武士は食わねど高楊枝

一森 一輝

3話 山月記(7)

「総ちゃん! あーさーだーよーっ!」
 揺らされる感覚。微かに目を開くと、朝焼けが滲んだ。胡乱な心地で目を開くと、視界に真っ直ぐ飛び込んでくる人物がいる。真っ黒で、長い髪の持ち主だ。
「ほら、早く起きて! 朝ごはん覚めちゃうよ」
 彼女は立ち上がり、障子を閉めて部屋から去っていった。総一郎は、奇妙に思って周囲を嗅いだ。色濃い、緑の匂い。
 明かりがさしこむ先には、彼から近いところから畳、縁側、そして開いた障子の先に広がる緑豊かな庭があった。夏の匂いだ、と総一郎は気付いた。しかし、その中でも一等珍妙なものがあった。膝立ちで覗き込み、正体を知る。
 ――図書が製作し、総一郎が破壊した土像だ。
 総一郎は、それを見てぽかんと口を開けた。おかしいと思う。だが、何がおかしいのかを考えて、おや? となってしまった。
「……朝ごはん食べよ」
 とりあえず立ち上がり、居間に向かう。木の床。裸足で歩くと、ぺたぺたする感じがあった。掃除したばかりだと、そうなる。しばらくすると薄く埃が積もって、歩くのに違和感を覚えなくなるのだ。
 居間には、二人の女性が居た。一人は台所に立っていて、僅かに自分の背が高い。真っ白な肌と髪。そしてもう一人。見ているだけで愛おしさを感じる、黒髪の少女。机に座っていて、総一郎よりも背が低かった。
「あ、おはよう総一郎。昨日はよく眠れた? 暑かったから寝苦しくなかったかと思って」
「私は暑かった。そりゃもう、溶けるかと思うくらい」
「白羽ー。貴方はいつから雪女になったのー?」
「雪女って、何で名前に雪を入れたがるの? その所為で私のクラスのうち、三人も雪の字が入ってるんだよ?」
「何ちゃんって名前?」
「雪音ちゃんが一人。雪子ちゃんが二人」
「あら、被っちゃった」
「……朝から二人とも元気だね」
「総ちゃん何、もしかして風邪ひいたの?」
「ひいてないけど……」
 自分は、混乱しているのだろう。と総一郎は自覚している。けれど、その原因が分からない。ふと気付いて、尋ねる。
「……ねぇ、何で髪の毛が黒いの?」
「え? ……もしかして総ちゃん、私が寝てる間に染めた?」
「いや、だってあれ以来、君の髪の毛は白く染まって」
「『あれ』って、何?」
「そりゃあ……」
 そこまで言って、口を噤んでしまった。思い出せない。顎に手を当てると、小ばかにしたように真似してくる彼女。
「総一郎、朝の挨拶を聞いてないけどー?」
 髪の白い女性からの催促で、総一郎は我に返った。「うん」と頷いてから、何故だか妙に必要に感じた度胸を蓄えるべく、深く息を吸った。吐きだし、言う。
「おはよう。白ねえ、母さん」
 おはよう、とどちらも改めて、微笑みと共に返してくる。


「え、父さん今居ないの?」
「うん。ちょっと野暮用だとか言って、数日開けるんだって」
 学校と急かされて、総一郎は制服に着替えた。制服。つまりは中学校である。違和感を覚えたが、着替えている内に消えてしまった。
 白羽と共に玄関を出て、すぐに隣家に向かった。躊躇わず彼女はチャイムを鳴らす。鳴らすと言っても呼び鈴で無く、門のカメラに近づきそのまま声に出して呼ぶのである。小さく緑色の光が付き、声紋認証だろうかと見当を付ける。
『しばし待ってほしい。ほら、琉歌! 総一郎君と白羽ちゃんが迎えに来てくれてるぞ!早く着替えなさい!』
『今やってるから五月蝿くしな、うわっ、あわわ!』
 深い渋みのある声と、この世の物とは思えない程の美しい声。それが随分と軽快に発せられるものだから、総一郎は思わず笑ってしまった。白羽も、喜色のある声色で「早くしないと置いてっちゃうよ~」と焦らせている。
 それから数分も経たない内に、垂れ眉が特徴的な少女が飛び出てきた。存外に大きく、総一郎と同じほどだろうか。しかしこれ以上伸びるという気もしない。早熟という言葉を思わせる身長である。
「おまっ、お待たせ!」
「遅いよ、琉歌。あと二秒遅かったらおいて行こうかと思ってた」
「ぎりぎりセーフだね、良かったぁ……」
 白羽の茶々にそう返すのは、気弱な雰囲気を漂わせる割にはポジティブな考え方を持った少女だった。髪は肩の所で切り揃えていて、綺麗な亜麻色をしている。……が、慌てて支度したせいなのか、服装に幾つか乱れている所があった。
「髪の毛がちょっと跳ねてるのと、襟が一部裏返し。あと、一番致命的なのがボタンの付け間違えだね。下着が若干覗いてる」
「えっ、あっ!」
 男である総一郎に指摘されたものだから、顔を真っ赤にして直し始めた。何だか微笑ましい気持ちで眺めていると、白羽にわき腹を強く抓られる。
「痛っ、痛たたた。ちょっ、何するの白ねえ。痛いから止め、痛いっ!! 何!?」
「年頃の乙女の素肌をにやにやして見てるから! 総ちゃんのエッチ! ……うん。私今日もお姉さんっぽい」
「キャラ作りで僕つねられたの……?」
「ちなみにキャラを作らなかったら普通にガゴッってやってるから、まぁ、ラッキーだったね!」
「えー……感謝したくない……」
 思わず総一郎は、緊張感のない声を漏らしてしまった。彼をおいていくような素振りで歩きはじめる白羽に、少しの早足で着いていく。
 しかし、指摘された部分全てを直した琉歌が、おずおずと上目遣いで言った。
「あ、あの……。別に、総くんなら、見ても構わないというか……」
 一瞬目を点にする姉弟。琉歌に背を向けて、こそこそと囁き合う。
「やっぱりるーちゃんって狙ってるよね」
「うん。何かこう、総ちゃんを悩殺! ……みたいな」
「違う! 違うから! 幼馴染だし、ずっと一緒に居るから、今更気にしないっていう意味で!」
「あざとい」
「あざとくないっ!」
 白羽の真顔の批評に、怒髪天の琉歌。それを見守る総一郎の眼差しは、気付けば酷く柔らかいものになっていた。それに気付いた琉歌が、「アレ?」という。
「総くん、何かいい事でもあった?」
「え……何で」
「何か、幸せの絶頂みたいな顔してたんだもん」
 言われて、自分の顔に触れた。確かに、緩んでいる。
「……何でだろ」
「総ちゃんっていつも幸せそうな顔してるから」
 ね、と下から白羽は顔を覗きこんでくる。それが可愛らしくて、相槌を打ちながら頭を撫でた。大人しく撫でさせてくれる。それがとても嬉しい。
 学校に着いた。
 途中で、白羽と別れた。琉歌とも、クラスが別だった。図書も学校の新任として偶に授業を受け持ってくれるが、用がない限りは会おうとも思わない。適当にクラスの友人に挨拶を交わして、自分の席に座る。
 そして、とりとめのない事をつらつらと考え始めた。違和感と疼痛が、思考の中で浮き出て、交わり、総一郎に近づいて、消えた。頭に軽い痛み。気付けば俯いていた顔を上げる。目に入るは赤々とした教室。そして顔のサイドに般若の面を付けた青年。
「おう、起きたか寝坊助」
「……図書にぃより、るーちゃんとか白ねえに起こされたかった」
「黙れマセガキ。多分あいつらも、部活終わってこっち向かってるところじゃないか?」
 言われて、見回した。教室は人気もなく、夜へとひた走る前兆を見せている。総一郎は剣道部が無かったため、部活には入っていなかった。
「図書にぃの受け持ってる部活って何だっけ」
「料理部」
「うわ、似合わな過ぎてちょっと格好いい」
「褒められちまったよ畜生が」
 相変わらず般若の面を顔の横に付けて、図書は苦笑した。彼の仮面は、生まれ持ったものだ。着け外しは任意だが、躰から取り離すことは出来ない。ちなみに被ると身体能力が高まるらしい。
「よっ、仮面ライダー般若!」
「ざけろ」
 最近彼の取り乱すところが見れず、少々さびしい総一郎だ。
「総ちゃーん。起きてますかー、って、ああ! ずーにぃに抜かされた!」
「またレパートリーが増えたよこのメス餓鬼が……」
 渋くため息を吐く図書に、白羽は気にも留めず総一郎の元へ駆け寄った。琉歌も全員揃っているのに笑顔を灯し、「じゃあ餓鬼どもはさっさと帰った」とぞんざいに兄貴分は、追い払うような手の振り方をした。
「図書にぃは帰らないの?」
「仕事がまだ残ってんだよ。ま、一時間くらいで帰れるんじゃないか」
 総一郎に図書はそう答えて、教室を出ていこうとした。途中で立ち止まる。その止まり方が不自然で、「お兄ちゃんどうしたの?」と琉歌が尋ねた。
 だが、図書は何も答えなかった。首を捻る彼らの視界に、図書の頭上で瞬いた茶色の残像が焼き付いた。どう、と図書は倒れ伏す。頭頂部の頭蓋骨が、陥没していた。
「えっ、お兄ちゃん?」
 きょとんとしながら図書に駆け寄った琉歌にまでも、『それ』は刃を振るった。一撃目に喉を突かれ、兄と同じように頭蓋を打たれて倒れ伏す。
 『それ』は、影だった。
 荒々しい呼吸。下半身までが知覚できたが、上半身は真っ黒で分からなかった。長い木刀を手にしている。唯一窺える下半身の服装も、薄汚い。
「えっ、何? どういう事?」
 白羽が、困惑に声を漏らした。総一郎は棒状の物を探す。掃除用の箒などが良いのではないか。「白ねえ、翼」といえば、我に返った彼女も純白の羽を広げて臨戦態勢に入る。
『……』
 奴は、無言だった。何も言わず、佇み、次の瞬間には白羽を肉薄にしていた。白羽の反撃は間に合わず、彼女もまた、地に伏してしまう。見れば奴は、顔のみを残して判別できるようになっていた。つまり、肝心の顔だけが分からない。
「君は、一体何だ! 何故こんな事をする!」
 彼らが死んだ、とは到底思えなかった。信じられなかった、の方が正しいのか。だから、ある程度の平静さを保てた。奴はいつの間にか手にしていた二つ目の木刀を、総一郎に投げ渡してくる。受け取り、しばし迷って、結局構えた。
 対峙。その時、初めて敵の凄味を知った。獣のような、荒々しさがある。だが、本質は違った。獣どころではない。
 すぐに、膠着が崩れた。総一郎は振りかぶり、その頭を打とうとした。敵はそれを、手首を柔らかくして、自分の木刀で総一郎の得物を受け流すようにして、懐へ飛び込んできた。頭を打たれる。椅子を巻き込みながら、総一郎は地面に倒れ込んだ。
 顔のない『奴』は、総一郎に近づいてきた。馬乗りになり、首を絞める。そして、信じられないような力で総一郎の腕を引き抜いた。絶句。次に、絶叫。
 ――何なのだ。何が目的でこんな事をするんだ。
 このような趣旨の言葉を、半狂乱で叩き付けた。失いゆく多くの血の匂いにむせ返って、その半分以上は人間の言語の体を為していなかったように思われる。奴はただ無関心にそれを聞き流し、有るのか無いのかも分からないような口で、千切った腕を咀嚼し始めた。
 遅い所作ながら、数秒も経たずに奴は腕を完食した。その顔には、いつしか首がある。反対の腕を千切られた。激痛に身もだえして、奴の様子を確認するだけの余裕を取り戻した頃にはそれも食べ終わったらしく、見れば奴の顔に顎が出来ていた。
「君は……。君は、一体何なんだ……!」
「……」
 奴は、答えない。両足を千切られ、総一郎は叫ぶ。そして、気付けば足は喰われ、奴の口が現れているのだ。
「口があるなら、答えられるだろう!? 何で君は」
「……僕も、君の様になりたかった」
「……は?」
 腹に、木刀が突きたてられた。何度も何度も繰り返され、最後には地面にまで貫通した。母の血が原因だろう。奴はそこから内臓を引き吊りだし、貪っていく。
 苦い。そう思った。だというのに奴は喰い続ける。そこで気付いた。視界に、二つの情景が映っている。一つは、今まで通りの、『奴』を見上げる視点。もう一つは、ダルマ同然となった自分を、見下ろす視点だ。
 手を伸ばし、自分を食らうたびに、総一郎は記憶を取り戻していった。胴を食い、頭を食った。涙はとうに枯れている。苦い、苦いと思いながら、食べ続けた。血濡れの床には、もうほとんど残されていない。いまだ脈打つ心臓だけが、薄い血の池に波紋を放っている。
 心臓に、手を伸ばす。最後だと思い、躊躇う。背後から、声が掛かった。はっとなって振り返った。

 我に返る。オーガの棍棒がぶち当たる。錐もみしながら飛んで行く。死と、対峙する。

 「がっ、ぁっ、ごほっ、ごぼっ」
 総一郎は、崖にぶつかって潰れていた。肋骨が折れ、肺に刺さったのだろうか。咳が止まらず、ついには血を吐いた。寒い、と思う。雪の寒さは当然あった。だがそうではなく、芯からくる寒さだった。
 足音。オーガ特有の、地響きをさせるそれだ。立ち上がろうとする。しかし、出来なかった。手も足も、へし折れている。木を文字通りどけながら、オーガはその姿を現した。
 奴も、酷く荒い呼吸をしていた。見れば、いくつもの切り傷があった。自分がやったのか、と考える。先ほどまでのアレは、夢のような物だったのだろう。過呼吸を起こしていて、それ以上は苦しくて考えられない。
 これでは嬲殺しにされる、と焦りが湧いた。けれど、不思議な事に奴は総一郎に一定の距離以上近づきたがらなかった。オーガは、近くに生えていた大木に抱きついた。その圧倒的な膂力を以て、引き抜く。
 その大木を持ち上げるオーガの姿は、まるで自分の何倍もの重さの物体を持ち上げる蟻に似ていた。
 震えている。そんな風に、総一郎は見て取った。文字通り自重の何倍もの重さの物体だ。オーガの、だいたい五倍以上の長さがある。それを、総一郎に投げつける気なのだろう。潰される。そう思うと、恐ろしくなった。
 再び、血を吐いた。咳が先ほどから止まらない。吐き気さえあった。昨日の昼から、何も食べていなかったから、特に何が出るという事もない。空腹が足された苦しさに、雪を握りしめた。
 冷たい。死ねば、もっと冷たい。
 オーガが、投げる気配を見せる。咄嗟の行動だった。
「『神よっ、万物の縛りが、彼の者により多く与えられんことを』」
 水分不足にかすれた声を捻りだし、杖を振った。なけなしの聖神法が放たれ、木に宿る。オーガの震えが大きくなった。木の重さに一秒耐えきって、直後奴は押しつぶされた。
 オーガの死でさえこんなにも呆気ないものなのかと思うと、何故だか酷い孤独を感じた。
「……咄嗟の場面で魔法じゃなく聖神法が出る辺り、僕もすっかり騎士候補生なんだな」
 虚しくつぶやきながら、木に押しつぶされたオーガに這い寄った。血が、トクトクと流れている。それに、総一郎は口を付けた。いつもは、雪解け水を飲む。だが今、ここ一帯の雪には全て、聖神法によって毒が混ぜられていた。おぼろげな記憶がある。盗み聞いて知った事だろう。
 鉄臭い。オーガの血も、人間とさして変わる所は無かった。人間の姿でないから、辛うじて飲めるという程度だ。喉を潤わせて、近くに飛び散った肉片を拾い、食らった。不味い。しかし、食えない程ではない。
 ふと、思う。肉の食える魔獣は、大抵他の生物の肉を食わない。オークなどがそうで、奴らが人間を襲うのは、悪戯目的や自衛に過ぎなかった。逆に、肉を食う魔獣は不味い。ゴブリンなどがその筆頭だ。
 対して、オーガは人肉を食らうという。その割には、ゴブリンよりはマシだった。何故だろうと疑問を抱く。少し回復した聖気を遣って、傷を少しずつ治していく。
 肉を食い、血を呑み、少し寝る。それを繰り返していたら、いつの間にか夜が明けていた。
 朝焼け。夢の中のそれと全く同じに、滲むような光だった。芯から来る寒さも消えない。過呼吸も治らない。だが、動くことが出来る程度には回復した。
 立ち上がり、周囲を見回す。静か過ぎる。胸を押さえて呼吸を落ち着かせようとしながら、そのように思った。オーガの肉を、もうひと塊掴んでかぶりつく。不味いが、何処か血の滾るような気持ちにさせられる。
 歩いた。唐突に、総一郎を待ち構えていたような雰囲気を持った三匹のオーガに遭遇した。総一郎は、静かに正眼に構える。
 オーガ達は、最初の一匹のような不遜な態度を見せず、強い警戒を露わにして総一郎の周囲を囲い始めた。相打ちが望めない、やりにくい状態だ。気付けば手が震えていたが、それは怯えではない。
「――来い。一匹残らず、殺してやる」
 言葉に込められる、積極的な殺意。今までの総一郎には、有り得なかった一言。
 オーガの鈍器。それが、三方向から同時にやってきた。一匹ずつ殺す。そう決めて飛び出し、オーガの一匹の足を両断した。敵を斬る度に、この木刀は退魔の力を増しているように思われる。数日前には、両断など出来なかっただろう。
 足元を崩されたオーガは倒れ、しかし追撃をする前に、総一郎は体を鷲掴みにされた。このままでは握り潰される。手に木刀を突き刺すと嫌がったように振り回され、地面に叩き付けられた。
 追撃を、瀕死の体で避ける。聖神法で塞いだ傷も再び開いたようだ。力というのは、これほどまでに強力な物なのかと歯ぎしりをする。蹴りが、這いつくばる総一郎を打ち上げた。間髪入れず聖神法を唱えたが、防御が叶った代わりに杖の折れる手ごたえがあった。
 木々の間を縫うようにして、総一郎は飛んで行く。そして着地地点にヘル・ハウンドがいる事に気付いて、ぎりぎりの所で木刀を突きだした。爆発は避けられたが、ダメージがひどい。伏して、しばらく立ち上がれそうになかった。
「……!」
 人の息遣い。恐らく、騎士候補生の物だろう。昨日の山狩りの、追加メンバーか。どうでもいい、とだけ思った。どうせ、放っておけばオーガの餌食だ。それまでの時間稼ぎにはなるだろう。それまで、少し休みたかった。
 雪の冷たさ。体の、奥深くにまで入り込んでくる。止める術は総一郎には無かった。ただ、微睡のように凍えていく。

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