クラス転移で仲間外れ?僕だけ◯◯◯!

TNKt_k

44話 新たなる邂逅

少し余裕を持って4体の魔物を倒す事が出来た。

「ふぅ、何とかなるもんですね。」

「私は魔法職業なんで近接戦には人並み程度のことしか分かりませんがそれでもすごく華麗な戦いだったように見えましたよ。」

「ありがとうございます。しかし、こっちの子はどうしましょうか?」

僕の目線の先には、先程のホワイトキャットの特異個体が僕の足に再びしがみついている様子が見える。
他の4体のホワイトキャットを倒してもこの特異個体に戦闘の意思はなさそうだ。

「その魔物が他の魔物と違う事についてなんですが、もしかしたらその魔物はダンジョンの魔物ではないのかもしれません。」

「?どうゆうことですか?」

「前にダンジョンの中にいる魔物と外の魔物の違いについて以前にアイテムドロップがあるかそれとも死体が残るかの違いがあると言いましたが他にも幾つか違いがあります。
それは魔物の行動パターンが違うということです。普通の外にいる魔物は当然ご飯も食べますし、時に相手が強ければ逃げたりし、魔物同士の生存競争もあります。個体それぞれでさまざまなパターンの攻撃をしてきたり、奇襲をしたり等とても理知的に行動します。
それに対してダンジョンの魔物はパターンがある程度決まっているような行動をよくとります。ダンジョンの魔物には絶対に敵対しません。そしてそれ以外の者に対しては相手がどんなに強くても必ず攻撃します。そして攻撃のパターンは分かりやすく、ほぼ全てのダンジョンの魔物がすぐ近くの敵に攻撃を仕掛けるなど、単調です。
なので私も簡単に魔物を討伐できるダンジョンを初めての戦闘の舞台にえらんだんです。」 

「なるほど、だとするともしかしてダンジョンの魔物は基本的に[ティム]で使役獣にすることは出来なかったりするんですか?」

「そうですね。今までダンジョンの魔物に対して[ティム]が成功したなんてことは、私が知る限りありません。」

このダンジョンで良さそうな魔物がいればティムしようと思ってたんだけど残念だな。

「つまりこの黒猫はダンジョン産の魔物ではなく、何らかの理由でダンジョンに入り込んでしまった外の魔物ではないか?ということですね。それゆえにダンジョンの魔物と敵対していたということですか。」

「はい。しかし困りましたね。そんなに怯えて足にしがみついている魔物を倒すなんて罪悪感を感じる行為は私には出来そうもありません。とはいえ放置しようものならダンジョンの魔物に倒されてしまうでしょうし。」

「そうですね。僕も幾らなんでもこんなに怯えている魔物に攻撃はしたくないですね…………。
そうだ!ちょうど特異個体という珍しい個体ですしティムして使役獣になってもらいましょう。」

「それは名案ですが、魔物をティムするには相手が弱っていて服従の意思が有るときか、相手が一定以上の好意を持っているときに限ります。その子を弱らせるのは可哀想ですし、怯えているのにここから友好的になるのは難しくないですか?」

「まあ、なるようになりますよ。よーし、黒猫話を聞いてくれ。」

黒猫は聞こえているのか、いないのかは分からないがこちらの事を見てくれている。

「僕の使役獣にならないか?ダンジョンを出て僕と一緒に居よう。今ならスライムの友達もいるぞ。ご飯もたっぷりだ。」

「にゃ~ん」

黒猫は悩んだような様子を見せると一声鳴いて僕の足を舐めている。しかし、名前はどうしようか?綺麗な黒色か~。
黒といえばゲームならブラックオニキス辺りが有名だが、あとは黒曜石とかか?黒曜はなんか不味い気がするな。
うーん、オニキスはなんか男っぽいな~。
ニキスがいいかな?

「よし!黒猫おまえの名前は今からニキスだ!ブラックオニキスからとってニキス。綺麗な黒い毛並みにピッタリの名前だろ。」

それを承諾したのだろうか?僕とニキスの間にパスが通ったようだ。

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