クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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199話 過去の欠片

「ん?構わないが?」

さっきまでほぼ何も喋らず、空気と化していたぼくらからの質問にリョンさんは戸惑いながらも答えた。

「……その……レッドオーガとか言う魔物は、どれ程前からこの森に?」

「んん?その質問に何の意味が?んー………我々の氏族が奴等に初めて接触したのは………たしか…3年前だが…………セレン聖教国の情報に詳しい弧人族達の話によるとレッドオーガは8年ほど前に樹海に入ってきたそうだ。」

弧人族なんてのもいるのか。
獣人族側でも情報のネットワークがあるだ。

「だがそれに何の意味が?」

リリアさんは顔を下に向けて考え事をしていた。

「フッ……フフフッ」

その瞬間リリアの静かな笑い声と共に殺気を感じた。
さっきのスィヨンに襲われたときと違いの荒々しい殺気とは違い、冷静で鋭く尖った殺気の様に感じた。
ヒスイ以外のほぼ全員の身体は殺気に充てられ固まってしまった。

「あっ!すいません。ちょっと興奮してしまいました。」

リリアは自分の行動を反省するように言った。
そんな様子のリリアにミレオンさんが質問した。

「少しいいかなリリアさん。もしかしてレッドオーガについて何か知っているのかな?」

「………まあ、別に隠すことでもないですか。………そうですね。詳しいことは省きますが、私の恩人が五年程前この樹海付近でレッドオーガに殺されたのです。因みにその人は冒険者でSランク冒険者でした。」

「…………流石に今の私達ではSランク冒険者が死ぬような相手に勝てるわけがないな。」

そのまま、今回の話は持ち帰ることに決まり、リョンさんの好意でそのまま集落で1日泊まることになった。

辺りも暗くなったので、それぞれのテントに別れている。
リオガン達はテントを持っていなかったから集落にあった空き家を借りている。
正直なところ、僕らも家を使ってくれと言われたんだけど断った。
申し訳ないが、猫人族の家よりテントの方が結構良い作りだし広いんだ。

「ふぅ。色々大変だったがやっぱり鍋食えば疲れもとれるな。」

今回の鍋は猫人達から分けてもらった野菜と樹海で倒した魔物肉を材料に使った。
問題があるとすれば、和風だしを作れそうな昆布とか醤油とか鰹節がないから、香辛料等を使った鍋しか作れないのが不満かなぁ。
いずれは日本の食材を探したいな。
以前に、どうせ異世界転生定番の和国だとか、大和国とかいうのあるんじゃないかなぁ。と思ってリリアに聞いたら「ありますけど?それがどうかしたのですか?」と言われた。
やっぱあるんだ………。

「ニキスもマスターのお鍋好きですよ?ちょっと熱いのは苦手ですが。」  

ニキスは常に[擬人化]した状態で居てもらうことになった。
帰ったら冒険者登録させよう。

「そうですねぇ。私も元王族としてかなり良いものを食べてきましたが、かなり美味しいですね。私達の料理と言えば食材一つで一つの料理を作ることが多い気がします。この鍋みたいに沢山の食材で一つの料理を作るとこんなにも味が深くなるんですね。」

「まあ、僕自身が料理上手ってわけじゃなくて、僕のいた世界が料理好きが多かったから料理が発達してたってだけだけどね。」

「ムキュムギュ♪」

皆が美味しく食べてくれると作った方も気分が良い。
だが、先程からリリアの顔に陰りが見える。

「ヨシ。」

そう気合いをいれるとリリアは覚悟を決めたような顔で僕の顔を見てきた。

「すいません美月様、暫く美月様の下を離れて別行動を取ることを許可していただけませんか?」

正直予想通りの言葉がきた。
リリアがどんな言葉を言ってきても答えれるように考えていたが、一番最初にリリアが言いそうな言葉だと思った言葉を言われるとは。
それなら答えは決まってるが………。

「それは、つまりレッドオーガの件のことですよね。僕らは邪魔ですか?」

「!そうではないんです!ただこれは私の問題なので仲間には迷惑を掛けたくなくて………。」

「それなら僕の答えは決まってる。迷惑を掛け合えれるのが仲間なんだから、僕達も巻き込んでくれ。そもそもこのパーティーの行き先だって僕の私的な理由でガイドミル王国になってるだろう?」

そもそもこの旅の次の行き先のガイドミル王国は僕がクラスメイト達を王国から連れ出すことが目的で決めたし、もうこの世界に骨を埋める気持ちではあるが念のために帰還方法を探すつもりでもある。日本とこっちを往復できたら一番良いしな。
そんなわけで一番このパーティーに迷惑を掛けてるのは僕だ。

「ですが………美月様は美月様ですし。」

「ふっ!なんだそれ?………リリアの問題は僕達の問題でもあるんだから遠慮なく迷惑掛けてくれ。僕らはリリアの助けになりたいし、迷惑を掛けられたいんだよ。」

「美月様………。」

「リリア………。」

そのままリリアと顔が近付いていき、唇が触れる瞬間。

「ゴホン!盛り上がっている所申し訳無いですが、仲間は美月さんとリリアだけじゃないんですからね?……それは二人だけの時にお願いします。」

「まぁ、私も島に居たときはかなり迷惑掛けたしね。お互い様ね。」

「ニ、ニキスも仲間ですから!迷惑いっぱい掛けてください。」

「ムギ。」

やば、皆いるの忘れてた。
リリアの方を見ると頬を赤くして恥ずかしそう


「う…、分かりました。私は皆さんみたいな仲間が居て良かったです。」

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コメント

  • 音街 麟

    白髪
    その意見に同意

    0
  • 白髪

    すっかりクラスメイトのこと忘れてた

    2
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