クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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200話 辛い過去

「私は恩人の仇討ちをしたいという気持ちがあります。ただ魔物に負けて死んだのであれば私も諦めがつくと言うのですが…………。」

そのままリリアは過去を語る。

「死んだ恩人は、私が子供の頃に村に来たゴブリンを討伐してくれた冒険者でした。」





私の故郷はフエデリア帝国の辺境領の更に外れにある開拓村です。
村外れにある開拓村なんてものは常に魔物の驚異に怯えながら生活をする日々でした。
あの日もそうでした。
村の狩人の男が夜になっても帰って来なかった。
小さい村ですので、直ぐにその話は村中に知れ渡り、魔物を見たこともない子供ながらに怯えていたことを覚えています。

村長は直ぐに冒険者ギルドに頼ることを決め、翌朝には近くの都市からCランク冒険者が来ることになりました。
ですが、現れた冒険者は女性で、しかも線の細く顔も整っていてまるで戦いを知らないような見た目の人でした。
持つ剣も木の枝の様で村長が残念そうな表情をしていたのを覚えてます。
その女性は村の回りを探索し、次の日の朝には魔物の棲み家に向かいました。
子供だったからか私は見たこともない魔物に対する恐怖より、見たこともない冒険者という職業の女性に対する好奇心が勝ってしまい、私は彼女を追って森にいきました。

そこで見た光景は、細い長剣を巧みに使い、演舞のように綺麗に舞い女性の姿でした。
数十体は居るであろうゴブリンはその剣の前にたちまち数を減らしていきます。
目の前で繰り広げられている光景は、血みどろの凄惨な光景でしたが、私の目にはそれが美しい物に見えました。

戦闘が終わり一段落した時に私が物音を立てたことによって、私の存在に気付いた女性は剣を突き立ててきました。
当の彼女からすれば、森の中に人間が居るとは思わず魔物と思って剣を向けたのでしょうが、子供の私からすればビックリする出来事で恥ずかしながら泣き出してしまったのです。

彼女の名前はレレア。
レレアは泣き出してしまった私を慰めるように色々な事を教えてくれました。

「ねぇレレア?何で冒険者なんてやってるの?」

「そうねぇ。シェシリーにはまだ分からないかもだけど、自由が欲しくなったからかな?」

「冒険者になると自由なの?」

「どうだろう?まだ分からない。………でも、女だからと言って何もさせてもらえなかったあの頃よりは楽しい日々を送ってると思うな。」

「ふ~ん。よく分かんないけど、冒険者って楽しいんだ?」

「あんまり女の子にはオススメ出来ない仕事だけどね。もし、大人になって冒険者になってたら一緒に冒険者しようね?」

レレアはそう言って翌朝には村を去っていきました。
その後、私はステータスの職業が[魔法拳闘師]という職業であったのもあり冒険者への憧れを忘れず、村を出て冒険者になり、大手の戦闘系レギオンに入りました。
レレアへ憧れで[魔法拳闘師]なのに短剣を使っていた時期もあり、最初こそ失敗しましたが、格闘術を使うようになり順調に私は冒険者ランクをあげていきます。
そして、私が19才Aランク冒険者になって半年経った頃にレレアと再開を果たします。

その時のレレアはSランク冒険者、私の記憶の中にある美しい剣が更に磨きのかかった物になっていました。
私は強くなった自分を見て貰いたい一心でレレアをクエストに誘いました。
選んだクエストは大樹海の側の開拓村で未知の魔物の調査というものでした。
レレアは苦笑しながら了承してました。
しかし、その時私はずっと上がっていなかった冒険者ランクが順調に上がっており、尚且つ憧れの人と肩を並べて仕事出来るほどになれたと慢心しており、未知の魔物という普通であれば警戒すべき敵に対して、今の私とレレアなら余裕と慢心してクエストに望んでしまいました。

そして出会ったのは赤い肌をしたオーガ。
それも一体のキングオーガをはじめとして、複数体のジェネラルオーガを含む200体規模の群れでした。
通常種キングオーガがAランク、通常種ジェネラルオーガCランクであることを考えれば、最低でもキングがSランク、ジェネラルはcランクはあると思われ、尚且つその他多くの上位種のオーガも含む群れでした。
私達二人で時間さえ掛ければ倒せなくもない相手でした。
ですが、それでは群れ全体を引き付けることが出来ず、開拓村は確実にオーガに潰されてしまうことが解りました。

「これは…………、シェシリー貴女は急いでギルドに戻って援軍を呼んできて!……ほんとはあんまり嫌だけど私の名前を出せばSSランクの冒険者が動くはず。」

「私が残った方が…………。」

「あんまりなめないで。これでもSランク冒険者よ?群れ全体を引き付けながら時間を稼ぐのも出来るわ。」

私は全ての荷物をその場に置き、身体を軽くしたあと全力疾走でギルドに戻り説明しました。
説明が終わると返答も聞かず、直ぐ様来た道にを引き返しました。
しかし開拓村から冒険者ギルドは数十kmあり、行きはステータス任せで一時間で踏破したものの、帰りは体力がなくなり二時間程かかりました。

そして返った私の目の前には四肢を引き千切られ恐怖の表情をしたまま動かないレレア、オーガに潰されて死んだ開拓村の人々、そして生き残って逃げ惑う人々。
レレアの体に触れるとまだ身体は暖かかったですが、もう脈がありませんでした。
私は近くで村人を襲って居たキングオーガに殴り掛かりました。
防御をかなぐり捨てて攻撃したものの相手の命を奪う程のダメージは与えられませんでした。
その後、周囲にいたマジックオーガの集団による魔法で私は死にかけました。
その時、援軍の冒険者が駆け付けたお陰で私は命を取り止め開拓村の人々も一部死人は出たものの助かりました。

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