貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無双します
国士騎士⑮
 ネメスに指示を出してからぴったり5分。
 何とか陛下が来る前に全ての完了を確認できた。
 報告の後、ネメスには新たに屋敷内の詮索を命じており、子爵家との繋がりや裏金などの帳簿を探してもらっている。
 見つかるのも、時間の問題だろう。
  それから数分も経たぬうちに、陛下がやってきた。
「待たせたな、アルト」
「いえ」
「さて、帝国の事だが」
「陛下、その前にひとつよろしいでしょうか? 」
「うむ、なんぞ? 」
 俺は、陛下に謁見前の暗殺の事とその暗殺者を保護したこと、裏でで加担しているのがチャン侯爵とリアヌ子爵家であったこと。
 その他に、侯爵家と闇ギルドの接点や既にそれらを捕獲しているという事を話した。
「そんなことが……。アルト、此度は助かった。感謝する。」
「いえ、陛下より承った王国貴族としての任を、私は果たしたまでです」
「ふむ、優秀な部下を持ってわしは嬉しいぞ」
 満足そうに頷く国王陛下。
 陛下も、以前よりチャン侯爵を筆頭とする貴族派派閥の人間には、色々と手を焼いていたからな。
「それでだアルト、捕獲している奴らはどこにおるのだ? 今すぐにでも監獄へぶち込んでやりたいのだが」
 明らかに私怨が入っているな……。
 まぁ、それもそうか。
 幾度となく彼等の行動に邪魔されてきたのだろうからな。
「私の部下が、彼らの屋敷を抑えております。それと、暗殺者の事ですが……」
「分かっている、その者はお前に一任しよう」
 当然とばかりに言う陛下に、俺は頭を下げる。
「有り難き幸せ」
「うむ、では早速向かおうぞ」
 陛下は、俺が転移魔法を使うことが出来るのを知っている。
 椅子から立ち上がると、俺の肩に静かに手を置いた。
''転移''
――――
 景色は急変し、チャン侯爵家の門の前にはネメスの配下と思われる悪魔が4人ほど立っている。
 そののうち1人が、どうやら俺に気づいたようで駆け寄ってきた。
「大主様! 」
 彼らの主はネメスだ。
 ネメスは、以前は部下にも俺の事を主と呼ばせていたが、それは少し違うので俺が止めさたつもりだったのだが……。
 どういう訳か、''主''という部分は変わらずにネメスより上という事で''大''がついた。
 
 まぁ、俺も別の呼び方を提案できないから丁度良かったのだが。
「主より伺っています。それで、隣の方は? 」
「俺が仕える国の国王だ」
「そ、そうで御座いましたか! これは御無礼を」
 悪魔は、陛下に向き直し膝を立て自己紹介をする。
「私は主直轄の戦闘部隊、副総長のルーリリーでございます」
「わしはトールス王国が国王、バーズ・メン・トールスだ」
 陛下は、片膝をつく悪魔――ルーリリーに握手を求める。
 普通、国王が片膝をつく相手に握手を求めることは無いのだが、一応相手は他種族だ。
 それゆえの物だろうと、容易に想像がつく。
「では大主様、中にて主がお待ちです。どうぞ」
 俺達は、ネメスの部下に連れられて屋敷の中に入っていく。
 侯爵家の広いロビーには、1箇所に固められた使用人達が、そしてその奥にはチャン侯爵とその一家、闇ギルドの幹部達が縄で縛られて横たわっている。
 「主様、お待ちしておりました。国王陛下に置かれましては、お久しぶりでございます」
 そう言って手を二度叩くと、別の悪魔が椅子を2つ運んでくる。
 
 「報告が少し長くなりそうなので、取り敢えずおかけください」
「うん、ありがとう」
 俺は、陛下が先に座るのを確認してから座る。
「じゃあ早速頼む、ネメス」
「はい、了解しました」
 そう言うと、ネメスは黒革の手帳を俺に手渡した。
「これは? 」
「こちらは、チャン侯爵が闇ギルドと取引を行った帳簿にございます」
 俺は、それを開いて陛下にも見えるように確認する。
 
――――――
依頼   冒険者の始末
詳細   闇ギルドとの会話を聞かれた可能性があるため。
依頼料   金貨30枚
――――――
 どのように、他にも数々の依頼がその手帳には記されていた。
「これは……」
 陛下が声を上げる。
 その視線の先には、弱小貴族である男爵家のヒューリージ家当主とその妻の殺害依頼が記されていた。
 この者は、陛下の目掛けと言えばいいのか、才能があると見込み手塩にかけて育てているものであった。
「子息から行方不明の連絡が入っていたが、まさか貴様らが……」
 将来の厄介者は潰しておこうというわけか、それとも国王派の貴族への見せしめだろうか。
 だが、これらはまだ一端に過ぎなかった。
 
 何とか陛下が来る前に全ての完了を確認できた。
 報告の後、ネメスには新たに屋敷内の詮索を命じており、子爵家との繋がりや裏金などの帳簿を探してもらっている。
 見つかるのも、時間の問題だろう。
  それから数分も経たぬうちに、陛下がやってきた。
「待たせたな、アルト」
「いえ」
「さて、帝国の事だが」
「陛下、その前にひとつよろしいでしょうか? 」
「うむ、なんぞ? 」
 俺は、陛下に謁見前の暗殺の事とその暗殺者を保護したこと、裏でで加担しているのがチャン侯爵とリアヌ子爵家であったこと。
 その他に、侯爵家と闇ギルドの接点や既にそれらを捕獲しているという事を話した。
「そんなことが……。アルト、此度は助かった。感謝する。」
「いえ、陛下より承った王国貴族としての任を、私は果たしたまでです」
「ふむ、優秀な部下を持ってわしは嬉しいぞ」
 満足そうに頷く国王陛下。
 陛下も、以前よりチャン侯爵を筆頭とする貴族派派閥の人間には、色々と手を焼いていたからな。
「それでだアルト、捕獲している奴らはどこにおるのだ? 今すぐにでも監獄へぶち込んでやりたいのだが」
 明らかに私怨が入っているな……。
 まぁ、それもそうか。
 幾度となく彼等の行動に邪魔されてきたのだろうからな。
「私の部下が、彼らの屋敷を抑えております。それと、暗殺者の事ですが……」
「分かっている、その者はお前に一任しよう」
 当然とばかりに言う陛下に、俺は頭を下げる。
「有り難き幸せ」
「うむ、では早速向かおうぞ」
 陛下は、俺が転移魔法を使うことが出来るのを知っている。
 椅子から立ち上がると、俺の肩に静かに手を置いた。
''転移''
――――
 景色は急変し、チャン侯爵家の門の前にはネメスの配下と思われる悪魔が4人ほど立っている。
 そののうち1人が、どうやら俺に気づいたようで駆け寄ってきた。
「大主様! 」
 彼らの主はネメスだ。
 ネメスは、以前は部下にも俺の事を主と呼ばせていたが、それは少し違うので俺が止めさたつもりだったのだが……。
 どういう訳か、''主''という部分は変わらずにネメスより上という事で''大''がついた。
 
 まぁ、俺も別の呼び方を提案できないから丁度良かったのだが。
「主より伺っています。それで、隣の方は? 」
「俺が仕える国の国王だ」
「そ、そうで御座いましたか! これは御無礼を」
 悪魔は、陛下に向き直し膝を立て自己紹介をする。
「私は主直轄の戦闘部隊、副総長のルーリリーでございます」
「わしはトールス王国が国王、バーズ・メン・トールスだ」
 陛下は、片膝をつく悪魔――ルーリリーに握手を求める。
 普通、国王が片膝をつく相手に握手を求めることは無いのだが、一応相手は他種族だ。
 それゆえの物だろうと、容易に想像がつく。
「では大主様、中にて主がお待ちです。どうぞ」
 俺達は、ネメスの部下に連れられて屋敷の中に入っていく。
 侯爵家の広いロビーには、1箇所に固められた使用人達が、そしてその奥にはチャン侯爵とその一家、闇ギルドの幹部達が縄で縛られて横たわっている。
 「主様、お待ちしておりました。国王陛下に置かれましては、お久しぶりでございます」
 そう言って手を二度叩くと、別の悪魔が椅子を2つ運んでくる。
 
 「報告が少し長くなりそうなので、取り敢えずおかけください」
「うん、ありがとう」
 俺は、陛下が先に座るのを確認してから座る。
「じゃあ早速頼む、ネメス」
「はい、了解しました」
 そう言うと、ネメスは黒革の手帳を俺に手渡した。
「これは? 」
「こちらは、チャン侯爵が闇ギルドと取引を行った帳簿にございます」
 俺は、それを開いて陛下にも見えるように確認する。
 
――――――
依頼   冒険者の始末
詳細   闇ギルドとの会話を聞かれた可能性があるため。
依頼料   金貨30枚
――――――
 どのように、他にも数々の依頼がその手帳には記されていた。
「これは……」
 陛下が声を上げる。
 その視線の先には、弱小貴族である男爵家のヒューリージ家当主とその妻の殺害依頼が記されていた。
 この者は、陛下の目掛けと言えばいいのか、才能があると見込み手塩にかけて育てているものであった。
「子息から行方不明の連絡が入っていたが、まさか貴様らが……」
 将来の厄介者は潰しておこうというわけか、それとも国王派の貴族への見せしめだろうか。
 だが、これらはまだ一端に過ぎなかった。
 
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