俺だけ初期ジョブが魔王だったんだが。
第2章 20話 「馬を乗りこなす青年」
<ライドシティ>の魅力は何と言っても、移動が格段に楽になる乗馬が手に入ることである。
戦闘には参加しないが利便性が高い乗馬をいち早く手に入れようと、<ライドシティ>に辿り着いた者達は真っ先に<乗馬育成所>に向かうらしい。
俺達もそこへ向かう事にした。
「移動が楽になるのは有難いよな」
「先を急ぐ私達からすると救いの手ですね」
「でもミア、お馬さんには乗れません...」
「大丈夫だよ。俺も乗れない。ゲームなんだから比較的簡単に乗れるようになってるはずさ」
「だといいですが...」
ーーーーーーーーー
<乗馬育成所>に辿り着いた俺達は早速自分に合う馬を探した。<乗馬育成所>の中は牧場のようになっており、その中から気に入った馬を選ぶらしい。
馬1頭でもなかなか値段が張ったが宝石を売って大量の軍資金を得た俺達は気にすることなく馬を選べた。
案の定、やはり馬は誰でも簡単に乗る事が出来るようになっていた。多少の練習は必要なものの、俺は5分程度で慣れることが出来た。リリスは何と一瞬で乗りこなしたが、如何にも天才肌っぽいと感じていたので意外では無かった。
そして乗馬を心配していたミアはと言うと---
「きゃああっ!?」
「ミア、焦らないで。あなたが暴れるから馬も興奮状態になっちゃうのよ」
「うぅ...。無理ですよ〜!!」
馬から振り下ろされる彼女は、尻もちをついて泣き喚いた。
「うーん、どうしても無理そうなら俺の後ろに乗せるか...」
「ありがとうございます...。すみませんっ!」
「え...あ、だめですよ、そんな!後ろに乗るのは私です!」
「それ意味無いだろ...」
結局ミアは馬に乗れなかったので、俺か、もしくはリリスの後ろに乗せることにした。
一応ミアの分の馬も持って行くことにしたので手に入れた馬は3頭だ。
手に入れた馬は何とバッグに収納する事が可能で、馬に手を当て、戻れと言うと1枚のコインに変化する。
出す時はコインをバッグから取り出し放り投げるらしい。どこぞの妖怪のメダルのパクリでは無いよな?
馬を手に入れた俺達はライドシティにもう用事はないので、フィールドへ繰り出すことにした。
やはり馬に乗っているプレイヤーもそこそこいるらしい。
「あれ?」
「ん?どうしたミア」
「あの蒼い馬に乗る青年は乗りこなしながらバトルを行っていますね」
「本当だ、そんな事が可能なのか?」
「出来ますよ。【騎士】系の職業で、DEXが高い方のみですが」
リリスがすかさず教えてくれた。
「あれ?ミアは【暗黒騎士】なのに乗れないのか?」
「それは....よっぽど才能が無いとしか...」
「うぅ...」
思わず涙目になるミアの頭を撫でた。その一部始終を例の青色の馬に乗る青年は見ていた。バトルを切り上げ、馬を操りこちらへ向かってきた。
「おい、そこの男!そこの女の子を泣かせるな!」
「...え?」
「とぼけるな、オレの目は誤魔化せん」
「いや、誰だよ」
「オレの名は...ハイド!世界で一番真摯な男さ!」
そう名乗る男はミアを手繰り寄せ俺から離した。俺とリリスは呆然としていた。ミアは軽いパニックに陥っている。
「さぁ、お嬢さん。もう大丈夫。この悪徳カップルからオレが守ってやるから...」
そう言い放ったハイドと名乗る男はニコッと微笑み親指を立てた。整った歯が眩く光る。
ミアは困惑の表情で苦笑いする。
「お前達!こんな幼い子を虐めて楽しいのか!」
「いや、虐めてないし、まずうちのメンバーなんですが」
「!そうなのか、キミ?」
「あ..え、と、そうです...」
「そうか...。無理矢理言わされてるんだな...。大丈夫、オレがついてるから!」
そう言うとミアを自分の後ろへ隠し、剣を握った。
「いやいや、待てって」
「今頃後悔しても遅いわ!俺の聖剣が悪を貫く!」
ハイドはそれを聖剣と呼ぶ、神々しく輝く剣をこちらに向ける。思わず息を飲んだ。
「レンジくん。もうやっちゃいましょうか」
「いやぁ、PKは不味くないか?」
その時、男女2人組がこちらの方へ駆け寄ってきた。女の人が焦った表情で口を開いた。
「ハイドくん!また何してるの!だめだよ!?」
「こいつらが幼気な少女を虐めてたので、成敗しようとしているところだ!」
「それはきっとハイドくんの勘違いだから!皆困った顔してるから!剣仕舞おう?ね?」
女の人の説得で納得したハイドという男は大人しくなった。
「すいません。うちの者が迷惑かけて。こいつ単純というか馬鹿というか。無鉄砲な奴なんです」
「なっ!馬鹿だと?!」
男の人が俺達に丁寧にお辞儀してきた。その彼は身長が高く爽やかな二枚目である。長い金髪がとても美しく美青年と言うに相応しかった。
「いえ、誤解が解けたなら良かった」
「それにしても聖剣なんて持ってるなんて一体彼は何者なんですか?」
「ああ。彼はうちのギルドの特攻隊長なんだ」
「ギルド...?」
「そう、<スティグマ>ってギルドなんだけど。聞いたことない?」
まさかこんな早くご対面とは。
戦闘には参加しないが利便性が高い乗馬をいち早く手に入れようと、<ライドシティ>に辿り着いた者達は真っ先に<乗馬育成所>に向かうらしい。
俺達もそこへ向かう事にした。
「移動が楽になるのは有難いよな」
「先を急ぐ私達からすると救いの手ですね」
「でもミア、お馬さんには乗れません...」
「大丈夫だよ。俺も乗れない。ゲームなんだから比較的簡単に乗れるようになってるはずさ」
「だといいですが...」
ーーーーーーーーー
<乗馬育成所>に辿り着いた俺達は早速自分に合う馬を探した。<乗馬育成所>の中は牧場のようになっており、その中から気に入った馬を選ぶらしい。
馬1頭でもなかなか値段が張ったが宝石を売って大量の軍資金を得た俺達は気にすることなく馬を選べた。
案の定、やはり馬は誰でも簡単に乗る事が出来るようになっていた。多少の練習は必要なものの、俺は5分程度で慣れることが出来た。リリスは何と一瞬で乗りこなしたが、如何にも天才肌っぽいと感じていたので意外では無かった。
そして乗馬を心配していたミアはと言うと---
「きゃああっ!?」
「ミア、焦らないで。あなたが暴れるから馬も興奮状態になっちゃうのよ」
「うぅ...。無理ですよ〜!!」
馬から振り下ろされる彼女は、尻もちをついて泣き喚いた。
「うーん、どうしても無理そうなら俺の後ろに乗せるか...」
「ありがとうございます...。すみませんっ!」
「え...あ、だめですよ、そんな!後ろに乗るのは私です!」
「それ意味無いだろ...」
結局ミアは馬に乗れなかったので、俺か、もしくはリリスの後ろに乗せることにした。
一応ミアの分の馬も持って行くことにしたので手に入れた馬は3頭だ。
手に入れた馬は何とバッグに収納する事が可能で、馬に手を当て、戻れと言うと1枚のコインに変化する。
出す時はコインをバッグから取り出し放り投げるらしい。どこぞの妖怪のメダルのパクリでは無いよな?
馬を手に入れた俺達はライドシティにもう用事はないので、フィールドへ繰り出すことにした。
やはり馬に乗っているプレイヤーもそこそこいるらしい。
「あれ?」
「ん?どうしたミア」
「あの蒼い馬に乗る青年は乗りこなしながらバトルを行っていますね」
「本当だ、そんな事が可能なのか?」
「出来ますよ。【騎士】系の職業で、DEXが高い方のみですが」
リリスがすかさず教えてくれた。
「あれ?ミアは【暗黒騎士】なのに乗れないのか?」
「それは....よっぽど才能が無いとしか...」
「うぅ...」
思わず涙目になるミアの頭を撫でた。その一部始終を例の青色の馬に乗る青年は見ていた。バトルを切り上げ、馬を操りこちらへ向かってきた。
「おい、そこの男!そこの女の子を泣かせるな!」
「...え?」
「とぼけるな、オレの目は誤魔化せん」
「いや、誰だよ」
「オレの名は...ハイド!世界で一番真摯な男さ!」
そう名乗る男はミアを手繰り寄せ俺から離した。俺とリリスは呆然としていた。ミアは軽いパニックに陥っている。
「さぁ、お嬢さん。もう大丈夫。この悪徳カップルからオレが守ってやるから...」
そう言い放ったハイドと名乗る男はニコッと微笑み親指を立てた。整った歯が眩く光る。
ミアは困惑の表情で苦笑いする。
「お前達!こんな幼い子を虐めて楽しいのか!」
「いや、虐めてないし、まずうちのメンバーなんですが」
「!そうなのか、キミ?」
「あ..え、と、そうです...」
「そうか...。無理矢理言わされてるんだな...。大丈夫、オレがついてるから!」
そう言うとミアを自分の後ろへ隠し、剣を握った。
「いやいや、待てって」
「今頃後悔しても遅いわ!俺の聖剣が悪を貫く!」
ハイドはそれを聖剣と呼ぶ、神々しく輝く剣をこちらに向ける。思わず息を飲んだ。
「レンジくん。もうやっちゃいましょうか」
「いやぁ、PKは不味くないか?」
その時、男女2人組がこちらの方へ駆け寄ってきた。女の人が焦った表情で口を開いた。
「ハイドくん!また何してるの!だめだよ!?」
「こいつらが幼気な少女を虐めてたので、成敗しようとしているところだ!」
「それはきっとハイドくんの勘違いだから!皆困った顔してるから!剣仕舞おう?ね?」
女の人の説得で納得したハイドという男は大人しくなった。
「すいません。うちの者が迷惑かけて。こいつ単純というか馬鹿というか。無鉄砲な奴なんです」
「なっ!馬鹿だと?!」
男の人が俺達に丁寧にお辞儀してきた。その彼は身長が高く爽やかな二枚目である。長い金髪がとても美しく美青年と言うに相応しかった。
「いえ、誤解が解けたなら良かった」
「それにしても聖剣なんて持ってるなんて一体彼は何者なんですか?」
「ああ。彼はうちのギルドの特攻隊長なんだ」
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