クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

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96話 退却

「流石に勝ち目は無さそうですし逃げた方が良さそうですね。」

「そうですね………。逃げ切れる確率もかなり……少ないでしょうが、………このまま戦うことに……比べれば、…………遥かにまし……ですかね。」

リリアさんは先程の攻撃によって話すのもつらそうだ。

「リリアさん逃げ切れるだけの力はありそうですか?」

「正直退却かなり、…辛いですが………なんとか頑張ります。………すいません足を…………引っ張ってしまい………。」

うっ!不安だけど、今はこのまま逃げるしか、方法がない……。
周りの様子を見ると戦闘している間に、僕達が逃げる目標にしている城の外に出れる城門と僕達の間に相手の三人が居る。
いくらなんでもあの三人を突破して城から逃げ出すのは難しそうだ。

「リリアさん。一旦城の中に逃げ込みましょう。外に逃げるのは難しそうです。」

「そうですね………。仕方ないですが……一度城の中に戻って………脱出の機を…………伺うことに………しましょう。」

目標は決まった。あとはあの三人の気を引いてくなんとか逃げきりたい!
なにかないか!?

「私に………任せて…ください。…………[ウィンド]。」

リリアさんが魔法を発動しようとして居るのを見て、相手の三人が警戒体勢をとった。
しかし、リリアさんは[ウィンド]を下方向に放った。 

「なにを!?」

放った[ウィンド]は、さっきリリアさんが攻撃するために石畳を割って作った砂煙の砂が時間が経ち地面に堆積していた。
その砂は、風の力を受けて砂煙として再び巻き上がる。

「今のうちに……行きましょう。」

僕達は城門に背を向けると城に向かって走り出す。
あの三人はどの方向から攻撃が来るか分からず警戒しているようだ。

「くそ!ふざけないでよね!………[アイスブリザード]!」

どうやら、セリアがこの状況に堪えきれず魔法を放とうとしてるようだ。
魔法名を言っているところから推測すると、さっきまでとは違い無詠唱から、詠唱短縮になっているので、かなり規模のデカイ魔法かもしれない。
名前からすると広範囲攻撃な気がするが、今はこのまま逃げるしかない。

「くらえ!」

どうやら[アイスブリザード]はサッカーボール位の氷の塊を沢山精製して、風の力で広範囲に撒き散らす魔法のようだ。
なんとか、避けることができているが、今まで魔法と違い直線的な動きだけでなく、風の力で曲線的な動きや、ランダムな動きをしていて、避けることがかなりギリギリだ。

避け続けている間に魔法の威力が落ちてきた。

「あぁっ!」

なんとか、魔法に堪えきれたか?と思ったらリリアさんが最後に横腹に被弾してしまったようだ。
そのまま、倒れてしっている。

「リリアさん!大丈夫ですか?」

リリアさんは倒れた拍子に頭をうち、気絶してしまったようだ。

「くそ!何処に行ったの!」

「セリア様!何処から攻撃が来るかわからないんですよ?警戒してください。手負いの獣が一番危険なんですから!」

相手3人との間にある砂煙のお陰でまだリリアさんが被弾していることはバレて無いようだ。
今後の戦術を考える上でも1対3よりは2対3だと思われている方が、戦術も拡がるはず!バレる前に城に逃げ込んでしまおう。
僕はリリアさんを抱えて城内に逃げる。





「そろそろ砂煙が晴れます。奇襲に気を付けてください。それとセリア様!貴方の魔法のせいで砂煙が晴れるまで余計時間が掛かってしまいました。慎重に注意して行動してください。」

「ええ!それはそうだけど………。でもあの魔法で相手にダメージ与えれたかもしれないし……………。」

「それはもし当たってても結果論です。それより集中して周りを警戒してください。」

メイド長メラリアの言葉に、セリアと騎士団長レオンは警戒をつよめる。
そして砂煙が晴れる。

「ちょっと誰も居ないんだけど!」

「いいから警戒してください。隠密系のスキルを使って奇襲する気かも知れませんよ。」

警戒したまま10秒が経過する。

「……………?おいメイドの姉さん?アイツらまさか逃げたんじゃないのか?」

「まさか?城門の方は砂煙が無いのでずっと様子を伺ってましたが、彼らが逃げた様子はなかったですよ?」

「そうじゃなくて城の中に逃げたんじゃないのか?」

「!?私は今すぐアリド国王の護衛に戻ります!お二方は引き続き城内での捜索をお願いします。」

「了解~。城門は適当な兵士達に守らせとくよ。」


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