クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

97話 HP

「何処に逃げれば……?」

何処か人気ひとけの無いところは…………取り敢えず、警備が凄そうな王の間から遠い所に行かないと。
レベルアップしたステータスのお陰で人を1人抱えていても走ることができる。
[隠密術]と[索敵術]を駆使し何とか城の中の方に進んでいく。
恐らく、僕を秘密裏に殺す為に城の中にいる人間の数を最小限にしていたんだろう。
名目上は勇者の仲間である僕を殺すなんて表立って言えることではないだろうし……。
お陰で何とかバレずに進めている。

城内に入ってから少したつと厨房のようなもの部屋が見える。 

「ここなら綺麗な水もあるし、隠れるのにも丁度いいかもしれない。」

厨房の奥の隅に行くと抱えていたリリアさんを地面に下ろす。
背中に傷があるから、このままにしておくと良くない。
幸いここは厨房なので、調理中に手などを清潔に保つためのタオルがあるはず………………あった。
ついでに大量の水を準備してリリアさんの方に戻る。

タオルの上にリリアさんを仰向けに寝かして背中の傷を見る。
右肩から脇腹までざっくり斬られてしまっている。
幸い内臓や骨には傷は無さそうだけど………。
だけど、出血が止まらない何とかして止めないと。
そうだ![高位鑑定]でリリアさんを見れば多少、怪我の具合が分かるかもしれない。




名前:シェシリー([遮蔽]リリアに偽装中)
種族:人族
年齢:24才
性別:女
職業:魔法拳闘師
冒険者ランク:S

level.58

HP:1243/3660
MP:547/3253




良かった~。まだHPが1/3位は残ってるこれなら大丈夫だろう。
そう思ったのも束の間、リリアさんのHPが一定間隔で減少していることに気付く。
!?そうだ。当たり前じゃないか。この世界はゲームじゃないんだから!
強い攻撃を受けてもHPが0寸前で耐えきったからそのまま戦えたりする訳じゃない!
当然出血によってもダメージが入るに決まってる。
このままのペースだと30分もしないうちにリリアさんのHPが0になってしまう。

「まずいぞ!止血の方法なんて血管を圧迫する以外知らない!手足ならともかく背中なんてどうやって圧迫するんだよ!」

なにか治すいい方法は無いものか………。
!ここは異世界だ!魔法的なもので治す方法があるはずだ!

僕は回復させれるような魔法を覚えてない。
[状態異常妄想]で再生を付与してあげたいけど、あれは僕か僕の[ティム]した魔物しか使うことは出来ない………。
なにか回復作用のある魔導具とかはないか?
ここはこの王城だし、宝物庫を探せばあるかもしれないが警備も厳重だろうし、リリアさんをこんなところに置いていくことなんて出来ない。

うーん………。
あ~!僕持ってたじゃん回復作用のあるアイテム!
[アイテムボックス]の中にあるアイテムを片っ端から外に出していく。

「あった!ヒールポーション!」

これで何とかなるかな?

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