最強の魔王として異世界に転生しました

鈴木颯手

鈴木颯手

    俺は鈴木颯手。高校2年のどこにでもいるような人間だ。
    今の俺は無気力といってもいい。昔は「人を助ける仕事につきたい」とか言っていたが今の俺はめんどくさがりやだ。
    両親はすごく仲がよく近所でも評判となっているが身内の俺としてはやめてほしい。二人とも40近いのにバカップル見たいで見ているこちらが恥ずかしい。
    とまあ、そんな両親であるが俺をちゃんとしつけてくれたよ。これでしつけが下手だったらかなり笑えるのにといつも考えているよ。
    そんなお陰か俺はものすごい成長を遂げたよ。運動神経も悪くはなく、成績も上位ランクに入る。顔もいいらしく、バレンタインではいつも持ちきれないほどチョコをもらうよ。俺としてはやめてほしいが。
    しかし、俺は今日そんな人生が終わってしまった。
    いつも通り学校を終えて帰宅している時に起きた。
    俺は何気なくいつもは使わない裏路地に入った。何でかって?それは俺にもわからん。
    そんなときに俺は金縛りにあったんだ。ビックリしたよ。生まれて初めて金縛りにあったんだ。しかし、驚いたのもつかの間。いきなり目の前が光だし、気づいたら薄暗い洞窟にいたよ。
    何か回りは叫んでいるし、姿もかなりおかしいし。これってあれか?小説によくある転生ってやつか?
    「すいません、いきなりここに来て驚いているでしょう」
    俺は首をかしげていると隣から声がした。そこで隣を見るとそこには誰もいない。
    「あ、あの。したです」
    下から声がしたから下を見ると人間のような少女がいた。なぜようななのかと言うと人間にしてはきれいだからである。肩にかかるくらいの金髪の髪、サファイアのような蒼い目、10代くらいの中では飛びっきりスタイルのいいからだ。まさにヨーロッパにいそうでいない美少女である。
    「申し遅れました。私はここの「魔族」を統括しているヴァンパイアのリナと申します魔王様」
    成る程、ヴァンパイアだからこの美芳と言うわけか。詰まるところ俺はどこかの世界に転生したと言うことか。…ん?今魔王様って言った?
    「あ~、間違いならそれでいいんだが今魔王様って言ったか?」
    俺は何となくリナに聞く。出来れば気のせいですと言って欲しい。
    「はい、確かに私は魔王様と呼びました」
    俺の期待ははかなくもくだけ散った。というか何で俺が魔王様なん?おかしいだろ。
    「何で俺が魔王様なんだ?俺は普通の人間だけど」
    「その事については今から説明します」
    そしてリナは語った。「魔族」のこと、この世界のこと、今の「魔族」のことなど色々と。
    「…そんなわけでないこのまま人間の奴隷として生きていくのは嫌だと思った魔族が集まって考えた結果、魔王の素質を持ったものをこの世界に召還することにしたのです。昔に一度人間も勇者をこの世界に召還しているので魔力の多い我々魔族なら可能だと思ったわけです」
    「…成る程、つまり俺は別の世界の関係ない民族の独立戦争の大将に選ばれたわけか」
    「身勝手なのは充分承知です。それでも我々魔族の独立の為にどうかお願いします!」
    「「「「「お願いします!」」」」」
    他の魔族も頭を下げる。確かにいつまでも負けた相手の奴隷としていきるのは辛いだろう。
    「…お前らの気持ちはよくわかった」
    「なら…」
    期待の籠った目で俺を見る。
    「しかし、俺としてもいきなりハイそうですかと受けれない。というか俺としてはやりたくないな。そんな一か八かのかけのような物に俺を巻き込まないで欲しい。それに俺は人間だ。いくらお前が決めたとしても魔族の中には人間の俺を魔王として俺の指示に従うとは思えない。むしろ俺を殺そうとする方が高いだろう。俺にとっちゃ魔族と行動するのはデメリットしかない。悪いが他を当たってくれ」
    俺はただ単にめんどくさいからやりたくないのだがそれだけでは断りづらかったので何か付け加えて断った。
    実際俺の言った通りだろう。何で今から独立する民族と同じ種族の者の命令を聞かなければいけないのだ?俺がこいつらの立場だったら絶対に嫌だね。
    「確かにあなたの言う通りです。あなたにはメリットが存在しない。それでもどうか…」
    それでもリナはしつこく頼んでくる。…くそ、断りづらい。
    俺の性格は頼まれると断りづらいのだ。そのせいでいつもやっかいごとに巻き込まれるのだが。
    「…でも俺はいまのところ非力な人間だぞ?恐らくお前らが考えているようなことはできないと思うが」
    そりゃそうだ。俺は今まで普通の高校生として生きていたんだ。特別な訓練を受けたわけでもない。戦場を経験いたこともない。普通の人間だ。そんな俺が何かできるとは思えなかった。
    「その事についてはご心配なく。別世界より転生したものはその体に見あった能力がもらえるんです」
    なんだよそれ。転生者チートじゃん。成る程、確かに魔王の素質を持つものはかなり強いと思う。ならあとは戦場を経験すればいいだけか。
    「…分かった。今回は俺の気まぐれで手伝ってやるよ」
    「本当ですか!?」
    後ろの魔族からも驚きの声が上がる。さっき俺やらないって言ったからな。
    「ただし、しばらくは行動できない。自分の力の確認とその力をうまく使えるように訓練をしないといけないからな。それでいいなら魔王として魔族を人間から助けてやるよ」
    「ありがとうございます!」
    こうして俺は魔王として魔族を助けるために行動するのであった。

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