」

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