精霊使いと冠位の10人
神草埜々2
埜々は人目を気にせず、それはもう全力疾走であった。
魔術省は日本にある東京、大阪、名古屋、鹿児島、北海道の5つの都市にそれぞれ拠点を置き、本部は東京に置かれている。
埜々は名古屋の支部に在籍している扱いとなっている。
名古屋支部はセントラルタワーとは反対方面の都心とは離れた位置にある。
埜々の通う高校からは5キロほど離れた場所であり、それを埜々は15分程度で支部の入り口までたどり着いた。
彼女がフルマラソンに挑戦したらどんなタイムを出してくれるのだろうか。
しかし無論純粋な体力というわけでなく、魔術における補助を使用している。
「10分前に、つけたあ」
埜々ははぁ、はぁ、と息を切らしながら支部の入り口を跨ぐ。
そして正面ゲートを通過し急いでエレベーターに乗った。
エレベーターに乗っている最中、埜々はエレベーター内に取り付けてある鏡を使い、服装や髪の毛を整え、よしと頷いたと同時にエレベーターの扉が開いた。
埜々は目的地である会議室を目指し歩き始めた。
会議室の前でごくんと唾を飲んでから一呼吸置き、失礼しますと言い会議室の扉を開けた。
部屋の中にいたのは深い青色の髪を肩に下げた幼げな150㎝くらいの少女が席に座っていた。
少女の視線は入ってきた埜々を映していた。
その視線に緊張している埜々に幼げな少女は言った。
「やっほー埜々ちゃん来たね来たね。とりあえずそっち座りなよ。あとお菓子あるけど食べる?それともお茶のがいい?」
「あ、出来たらお茶が...」
「埜々ちゃんいつもこの部屋入ると緊張してるよねー、はいお茶」
少女は笑いながら、埜々にお茶を淹れて渡した。
 
「ありがとうございます。遠藤さん」
「うーん、由美子でいいって言ってるのになー。埜々ちゃんって結構頑固だよね」
「いや流石にそういうわけにはいかないですよ」
少女の名は遠藤 由美子。
名古屋支部の責任者であり、この都市を守る最終防衛ラインが彼女だ。
署長クラスの人間は基礎属性である火、水、風、土、雷のいずれかを極めたもの達であり、冠位の10人(グランドマスター)達と同等だと言われている。
由美子は基礎属性の中の水属性を極めた者であり、   一人で1000体の魔獣を討ち取った記録が残っている。
冠位の10人(グランドマスター)の地位は独立していて、本部、各支部への所属はしなくてもいいのだが、埜々は高校生ということもあり名古屋支部に属している。
「わざわざ来てもらっちゃってごめんねー。 アイドル業とか学業とかも大変なのに。あとそういえばこの前出た埜々ちゃんのCD買ったよ。あれいい曲だねー」
「えっと、ありがとうございます」
とにかく遠藤由美子という人物はよく喋るのだ。
ただ誰にでもというわけではない。気に入った人や興味のある人にだけにはこのようになる。
埜々はどちらかといえば前者だろう。
「そうそう、今日来てもらった理由ね。最近街の中に
魔獣が結構入ってきてるって話は聞いてるかな?」
「はい。一応噂程度ですけど一耳には入ってます」
「そう?なら話は早いんだけど今からに一度支部内で私も含めてだけど、強い子たち集めて結界の境界付近の魔獣を一掃してこようと思うんだよ。それで中心部の警備に不安が残っちゃうから埜々ちゃんに見回りを少しお願いしたいなーって話」
ああ、一掃する側では無いのかと少し埜々は落胆した。
埜々はスケジュールを確認するために携帯をとりだして予定を確認し、空いていることを確かめてから「はい」と由美子の依頼を了承した。
「じゃあ、早速行ってくるから警備の方はまかせたよん」
由美子はそう言って部屋を出て行った。
埜々もじゃあ準備してこようかなと呟き会議室を後にした。
魔術省は日本にある東京、大阪、名古屋、鹿児島、北海道の5つの都市にそれぞれ拠点を置き、本部は東京に置かれている。
埜々は名古屋の支部に在籍している扱いとなっている。
名古屋支部はセントラルタワーとは反対方面の都心とは離れた位置にある。
埜々の通う高校からは5キロほど離れた場所であり、それを埜々は15分程度で支部の入り口までたどり着いた。
彼女がフルマラソンに挑戦したらどんなタイムを出してくれるのだろうか。
しかし無論純粋な体力というわけでなく、魔術における補助を使用している。
「10分前に、つけたあ」
埜々ははぁ、はぁ、と息を切らしながら支部の入り口を跨ぐ。
そして正面ゲートを通過し急いでエレベーターに乗った。
エレベーターに乗っている最中、埜々はエレベーター内に取り付けてある鏡を使い、服装や髪の毛を整え、よしと頷いたと同時にエレベーターの扉が開いた。
埜々は目的地である会議室を目指し歩き始めた。
会議室の前でごくんと唾を飲んでから一呼吸置き、失礼しますと言い会議室の扉を開けた。
部屋の中にいたのは深い青色の髪を肩に下げた幼げな150㎝くらいの少女が席に座っていた。
少女の視線は入ってきた埜々を映していた。
その視線に緊張している埜々に幼げな少女は言った。
「やっほー埜々ちゃん来たね来たね。とりあえずそっち座りなよ。あとお菓子あるけど食べる?それともお茶のがいい?」
「あ、出来たらお茶が...」
「埜々ちゃんいつもこの部屋入ると緊張してるよねー、はいお茶」
少女は笑いながら、埜々にお茶を淹れて渡した。
 
「ありがとうございます。遠藤さん」
「うーん、由美子でいいって言ってるのになー。埜々ちゃんって結構頑固だよね」
「いや流石にそういうわけにはいかないですよ」
少女の名は遠藤 由美子。
名古屋支部の責任者であり、この都市を守る最終防衛ラインが彼女だ。
署長クラスの人間は基礎属性である火、水、風、土、雷のいずれかを極めたもの達であり、冠位の10人(グランドマスター)達と同等だと言われている。
由美子は基礎属性の中の水属性を極めた者であり、   一人で1000体の魔獣を討ち取った記録が残っている。
冠位の10人(グランドマスター)の地位は独立していて、本部、各支部への所属はしなくてもいいのだが、埜々は高校生ということもあり名古屋支部に属している。
「わざわざ来てもらっちゃってごめんねー。 アイドル業とか学業とかも大変なのに。あとそういえばこの前出た埜々ちゃんのCD買ったよ。あれいい曲だねー」
「えっと、ありがとうございます」
とにかく遠藤由美子という人物はよく喋るのだ。
ただ誰にでもというわけではない。気に入った人や興味のある人にだけにはこのようになる。
埜々はどちらかといえば前者だろう。
「そうそう、今日来てもらった理由ね。最近街の中に
魔獣が結構入ってきてるって話は聞いてるかな?」
「はい。一応噂程度ですけど一耳には入ってます」
「そう?なら話は早いんだけど今からに一度支部内で私も含めてだけど、強い子たち集めて結界の境界付近の魔獣を一掃してこようと思うんだよ。それで中心部の警備に不安が残っちゃうから埜々ちゃんに見回りを少しお願いしたいなーって話」
ああ、一掃する側では無いのかと少し埜々は落胆した。
埜々はスケジュールを確認するために携帯をとりだして予定を確認し、空いていることを確かめてから「はい」と由美子の依頼を了承した。
「じゃあ、早速行ってくるから警備の方はまかせたよん」
由美子はそう言って部屋を出て行った。
埜々もじゃあ準備してこようかなと呟き会議室を後にした。
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