クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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196話 不意遭遇

獣人の剣がミレオンさんに当たる直前に件の刃先が止まる。

「なっ、何!」

「間一髪ね。」

現れた獣人族の片足には樹の蔓が巻き付いている。
恐らくヒスイが魔法により、獣人族を拘束したんだろう。

「クソッ!クソッ!クソォッ!!」

7人に囲まれていて、尚且つ拘束されている状況に焦りを感じているのか、剣で強引に蔦を斬ろうとしている。
良く見ると女性なのか?なぜいきなり斬りかかって来たんだ?
話を聞いてみたいがまともに話を聞けそうな状態じゃないな。
獣人娘がヒスイの魔法により強化された蔦を必死にきろうとするが、上手く切れてないみたいだ。

「即席とはいえ、私の魔法を受けた以上、量産品の剣ごときじゃ切れないと思うわ。諦めることね。さぁ諦めてなんで襲ってきたか白状なさい。」

「クソッ!」

獣人は剣で切ることを諦めたのか剣を投げすて、魔法を発動させた。

「[筋力強化]、[敏捷強化]」

「ちょっ!何をするつもりよ!」

獣人娘は助走をつけて走る
蔦が伸びきったところで、走ったことによるエネルギー全て蔦が絡まっている右足に掛かっている。

「痛っ!んんぅ~!」

これって確かに蔦は切れるかもしれないけど、それより先に自分の足がダメになるんじゃ。
というかなんでこの獣人娘はここまで必死に?
最初に蔦を爪で引きちぎろうとしてたから指も血で真っ赤だし、どう考えても右足も痛いはずなのに。

「ちょっ!そんなのしたらあんた………足が………。」

ヒスイも予想外の展開だったのか次の行動に移ろうとしない。
他のみんなも同様の驚きがあったらしく動かない。

その時、必死な獣人娘の思いが通じたのか蔦が根っこごと抜ける。
いくら蔦が丈夫でも根を張っている大地の方は強化されてないから、大地の方が持たなかったってことか。

獣人娘は人数差を警戒し、後退しつつも叫ぶ。

「ここへ何しに来た!!私達からあれだけ奪っておいてまだ飽きたらないのか!」

何のことかは分からないが恐らく何かしらの誤解があったんだろう。
悲痛なる想いを叫ぶ獣人族の目には狂気の色が写っている。
僕が産まれて初めての人間からの殺気に気圧されているとミレオンが獣人娘に話しかける。

「僕達は何も知らないし、何もしない。君達と敵対する意思はない。」

「嘘だ!人間は嘘つきだ!信じれるわけがない!」

対話を試みるも問答無用で拒絶された。
それと同時に木々の間から十人近くの獣人が現れる。
人数ではこちらの方が少ないから迂闊に手を出せなくなったな。
たんに勝つなら問題ないだろうが、もしあっちに死人でも出ようものなら誤解を解くのは無理になるしな。

「スィヨン!速い過ぎる!」

「ちょっ!大丈夫その手と足。」

「手は……問題なさそう。足は………ダメかも。でも大丈夫。」

僕らと1番最初に接触した獣人娘……名前はスィヨンと呼ばれていた娘の足は無理矢理にヒスイの拘束を突破したので足が曲がっちゃいけない方向に曲がっている。

「と、取り敢えずその草焼きますよ?」

スイヨンの足に絡み付いた蔓は彼女の仲間の炎魔法により焼き切られる。

「ここは私達の土地!人間にけがさせるわけにわいかない。皆気を付けてかなりの腕前よ!」

その言葉と共に獣人族達の雰囲気がガラッと変わり、殺気を帯びた剣呑な雰囲気に変わる。
それに反応して、こちらもそれぞれ武器を構える。

「やベーなおい。獣人族は一人一人がDランク級の冒険者並みに強いらしいが?」

「恐らくそれは戦闘員の話でしょう。奴等は女ばかりです。最初の女はともかく他は戦闘員とは思えません。」

全員戦闘する気マンマンだが、なんとか回避できないものか?

【マスター、ラズ姉も呼び出した方が良いのでは?】

あ、ニキス居たの忘れてた。
そして、ニキスの言うとおりラズリを出した方が良………。
ニキス…………。
ニキスを[擬人化]させると見た目はほぼ獣人族のそれだ。
そして、彼女らの容姿を見ると三角型の大きな耳、蛇のように細くて長い尻尾、………猫人族の様に見える。

「ニキス。[擬人化]出来るか?」

【はへ?】

僕がニキスに問いかけたと同時にスィヨンと呼ばれて獣人が爪を構え、こちらに攻撃してくる。
ニキスは僕の言葉を冷静に聞きにやりと笑う。

【…………なるほど!流石です。[擬人化]!】

ニキスは[擬人化]をして人の形態をとると僕らの前に飛び込み、スィヨンの爪を短剣で弾く。
ニキスが人型の姿を現したことでお互いの陣営に困惑が拡がる。

「マスター達は貴女達に危害を加える意思はない!落ち着きなさい!」

「なぜ仲間が?人族と共に?」

困惑する仲間を律するようにスィヨンが呼び掛ける

「…………人族と一緒にいる以上敵だ!裏切り者は殺せ!」

そう言ってこちらに駆け出そうとするが、足を踏み出すことが出来ず転けかけてしまう。
他の獣人達も足が動かずに戸惑っている。

「…………これは?」

獣人族達の足には黒い縄のような物が巻き付いている。

「ニキスの影魔法はヒスイ姉の樹魔法と違って土から引っこ抜けたりしないから………。ヒスイ姉!保険でもう一度お願いします。」

「う、うん。[プラントコントロール]」

獣人達は影により拘束された上に、更に蔦により拘束される。
流石に獣人達も動くことは出来ず呻き声をあげる。

「出来れば、拘束もしたくなかったが、お互い怪我が無かったし及第点か?ニキス・ヒスイのお陰だ。ありがとう。」

「マスターの為ならこんなもの苦でもなんでも…………♪」

「まぁ………、誉められると悪い気はしないわね。………ふっ…♪」

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